マイナビ仙台レディース 2023-24シーズンインタビューvol.8

マイナビ仙台レディース
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「このチームで絶対的な存在に、欠かせない選手になりたい」MF 24 遠藤ゆめ選手

【©mynavisendai】

今、ボールを持ったら最もワクワクする選手かもしれません。マイナビ仙台レディースのMF24遠藤ゆめ選手です。現在高校3年生、マイナビ仙台レディースユースから来年2月に正式にトップ昇格が決まっています。切れ味あるドリブルでスタンドを沸かせる遠藤選手に、2023年を振り返って頂きました。

 
――2023年はトップでも大活躍でした。こうした状況は予想していましたか?

「いえ。活躍したいと思っていましたが、そこまで活躍もできていないと思います。試合にたくさん関わらせてもらって、毎日楽しいですし、感謝しないといけないです。」

――遠藤選手は現在高校3年生。トップチームで練習していますが、今の生活サイクルは?

「午前中は公認欠席で練習をさせてもらっています。午後から学校に行って授業を受けています。ユースのトレーニングには参加していません。ユースの仲間には会いたいなぁと思います(笑)土日はここ(マイナビベガルタ仙台泉パークタウンサッカー場)で一緒になることもありますし、学校で会える子もいるので、ユースの仲間に会えると嬉しいです。」

――2024年2月から正式にトップチームのプロ選手となります。今シーズン前期から早い段階で、トップで試合に出られていることは大きなアドバンテージですね。

「そうですね。でも、もっと頑張らないと。同世代の選手は、みんなどんどん上手くなっているので、競争も激しくなっていると思います。このまま試合に出続けて活躍し行きたいです。」

――今季はWEリーグカップから全試合に出場しています。感じている手応えは?

「攻撃のところで背後に抜けることやドリブルで仕掛けることは少しずつできています。しかし、ゴールを決め切ることや球際は課題だと思っています。ボールを受けるタイミングや位置も、まだ身に着けていかなければいけないと思っています。」

――課題はありながらも、WEリーグで通用している部分も多いのではないですか?

「いえ、まだすごく波があるんです。その日の最初のプレーで仕掛けて上手くいくと、自信が持てるのですが、上手くいかないと自信がなくなっていってしまう。そういうところは練習で自信をつけていかなければいけないです。波を無くしたいです。例え、代表選手とマッチアップしたとしても仕掛けて抜けられるようにしたいですね。」

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――第5節大宮V戦では、代表経験豊かな有吉佐織選手とマッチアップしましたね。そこで感じたことは?

「背後に抜けられるかなと思ったのですが、背後の消し方が本当に上手かったです。ボールが出た時に、ボールに行かず、私の体の前に入って走らせないようにしていました。頭脳を使ってプレーしていると思いました。」

――リーグ戦は勝てない時期が続きましたが、皇后杯5回戦愛媛L戦で勝利。この勝利の喜びは大きかったですね。

「ほっとしました。勝てない、勝てないという状況が続いていて、チームとして見直していかないといけないという話はしていたのですが、どうしてもまだ甘さがあったのかもしれません。みんなの勝ちたいという気持ちに負けない位、私も戦う選手にならないといけないです。」

――今月はU-19日本女子代表候補のトレーニングキャンプにも参加しました。初めての代表活動でしたね。

「すごく緊張しました。みんな負けないという気持ちが前面に出ていました。私はそういうところがまだ足りないと思いました。選手同士の会話も多かったので、もっと会話ができて頭も使える選手になりたいと思いました。」

ユース時代 【©mynavisendai】

――遠藤選手は地元宮城県多賀城市の出身です。多賀城FCからマイナビベガルタ仙台レディースジュニアユースに加入しました。

「セレクションを受けて合格しました。東北でいちばんレベルが高いチームと思い入ることを決断しました」

――そこからユースへと進み、6年間をマイナビのアカデミーで過ごしました。中心選手として活躍し、今はトップで結果を出しています。プロ選手への道が開けましたね。

「夢というか、プロになりたい。なれればいいなと思っていたのですが、現実にこうなるとはびっくりしているところもあります。」

――どんな選手になっていきたいですか?

「まずはこのチームで絶対的な存在、欠かせない存在になりたいです。まだ足りないところが多いので、みんなの姿を見て、いずれは先輩たちのようにチームを引っ張っていけるような存在になりたいです。」

左: 猪瀨 中:遠藤 右:石坂 【©mynavisendai】

―マイナビ仙台レディースには、先にトップ昇格をした 猪瀨結子選手、武蔵ケ丘短期大学を経て加入する石坂咲樹選手らユース出身者がいます。その仲間と一緒にWEリーグで力を合わせることはどう感じていますか?

「心強いです。ちょっと安心しますね。ユースの時も一緒にプレーしていて、お世話になりました。(猪瀨選手、石坂選手が)3年生で、私が1年生でした。今もそうですが、二人は大人なので、未熟な私はとても安心できます。でも、サッカーをしている時は、負けられないなと思います。」

――ユースの小川翔平監督も近くで見守ってくれていますね。どのようなことを学んできましたか?

「自分を出すことを学びました。私はあまり積極的に行ける方ではなかったんです。3年生になった時にキャプテンに任命して頂きました。『ゆめが成長するためには、キャプテンになる必要がある』と言って頂きました。ありがたいですね。」

――キャプテンという立場や役割を与えることで、もっと伸びると見抜いていたんですね。

「サッカーだけではなく、オフの部分でも気を遣える人になれるように、細かいところまで考えてくれました。自分で気づいて行動できるようにということを伝え続けてくれました。少しずつは、周りを見て行動できるようになってきたかなと思います。」

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――2024年は本格的にプロ選手となります。どのような一年にしていきますか?

「とにかくみんなで勝ちたいです。」

――ウインターブレイク前に千葉L戦、そして後期も活躍が期待されます。どんな強みを発揮していきたいですか?

「(高平)美憂さんがボールを持ったら、裏に抜けるところや、ドリブルで仕掛けて得点につなげるところは出していきたいです。」

 第6節ノジマステラ神奈川相模原戦で、遠藤選手は待望のWEリーグ初ゴールを決めました。「思い切り打とうと思いました。入って良かったです!」と笑顔が弾けました。チームは2-0で勝利し、年内最後の試合でリーグ戦連敗もストップしました。試合の入りで思うようにいかなくても、自ら立て直し、結果に常につなげるたくましさを示した遠藤選手。2024年は仙台から「ゆめ旋風」を巻き起こす年になるかもしれません。
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著者プロフィール

東日本大震災により休部した東京電力女子サッカー部マリーゼが移管し、2012年ベガルタ仙台レディースが発足。2017年に株式会社マイナビとタイトルパートナー契約を締結しマイナビベガルタ仙台レディースとなりました。 2020年10月にWEリーグへの参入が正式決定。2021年2月より「マイナビ仙台レディース」とクラブ名を改め、活動をスタート。選手達の熱いプレーが多くの方に届くような盛り上がりをともに作っていきます。仙台、東北から日本全国、全世界に向けて、感動や勇気を与え、WEリーグ優勝を目指し活動しています。

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