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毎日新聞

歴代トップ級の「投手王国」  史上最多タイ5回目Vへ

「投手王国」でエース格の最速154キロ右腕・平嶋桂知投手 【西村剛撮影】

 例年、厚い選手層を擁するチームだが、今季は特に強力な投手陣を誇る。昨秋の近畿大会は全4試合に計5投手が登板。わずか4失点に抑えて史上初の3連覇を成し遂げた。百戦錬磨の西谷浩一監督も「一線級まではいかないが、投手の枚数は多い。誰が一本立ちするのか楽しみ」と期待を寄せる。

 エース格は最速154キロの右腕・平嶋桂知(かいち)投手。186センチの長身から、威力ある直球と鋭く落ちるフォークを投げる。制球力に課題を残すが、好調時は適度に荒れるため、打者に的を絞らせない。

 しかし、剛腕の平嶋投手でさえ「みんなレベルが高く負けられない」と危機感を持つ大会屈指の「投手王国」だ。140キロ台半ばの直球のキレが良い右腕・南陽人投手は下級生時からベンチ入り。安定感と経験値を備える。

「新星」と注目されるのは2年生右腕・森陽樹投手だ。身長189センチの恵まれた体格から角度のある最速151キロの直球と縦に大きく割れるカーブで打者を翻弄(ほんろう)する。公式戦初先発の近畿大会決勝の京都外大西戦では7回無失点の好投。昨秋の登板回数は12と少なかったが、奪三振率は14.25をマークし、強烈な印象を残した。さらに、最速149キロの2年生右腕・中野大虎投手も控えるなど将来性豊かな逸材がそろう。

野手も徳丸選手、ラマル選手らタレントぞろい

打線の中心を担う(左から)徳丸快晴選手、境亮陽選手、ラマル・ギービン・ラタナヤケ選手 【大西岳彦撮影】

 野手陣もタレントが名を連ねる。下級生時から3番を担う左の好打者・徳丸快晴選手と右の大砲で昨秋5本塁打の4番・ラマル・ギービン・ラタナヤケ選手のコンビは世代トップクラス。一方、チーム打率3割1分の打線はややつながりを欠き、要所で内野守備が乱れるなど接戦にもつれる要因となった。徳丸選手は「無駄なミスを無くすため、この冬、練習に取り組んできた。たたみ掛けるような攻撃を目指したい」。俊足の1番・境亮陽選手、2番・吉田翔輝選手が出塁し、自慢の中軸に好機で回したい。

 偉業に挑む大会となる。チームとしては歴代最多の東邦(愛知)に並ぶ春5回目の優勝を目指す。西谷監督にとっても記録がかかる。これまで甲子園で春夏通算67勝を挙げ、智弁和歌山などを率いた高嶋仁氏が持つ監督の最多勝記録まであと1勝に迫る。「私の勝利数でなく、OBたちみんなで重ねてきた数字」と強調する一方で「もっと積み重ねていきたい」と静かに闘志を燃やしている。

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