2024シーズンJ1およびJ3(入会希望)クラブライセンス判定結果発表ならびに説明会
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2024シーズンJ1およびJ3(入会希望)クラブライセンス判定結果発表ならびに説明会
2023年9月26日(火)17:30~
Jリーグ会議室およびWebミーティングシステムにて実施
登壇:クラブライセンス事務局 クラブライセンスマネージャー 大城 亨太
司会:仲村 健太郎 広報部長
内容:2024シーズン J1クラブライセンス判定結果
2024シーズン J3クラブライセンス判定結果(J3入会を希望するクラブ)
〔司会(仲村広報部長)より説明〕
ここからは第2部のクラブライセンス判定の説明会に移ります。なお、第1部で理事会の決議事項として議題を呈しておりましたJ3のクラブライセンス判定につきましても、このパートでご説明させていただき、質疑も受け付けますのでよろしくお願いいたします。J3のクラブライセンス判定とJ1のクラブライセンス判定について説明させていただきます。まずは私の方からリリースを基にJ3のライセンス判定についてご説明させていただきます。
本日の理事会で、2024シーズンのJ3クラブライセンスの申請があったクラブ(J3入会を希望するJFLのクラブ)の判定結果が出ましたのでお伝えさせていただきます。
ラインメール青森、クリアソン新宿、ヴィアティン三重、ヴェルスパ大分の各クラブに対して、J3クラブライセンスの交付を決定しました。なお、クリアソン新宿は施設基準に課題があるものの、東京23区というホームタウンの特性を鑑みて、J3ライセンスの交付を決定しました。また、レイラック志賀につきましては施設基準、そして高知ユナイテッドSCにつきましては財務基準に関して確認が必要な事項が残っているため、10月の理事会にて継続審議になります。
続きまして、2024シーズンのJ1のクラブライセンス判定結果につきましてご説明させていただきます。こちら、49クラブの申請があり、49クラブにライセンスを交付いたしました。新たにライセンスを取得したのは3クラブで、いわきFC、藤枝MYFC、カマタマーレ讃岐です。詳細につきましては、クラブライセンスマネージャーの大城よりご説明させていただきます。
1.2024シーズンJ3ライセンス判定結果について(J3入会を希望するクラブ)
※理事位階審議事項
本日開催した理事会で、2024シーズンJ3クラブライセンスの申請があったクラブ(J3入会を希望するクラブ)に関する判定結果について、次の通り決定いたしました。
なお、クリアソン新宿は施設基準に課題があるものの、東京23区というホームタウンの特性に鑑みJ3ライセンスの交付を決定しました。
また、レイラック滋賀は施設基準、高知ユナイテッドSCは財務基準に関して確認が必要な事項が残っているため、10月の理事会にて継続審議となります。
ラインメール青森、クリアソン新宿、ヴィアティン三重、ヴェルスパ大分 J3クラブライセンス交付※
レイラック滋賀、高知ユナイテッドSC 継続審議
※J3クラブライセンスが交付されたクラブについては、今後、10月の理事会にてJリーグ入会が審議されます。なお、入会を最終承認されるためには、以下の条件もJFL最終節終了時点で満たす必要があります。
①入会直前年度のJFLのリーグ戦におけるホームゲームにおいて、1試合平均入場者数が2,000人に到達することをめざして努力していると認められること。
②短期的に資金難に陥る可能性が極めて低いとJリーグが評価できる状態にあること
③入会直前年度のJFLのリーグ戦における最終順位が2位以内であること
〔クラブライセンス事務局 クラブライセンスマネージャー 大城より説明〕
私からクラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定による2024シーズンJ1クラブライセンス判定結果の概要についてご説明をさせていただきます。
お手元には2種類の資料をお配りしております。パワーポイントの資料と、表になっているものがありまして、少し細かくて見づらいですが、こちらの表の中に今回の判定結果のすべての内容が記載されております。2ページ目にはクラブ毎の判定結果を整理しておりますので、そちらもご確認いただければと思います。
■主なトピック……資料P2
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今年の主なトピックスですが、いわきFC、藤枝MYFC、カマタマーレ讃岐の3クラブが新たにJ1クラブライセンスを申請しまして、49クラブにJ1クラブライセンスが交付されるという結果になりました。
