センバツLIVE! 全32校アンケート分析

「全員が日本一に向けて動く」広陵 好きな言葉は「ありがとう」が8割の理由

毎日新聞

経験豊富な熟練バッテリー  4度目優勝で春の主役へ

広陵の大黒柱であるエース右腕・高尾響投手 【吉田航太撮影】

 優勝候補の一角。昨秋の中国大会は史上初の3連覇を達成した。明治神宮大会の1回戦では優勝した星稜に惜敗したが、総合力の高さを示した。中でも、バッテリーの熟練度は出場32校で随一だろう。

 大黒柱は右腕の高尾投手だ。最速148キロの直球は回転数が多く、ホームベース上でホップする球質。スライダー、カーブ、スプリット、カットボールと変化球も多彩だ。入学後まもなくして背番号「1」を託され、甲子園での登板経験も数多い。「カーブでカウントを取れるようにしたい」と、神宮大会で星稜打線に打たれた反省から、変化球の制球力改善に努めている。

 主将で捕手の只石選手も1年秋から名門の正捕手を任されており、実戦経験も豊富。2人は寮でも同部屋で、息の合った配球を見せる。

 投手陣では2年生右腕の堀田昂佑(こうすけ)投手も注目される。昨秋の中国大会決勝の創志学園戦では、前日に170球で完投した高尾投手に代わって先発し、1失点で完投した。身長183センチ、体重81キロと体格もがっちりしている最速148キロの本格派。チェンジアップの精度が良く、奪三振能力も高い。

勝負強い4番の只石主将

勝負強さを兼ね備えた4番で主将の只石貫太選手 【滝川大貴撮影】

 打力は超高校級スラッガーの真鍋慧選手を擁した前チームに比べれば見劣りするが、「経験のある者も少ないし、力はないかもしれないが、打率は去年より高いでしょう。野球はこんなもんじゃ」と中井監督。チーム打率は3割5分9厘。4番の只石選手は勝負強く、昨秋はチーム最多17打点をたたき出した。浜本遥大選手、田村夏芽選手の1、2番はスイングが鋭い巧打者で、足も使えるチャンスメーカーだ。

 今春のセンバツから飛びにくい新基準のバットが導入される。只石選手は「外野の頭を越えると思った打球が定位置だったり。飛距離の土台となるパワーを上げる取り組みをしている」と強調する。今冬は選手それぞれがベンチプレスなどの目標数値を定め、ウエートトレーニングや「食トレ」に励んだ。

 昨春のセンバツは山梨学院、夏の甲子園は慶応(神奈川)、秋は星稜とそれぞれ優勝したチームに敗れた。「目標はもちろん日本一」と只石選手。センバツ優勝3回で異名は「春の広陵」。この春こそ、主役を張る。

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