東京グレートベアーズが史上初の「1万人」に挑戦する大一番 古賀、柳田が語り合う“応援の力”と見どころ

田中夕子

2人が考える試合の「楽しみ方」は?

リーグを代表するプレーヤー、柳田選手のダイナミックなプレーも見どころの1つだ 【写真:東京グレートベアーズ】

――10,000人プロジェクトをきっかけに初めてバレーボールを見るという方も来場するかもしれません。こんなところを見たら面白い、というオススメのポイントや、それぞれの目線で柳田選手は古賀選手に、古賀選手は柳田選手に注目するとしたらどんなところですか?

古賀 柳田選手の注目ポイントは、顔とのギャップ、甘いマスクから放たれる強いスパイクです。

柳田 甘い歳じゃないですよ。次世代にもたくさんいますから(笑)

古賀 プリンス何代目?

柳田 わかんないです(笑)。そもそも自分がプリンスの中にいるのかすらわからないです(笑)

古賀 タイガーマスクぐらいの数がいそうだよな(笑)

柳田 公認か、自称他称かもわからないです(笑)。有明コロシアムは他の体育館と違うすり鉢状の会場なので、コートも観客席も全体が見える空間です。たとえばハイキュー!!を見た方にとっては、自分も観客としてマンガやアニメで見たあのワンシーンに入れる、とイメージしていただくこともできると思いますし、コートに近い席の方はより間近で高さや速さ、ダイナミックさが味わえる。上のほうの席でも全体を俯瞰的に見て、誰がどう動いているのか、観客はどんなふうに盛り上がっているか、ベンチの人たちはどんなふうに動いているのかも見ることができる。見る場所によって自分の視点も大きく変わる会場で、楽しみ方もいろいろだと思いますし、古賀さんはその中で声を出して一生懸命走っています(笑)

古賀 上から見たら(僕は)米粒ぐらいだと思いますけど、ぜひ見ていただきたいですね(笑)。柳田が言うように、全体を見るのも1つの見方でありますが、誰か1人、推し選手じゃないけれど、1人をピックアップしてその人の動きを見るだけでも、ポジションの面白さやその人の個性を見ることができると思います。ここにいるのはプロであり特別な能力があってそこに立っている選手ばかりなので、どこかに特化して見るのももしかしたら楽しむ方法の1つかもしれません。

会場に来てくれたら、あとは「僕たちの仕事」

試合の見どころを語ってくれた古賀選手(左)と柳田選手 【スポーツナビ】

柳田 僕はドイツでサッカーを見たことがあって、その時々でサポーターのリアクションが顕著で、すごく面白かったんです。選手は真剣にプレーして、応援して下さる方々も真剣だからこそ、ミスをすればヤジが飛ぶこともあるし、点が入ればハイタッチをしたり、ハリセンを叩いて喜び合う。そういう要素がこれからバレーボール界、Vリーグでも、もっと増えてくると面白いな、と思いますね。実は僕自身もスポーツを見たり、応援するのは好きだけれど、周りの人と一緒にワーッと盛り上がることができないタイプなんです。同じように感じている人もいると思うので、盛り上がりたい人たちは一緒に、それができない人も自分なりの楽しみ方で見てもらえたら嬉しいですし、会場へ来て下さったら、あとはそこでどう盛り上げるかは僕たちの仕事です。

古賀 グレートベアーズのホームゲームは、見に来てもらったお客さんにもう一度会場へ来てもらうために、いろいろな施策をしています。今回の10,000人プロジェクトも、これまでのホームゲームにまた何段階も加わったエンタメが詰まっています。もちろんメインはバレーボールですが、いろいろな楽しみ方ができるので、ぜひ足を運んでいただきたいですし、来ていただいたらバレーボールの楽しさを伝えることもできる。グレートベアーズに興味をもっていただく、また来たい、と派生させていく自信が僕らにはあるので、ぜひ一度試合を見に来てください。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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