そのうち、施設基準の例外適用を申請したクラブはこちらの8クラブ(いわてグルージャ盛岡、ブラウブリッツ秋田、いわきFC、水戸ホーリーホック、ツエーゲン金沢、藤枝MYFC、鹿児島ユナイテッドFC、FC琉球)になります。また、ツエーゲン金沢、サンフレッチェ広島、V・ファーレン長崎では2024年度に新しいスタジアムが開業する予定ですのでそちらもご案内させていただきます。
1.Jリーグクラブライセンス制度の概要
1-1 今回の決定で交付されるクラブライセンス……資料P4
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まず制度の概要です。J1、J2、J3それぞれのライセンスがございますが、これまではJ1ライセンス=AFCライセンスという運用を行っていて、現状もJ1ライセンスの基準はAFCライセンスの基準を充足する内容になっていますが、ご案内の通りACLのシーズンがJリーグのシーズンと少しずれてしまったこともあり、ACL参加資格という意味でのAFCクラブライセンスについては今年の5月に交付して、皆さまにもご報告させていただきました。今回、FIBに審査いただいたのは、2024シーズンのJ1に参加するためのJ1クラブライセンスです。J2、J3に関しては国内ライセンス制度として10月にJリーグの理事会で審議を行いますが、新入会を希望するクラブについてはその後に入会審査等のプロセスがあるため、今回、9月に先ほどご案内した形でJ3ライセンスを決議させていただきました。
1-2決定を行う機関……資料P5
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この後、J1のクラブライセンスの内容についてご説明をさせていただきます。決定を行う機関はFIBで、構成員は10名で、弁護士、公認会計士、有識者で構成されるメンバーです。クラブ数が多いので3班に分けて審査をしていただいております。クラブには本日、決定書という形で正式な通知を行っていますが、制裁を受けたクラブなど不服がある場合は上訴する権利もクラブ側にはあります。上訴機関としてABという先生方にも準備をしていただいています。
1-3 J1クラブライセンス制度に関する組織構成……資料P6
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クラブライセンス制度については資料左上にありますようにAFCからJFAにライセンス制度を運用するように話がありまして、外国では協会が運用している国もありますが、日本においてはJリーグに業務として委譲されており、リーグの中で運用を行っています。今、ご説明したFIB、ABという組織は赤枠で囲まれたJリーグの外側にある第三者機関として存在しておりまして、審査員の任命自体は理事会が行いますが、決定内容に関しては完全に独立した機関で運用されています。左下の申請クラブから提出があったものを先生方に審査していただくにあたって、クラブライセンス事務局、あるいは評価チームということで監査法人と契約もしていますが、そういったメンバーが少し情報を整理して、先生方の審査のお手伝いをしているという形になっています。
1-4 決定までの主なスケジュール……資料P7
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今年のスケジュールも例年と大きな変更はありませんが、まず、財務の決算の着地の見込みや予算をいただきながら、正式には1月から申請要領を通知するという形で、段階的にいろいろと提出していただくものがあり、最終的には6月末に申請書類一式という形でご提出をいただいております。そんな中、6~8月にかけては我々ライセンス事務局の方で評価チームのサポートも受けながらクラブのヒアリングを行い、9月にFIBによる判定会議が行われ、9月15日の確認会議で正式に決定、クラブには内示として通知し、本日、決定内容の発表と同時にFIB決定書という形でクラブに対しても正式に通知をしております。
2.判定結果、制裁および特記事項など
2-1 J1クラブライセンス判定結果……資料P9
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判定結果、繰り返しになりますが49クラブにJ1ライセンスを交付という形になりました。不交付というクラブは今年はございませんでした。
2-2 B等級基準の未充足による制裁……資料P10
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ここからは、B等級基準未充足制裁の説明です。
