センバツLIVE! 全32校アンケート分析

「兄弟のように」仲がいい田辺の選手たち 夢は堅実? にじむ気迫

毎日新聞

昨秋は甲子園常連校を連破 勝利のカギ握る投打の軸

マウンド度胸が魅力の寺西投手 【橋本陵汰撮影】

 昨秋の和歌山県大会1回戦で市和歌山に8回コールド勝ちすると、準決勝で智弁和歌山を逆転で降した。選手18人のチームが甲子園常連校を連破し、周囲は驚いた。だが、本人たちには強豪と同じ地域でもまれながら培われた自信と落ち着きがあった。

 準決勝で2失点完投したエース右腕の寺西投手は、1年夏の和歌山大会2回戦も智弁和歌山を相手に先発していた。「普段は物静かだが、マウンドに行くと闘志が出る」(田中監督)というハートの強さを買われての大抜てきに応え、2回無失点。リリーフ陣が打たれ八回コールド負けだったが、寺西投手はこの試合の経験が生き、昨秋の対戦も「抑える自信はあった」と言い切る。

「1年生の時は赤いユニホームを見るだけで気持ちが負けていた」と振り返る主将の山本選手も、昨秋の智弁和歌山戦は「あまり緊張しなかった」。落ち着いて自分たちの力を発揮し、勝利につなげた。52年ぶりに出場した近畿大会も、1回戦で京都国際に敗れこそしたが、延長十回タイブレークにもつれ込む接戦を演じた。

 投打の軸が好成績の原動力となった。寺西投手は全7試合に登板し防御率1.63と大崩れしなかった。最速139キロの直球を軸に、スライダー、ツーシーム、スプリットを操る。大きくインステップして投げるため、ボールの出所が見えづらい。腰に負担はかかるが「よくストレッチしたり整体に行ったりする」とケアにも余念がない。「いざ登板したら無心の状態で投げられる」というマウンド度胸も魅力だ。

甲子園最後の勝利は76年前のセンバツ

打線の中心を担う山本陣世選手 【大西岳彦撮影】

 打線の中心は山本陣世選手。昨秋は4番に座ると、打率5割をマークし、2本塁打を放った。和歌山大会準決勝で七回に逆転の満塁本塁打を放つなどチャンスに強く、長打力と確実性を併せ持つ。中継ぎ登板の経験もあり、最速139キロの直球とスライダーを投じる。打率3割9分3厘、チームトップの5四死球を記録した1番・岡本和樹選手の出塁もカギとなりそうだ。

 甲子園は今大会で春夏通じて4回目だが、1948年センバツの1回戦を最後に白星がない。昨秋に見せた戦いのように、聖地でも落ち着いて力を発揮すれば、76年ぶりの勝利はおのずと近づいてくる。

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