【トレイルランニングバックパックレビュー】Rab「Veil 12(ベイル 12)」

トレイルランナー JP

フィッティング、快適さ、使い勝手の良さを引き継いで容量をアップした12Lモデル

【写真提供:トレイルランナーJP】

Rab(ラブ)は、1981年イギリス ヨークシャー州シェフィールドで寝袋の製造からスタートした、登山家が登山家のために商品を開発しているブランドです。創業以来のコンセプトは「虚飾を排し、過度な機能を付加せず、買い替えるより修理して使い続けたくなる、誠実に機能するギア作り」。

近年はアパレルを中心にラインナップを拡大。今やUKのみならずヨーロッバを代表するアウトドアギアブランドの一つに数えられる存在です。トレイルランニングのラインナップはアパレルをメインに展開していましたが、2023年に初のベストパック「Veil 6(ベイル 6)」(6L)と「Veil 2」(2L)を発売。今回紹介するのは2024年に新しく追加された12Lモデルの「Veil 12」です。

【写真提供:トレイルランナーJP】

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「Veil 12」のボディ素材とフロントポケットの構成は「Veil 6・2」と同様です。ボディは、サイド部に伸縮性に富んだストレッチパワーネットを配置している以外は、すべてリップストップ・モノメッシュ・シャーシを採用。モノメッシュ素材は一般的なスペーサーメッシュ構造と比較すると50%軽量で保水性は70%低いため汗の吸収による重量増を最小限にとどめてくれます。

極薄で抜群の通気性を誇るリップストップ・モノメッシュ。 【写真提供:トレイルランナーJP】

コンパートメントとポケットは全部で12個あります。
フロントポケットの構成は左右対称で、上段にフラットポケット(左側にはキーリングとホイッスル付)。その下にソフトフラスク用のポケット。下段には大容量のスタッシュポケットと、その外側にジップポケットを配置しています。

フロントとサイドのポケットをフル活用すれば使用頻度の高い装備はほぼ収納できる。 【写真提供:トレイルランナーJP】

サイドのメッシュポケットはセンターでつながっており、開口部が大きく中心に行くに従って狭くなっています。もちろん背負ったままでもアクセス可能。

メインコンパートメントへはトップのU字型のジッパーからアクセスします。内部は2層で内側はリザーバーコンパートメント。2Lのリザーバーを収納可能。また、最上部にはフラップポケットとその内部にはジップポケットも付いていて、こちらも背負ったままアクセスできます。

メインコンパートメントとリザーバーコンパートメントの2層構造。 【写真提供:トレイルランナーJP】

最上部のポケットは走りながらでもアクセスしやすい。内部にはジップポケットもある。 【写真提供:トレイルランナーJP】

メインコンパートメントの外側にはコンプレッションコードがついていて、しっかりと装備を圧縮できます。余ったコードが引っ掛からないようにポケットも用意しているあたりはさすがの気配りです。

両サイドからアクセスできる大きなメッシュポケット。その下にポールホルダーも装備。 【写真提供:トレイルランナーJP】

ポールはフロントの左右に分けて装着できるほか、リアの下部にまとめることもできます。



下の表は各ポケットに直径4.3cmのボールをいくつ収納できるかを調べたものです。「Veil 6」と比較してみました。

ストレッチ素材のポケットは伸ばしすぎず、無理のない個数にとどめました。

(左)「Veil 12」。(右)「Veil 6」。 【写真提供:トレイルランナーJP】

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装着はチェストの太めのコードを留めるだけ。もちろん微調整が可能です。着用感はソフトというよりはソリッドですが身体との隙間がなく密着感が高いです。そして、走り出すと硬めのフィット感が安定性に寄与していることが判ります。伸縮性が高いのはサイドのストレッチメッシュとチェストのコードですが、ボディのモノメッシュも格子の対角線方向にストレッチするので、身体の動きに合わせたパネリングによって伸縮性の強弱を絶妙につけることで、トータルのフィット感としては快適さと安定性を高い次元で実現しています。

部位によってモノメッシュの方向を変え、ストレッチ性をコントロール。 【写真提供:トレイルランナーJP】

モノメッシュのボディはクッション性がない替わりに通気性と疎水性は抜群で、背中の汗が乾くスピードは最速レベル。高温多湿な日本の気候にベストマッチです。

ポケットの使い勝手は良好です。メインコンパートメント以外収納はすべてパックを下さずにアクセス可能。フロントのソフトフラスク用のポケットはハードボトルも問題なく収納可能。その外側のジップポケットにはスマートフォンも入ります。下段のポケットも大容量です。センターで繋がっている両サイドのポケットは「Veil 6」よりも少し小さいですが、その分トップにポケットがあるので分散して収納することができます。

メインコンパートメントのコンプレッションは強力で全体をしっかりと押さえつけてくれるため、多少装備が少なくても揺れることはありません。もちろんコードにシェルなどを引っ掛けることもできます。

「Veil 12」は、フィット感、速乾性、収納性と3拍子そろった完成度の高いパックです。また、「Veil」シリーズはフロントポケットが共通仕様なので、複数のサイズを持っていても使い勝手が変わらず、戸惑うこともありません。一度背負ったらヘビロテしたくなる意欲作です。

【写真提供:トレイルランナーJP】

Veil 12
・価格:¥25,300(税込)
・本体重量:279g
・容量:12L
・サイズ(チェスト):S(86.3-94)、M(94-101.6)、L(101.6-111.7cm)
・生地:リップストップモノメッシュシャーシ(ナイロン100%)、ストレッチパワーネット(ナイロン87%、エラステイン13%)
・500mlソフトフラスク 2本付属
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