<B等級基準とは>
クラブライセンスの基準はA、B、C3つの等級に分かれており、Aは必須の要件、充足していないと交付されないものです。Cは望ましい要件で未充足であってもクラブライセンスは交付されます。B等級はその間にありまして、充足していなくてもクラブライセンスは交付されますが、制裁が科され得る基準となっています。主なところではスタジアムのトイレと屋根に関する基準をB等級として設定しています。
<制裁内容>……資料P11
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制裁の内容は対象スタジアム名の公表と改善計画、構想のご提出をいただく形となっています。
<スタジアムに関するB等級基準の充足状況>……資料P12
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49クラブの内訳ですが、資料P12表の上段が制裁なしのクラブ、下段、赤枠で囲まれたところが制裁ありのクラブとなっております。トイレと屋根、ともに未充足で両方の制裁を受けているクラブはブラウブリッツ秋田の1クラブという状況です。
屋根に関してはこちらの18クラブ(いわてグルージャ盛岡・モンテディオ山形・いわきFC・ザスパクサツ群馬・大宮アルディージャ・柏レイソル・横浜FC・湘南ベルマーレ・ヴァンフォーレ甲府・松本山雅FC・カターレ富山・清水エスパルス・ジュビロ磐田・ファジアーノ岡山・カマタマーレ讃岐・愛媛FC・鹿児島ユナイテッドFC・FC琉球)が制裁という形になっています。
<制裁対象>……資料P13
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先ほどの制裁の内容にスタジアム名の公表もありましたので、こちらで1クラブのスタジアムと、18のスタジアムについてスタジアム名を公表させていただいております。
<人事体制・組織運営基準におけるB等級基準>……資料P14
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B等級基準についてはこれまでトイレ、屋根というところをメインで運用していたのですが、一昨年AFCの方で少しルールの改定が行われ、人事体制・組織運営基準の中にもリーガルアドバイザー、テクニカルダイレクター、GKコーチ、フィットネスコーチといったところがB等級に設定されました。リーガルアドバイザーに関しては顧問弁護士という形でほとんど、すべてのクラブが基準を充足している形ですが、テクニカルダイレクターについては、日本でいうとGM、強化部長といった方が想定される役職になりますが、AFCの方でそういった役職の方にも指導者ライセンスを求めるというルールになっております。これまでJリーグとしてそういった推奨は行っていなかったこともあり、現状の強化部長には資格保有者でない方がそれなりにいるので、AFCのルールが変わったのですぐに対応してくださいということもクラブに対しては難しいので、そのあたりはクラブともコミュニケーションを取って、現状について審査員の先生にもご報告させていただき、テクニカルダイレクターについては基準未充足であっても制裁は科さないという対応を昨年度も取っており、今年も同じような結果となっています。
GKコーチとフィットネスコーチにおいても専門のライセンス、資格をAFCとしては求めていますが、こちらも日本の国内でこれから対応しようとすると、3、4年かかってしまうものだったり、AFCのフィットネスコーチのところがそうなのですが、JFAの中で指導者資格の互換性のところが整備されていなかったりして、なかなかすぐに資格を取ることは難しいということもありますので、こちらについてはJFAの担当部署とも早急に体制を整備するようにコミュニケーションを続けていますが、現状、そういう状況ということも先生方に鑑みていただいて、制裁を科さないという形で結論がなされています。
<施設基準判定結果概要>……資料P15~P17
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ここからが施設基準に関してスタジアムとトレーニング施設、赤枠で整理されている入場可能数とトレーニング施設に関しては基準を満たさなければいけないものになっておりまして、青枠で未充足の場合制裁ありと記載しているのが先ほどご説明したB等級基準、屋根とトイレになっています。こちら、クラブ毎になっておりますのでご確認いただければと思います。
オレンジ色に塗られているのが、例外適用を申請してJ1ライセンスを取得したクラブ、現状は基準を満たす施設、スタジアム、トレーニング施設が無いけれど、将来的に整備することをお約束いただいて、先に上位のライセンスを交付するというルールでございますので、現状、×や△がついていますが、昇格したときには定められた期間の中で整備していただく形になっています。
<施設の改善状況>……資料P18
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施設の改善状況ということで、冒頭にもお話しましたが、ツエーゲン金沢では北陸初のJリーグ基準に達した約10,000席、将来的には15,000席まで拡張可能なフットボールスタジアムが9月末に竣工予定で、2024年2月から供用開始となっています。サンフレッチェ広島については中央公園広場に約28,500席の新しいフットボールスタジアムが建設中で、V・ファーレン長崎に関してもジャパネットグループが進めているシティプロジェクトの中で約20,000席のフットボールスタジアムを建設しているということで、来シーズンは新しいスタジアムが3つ開業するという年になっています。
<特記事項>……資料P19-20
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ここからは特記事項の説明です。特記事項とはクラブライセンスの判定結果には直接影響は無いのですが、先ほどご説明したFIB決定書というものをクラブに対して通知しており、その中で注意喚起を行っておくべき事項を通知しているものになります。今回、財務に関しては7 クラブに特記事項がつけられており、Jリーグが予算進捗、来年の編成について随時ヒアリングを行うということを通知させていただいております。
2つ目のスタジアムに関しては、ブラウブリッツ秋田、鹿児島ユナイテッドFC、FC琉球に特記事項がついており、Jリーグが新スタジアム整備に向けた進捗状況において随時ヒアリングを行う旨を通知しています。こちらについては次のページでご説明させていただきます。
3つ目の制裁免除になっているトイレの60%ルールや、スタジアムの新設、先ほどご説明した人事基準のところの制裁免除に関しても、基準を満たしてはおりませんが、今回は特別に制裁を免除していますということを通知しています。4つ目の例外適用を申請したクラブに関しては、昇格した場合はスタジアムやトレーニング施設を整備してくださいということを通知しています。
スタジアムに関する特記事項に関しては、今年初めてこういった形での特記事項をつけることになりましたので別ページにてご説明をさせていただきます。
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ブラウブリッツ秋田、鹿児島ユナイテッドFC、FC琉球の3クラブが対象です。この3クラブに共通しているのは過去に上位のライセンスを取得する際、スタジアム基準で定められている「大規模改修の際にはすべての観客席に屋根を設置しないといけない」というルールがあるのですが、新しいスタジアムの構想がそれぞれの地域で動いていて、屋根をかける工事と、新しいスタジアムの整備と二重投資になってしまうということもありまして、新しいスタジアムの方に注力させてほしいという要望をクラブ、ホームタウンの自治体からいただいたことで屋根の設置を免除したという経緯があります。それぞれ5年、6年が経過しながらなかなか構想が動いていないこともありましたので、今年改めてクラブと自治体に、その当時、屋根を免除したときの新しいスタジアムの整備の意向を確認させていただきました。いずれの地域においても、意向を改めて表明いただいたので、クラブライセンスに関しては交付という判断になりましたが、今後も引き続き、この5年、6年と経過してしまったことへの反省も踏まえて状況確認を行っていく必要があるということで、今回、スタジアムの特記事項として、この3クラブには通知されているという状況です。
本年度の判定結果については以上です。
●Appendix
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Appendixとしては施設基準の例外規定がスタジアムに関しては二つありまして、1つ目は工事が着工していれば3年間猶予するというルールと、2つ目が理想のスタジアムに合致するスタジアムであれば、現状は何もなくても昇格後3年以内に計画、5年以内に着工ということをお約束いただくと、先に上位のライセンスを付与するというルールになっているという説明です。22ページは例外規定①のスケジュールを説明した図です。23ページは例外規定②のページで、3年の計画、5年の着工というのは申請時からカウントするものですが、カウントが始まるのはあくまでも昇格したタイミングなので、申請したタイミングで3年後までにということをお約束いただいているのではなく、あくまでも昇格したら3年というタイマーがスタートする運用になっております。
・2023年度以降の財務基準……資料P25
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こちらはクラブの経営情報開示のときにもご説明させていただきましたが、財務基準を3期連続赤字と債務超過はNGということで運用していましたが、コロナ禍で少し特例措置を設け、この図でいうと一番左側、2022年度に関しては猶予期間という運用をしていましたが、この進行期、2023年度に関しては、2つの成長テーマをベースに配分金を含めた予算方針の見直しがあった関係もあって、また特例措置ということにさせていただいております。ですので、2023年度においては債務超過、3期連続赤字であっても翌年以降、ライセンス交付の判定対象となることはないのですが、2023年度がグレーの特例措置、2024年度がまたブルーの猶予期間ということで新たに債務超過になってはいけない、債務超過の額が増加してはいけないといった猶予期間を経て、2025年度末までには、1月決算クラブは2026年1月期ですが、そこまでには特例措置なしの状態に戻していただくという形になっています。ですので、ご報告した2022年度決算において債務超過のクラブがいくつかありまして、2023年度においてもまだ残る可能性もありますが、そういったクラブは今年、来年、再来年と3年かけて債務超過を解消していただく必要があるというのが財務基準の運用です。私からのご説明は以上です
〔質疑応答〕
Q:J3クラブライセンスの交付について、クリアソン新宿は施設基準に課題がある一方で、東京23区内にスタジアムがあるということを鑑みてということですが、どのような課題があるのでしょうか。また、どのような理由で交付に至ったのか、理由をもう少し詳しくお聞かせください。
A:大城クラブライセンスマネージャー
クリアソン新宿は新宿区をホームタウンとするクラブです。Jリーグのルールではホームタウン内にあるホームスタジアムで年間80%以上ホームゲームを開催しなくてはいけないということがあります。新宿区には国立競技場がありますがホームスタジアムにはなっていないため、ルールに厳格に照らしわせると厳しい現状があります。
ただ、クラブの方でいろいろ動いていただいて、東京都内である程度のホームゲームを開催できる目途が立ったため、今回特例ということでJ3ライセンスが交付されることになりました。
Q:一つのホームスタジアムを決めたというよりも、都内で80%以上試合をできるから交付することとなったということでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
そうなります。
Q:東京23区がホームタウンであるという特性が、その部分になるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
国立競技場がありますが、そこはリーグとしてはリーグ全体で使っていきたいという意向があり、そうした特徴は現状23区に限ったことですので、そのような背景を踏まえて今回の判定に至りました。
Q:同様のケースでJリーグに入会したいクラブが出てきた場合に、同様にライセンスを交付する基準になるのでしょうか。それとも例外的なことになるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
ルールを何か見直すというよりは、現状のルールの中で、今クリアソン新宿が置かれている状況を踏まえての判断となりますので、仮に東京23区をホームタウンとするクラブが今後現れた場合に、それだけでライセンスを交付するかというと、その時に確保できるスタジアムの状況を確認した上で、それが許容できる範囲なのかどうかということを理事会で審議することになります。
Q:23区にホームタウンがあるクラブ、23区内にホームタウンがあるクラブはクリアソン新宿が初になるのでしょうか。南葛SCはJ3クラブライセンスが交付されていなかったか記憶が定かでないのですが。
A:大城クラブライセンスマネージャー
FC東京と東京ヴェルディは東京都をホームタウンとするクラブなので、23区をホームタウンとするクラブになります。23区をどのようにとらえるかは難しいですが、23区の特別区のみをホームタウンとするクラブはクリアソン新宿が初となります。南葛SCはJリーグ百年構想クラブにはなっていますが、J3クラブライセンスは交付されていません。
Q:施設基準について、クリアソン新宿は味の素フィールド西が丘などで転々と試合をされていて、主に西が丘で試合をしているという印象がありますが、今後、来年も西が丘をメインで、都内のスタジアムで80%以上開催できるということが確認できたということでよろしいでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
はい。ある程度の試合を都内の基準を満たしたスタジアムで開催できるという確度が高い、ということが確認できました。
Q:ルールを見直すわけではないというお話がありましたが、現実問題、23区内で現状のスタジアム基準をしっかりと当てはめる場合、おそらく今後このような問題は、土地が無い中で、どこでやるのかとなった場合、例えば、ある程度の地域差と言いますか、Jリーグとしても現状に鑑みて23区だけが特例ではないですが、人口過密地域のスタジアム基準を別途作ることが必要なのではと思いますが、その辺りの検討状況はいかがでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
仰る通りで中長期には課題がありますので、ルールの見直しも必要になってくると思います。
先ほどの申し上げ方が不十分でしたが、今回の判定に関しては何かルールを変えたのではなく、現行のルールの中で判断しました。東京都内がホームタウンと宣言されているクラブはそれなりにありますので、今後そのようなクラブとどのようにコミュニケーションを取っていくかは課題だと思っていますが、現時点で何か方向性を決めているというものではないので、今後も継続課題となります。
Q:今回、ブラウブリッツ秋田、鹿児島ユナイテッドFC、FC琉球の3クラブは通知書を出して検討いただいていたという流れがあり、整備に向けて意向を表明されたということでクラブライセンスを交付したということですが、結構長く具体的なことをしてこなくて、今回リーグが動いてそのような返答が来たということだと思いますが、このままだとこれまでと変わらないと思います。少し踏み込んだ対応をして、それにこたえるという返答を得られたから交付されたのか、具体的に伺えればと思います。
A:大城クラブライセンスマネージャー
それぞれの地域の置かれている状況が違うので、3クラブをひとまとめに説明することはできないですが、今ご質問いただいた通り、5~6年動きがない中で、今年通知書というか、改めて意向を確認させていただきたいという文書をクラブに送付させていただきまして、クラブとホームタウンから意向を表明していただきました。表明書の内容は公表されている地域とそうでない地域があると思いますが、ある程度のスケジュールを意向表明という形でお示しいただいた地域もあります。意向表明書に書かれていなくても、我々とクラブとホームタウンのコミュニケーションの中で、それぞれ短期、中長期のスケジュールをお伺いしているので、今後はそれをこれまでの反省も踏まえて少しこまめに確認させていただきたい、とお伝えしています。
Q:藤枝MYFCには初めて新たにJ1ライセンスが交付されましたが、基本的なことの確認となります。スタジアムの例外規定が適用されていますが、スタジアムに関しては昇格後5年以内着工するという条件でよいと思いますが、練習場についても3年以内に着工するということでよろしいでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
ご認識の通りです。トレーニング施設に関しても、猶予期間は3年となりますので、藤枝MYFCの場合は昇格3年以内にJ1基準を満たすトレーニング施設を整備いただく必要があります。
Q:ブラウブリッツ秋田や鹿児島ユナイテッドFCの話もありましたが、例外規定の考え方が変わったことはあるのでしょうか。審議の過程もあると思いますが、あいまいなところもあると思います。例外規定の考え方もこれまで通りにするのか、スタジアムの規模など、収容数は15,000人というルールがありますが、柔軟に対応するといった考えもあるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
例外規定については、この制度を使って昇格して、すでに猶予期間のカウントダウンが始まっているクラブもあります。何か直近で見直すといった議論はありません。
入場可能数は例外規定ではなく、スタジアム基準にて定められている内容になっています。それについては先ほど東京の話もありましたが、地域の事情に合わせて柔軟に考えても良いのではということで議論は開始しておりますが、現時点で確定したことがあるわけではありません。
Q:今回、鹿児島ユナイテッドFCにJ1クラブライセンスが交付されたということですが、例外規定として5年以内にスタジアムを新設して共用を開始するという条件が含まれております。
しかし、現状鹿児島市が整備を考えていますが、長くても10年かかるということがございまして、Jリーグが求めている5年以内に新設を実現するのはかなり不透明な状況となっています。こうした点を認識されていたのか、もし認識されていたのであれば、鹿児島ユナイテッドFCに対して、前回の交付の際も5年以内に新設という条件が付いていましたが、なぜこのような形で交付を決められたのか、理由をお知らせいただければと思います。
A:大城クラブライセンスマネージャー
鹿児島ユナイテッドFCについては、現状、J3に所属しているクラブで、現在お話しているのはJ1クラブライセンスのこととなりますので、昇格はJ2に昇格した場合ではなく、現状J1に昇格した場合、そこから5年以内にスタジアムを作っていただくという運用になっています。
それが前提となりますので、来年J2に昇格されたとして、何かタイマーが動き出すかというと、そうではござません。J1に昇格してからとなります。
例外規定に関しては、現時点で見通しが厳しいのでライセンスを不交付とするという趣旨で想定されたものではなく、我々としてはクラブに競技成績を伴って昇格していただいて、昇格の熱も含めてスタジアム整備の機運が高まることが狙いの一つとなりますので、現状難しそうだから例外の運用、適用を認めないということではありません。少しギャップがあると思います。
ただ、鹿児島ユナイテッドFCに関しては少しややこしくなりますが、スタジアム例外規定とは別に、そもそもJ2ライセンスを取得する段階で本来白波スタジアムに屋根を付けていただかなくてはいけなかったのですが、新しいスタジアムに注力したいという意向があったため免除したという経緯がありました。それからすでに6年が経過して、基本計画すらできていない状況はJリーグとしては少し厳しく捉えています。それぞれの地域の状況もありますので、一律で何か5年以内、3年以内にという期限を設定することを現時点では設定していませんが、鹿児島市、鹿児島県ともお話をさせていただいて、なるべく、皆さんがお考えのスケジュールをできるだけ早く実行に移していただくということで、Jリーグとしてコミュニケーションさせていただいています。
Q:最短2年でJ1に昇格した場合というのは、どのような対応になるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
本日ご説明しているのは2024シーズンのクラブライセンスになりますので、来年、2025シーズンのライセンスが交付されるかというのはそもそも大前提としてありますが、交付されて2年後にJ1に昇格した場合は、そこから3年以内に計画を出していただいて、5年以内に着工していただくというスケジュールで実施していただく必要があります。
Q:ブラウブリッツ秋田について2点ほど伺います。1点目は非常に基礎的な念の為の確認ですが、B等級基準の制裁内容にある、スタジアム環境の抜本的な改善に向けた計画および報告の提出というのは、新スタジアム整備に関わる計画および報告の提出であると理解してよろしいでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
それも含まれますが、現状のスタジアムに対する課題が記載されていることもあり出していただいた改善計画や報告に関して我々から中身を公表することは行なっておりませんので、詳しい内容は差し控えさせていただきます。
Q:2点目ですが、クラブライセンス交付判定の概要①の一番下にある個別文書について、ブラウブリッツ秋田に関しては検討のうえ決定となっていますが、これに関しては今回の判定に向けても個別文書の発信がありましたが、あのような形で来年の6月など節目に改めて文書を発信する可能性があるということですか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
来年の6月と期日を決めているわけではないですが、活動報告を11月末と6月末に出していただくタイミングがあるので、それらを踏まえて文書を発信する可能性があるということを書かせていただいております。
Q:ブラウブリッツ秋田の特殊性のようなところですけれども、ブラウブリッツ秋田はスタジアムの例外規定が適用されていない状況で、いわゆるタイマーみたいなものが始まっていないところではあるのですが、意向確認書で市がスケジュール感を示すというのもあったのですが、この時までに新スタジアムを整備しなければいけない、あるいはスタジアム基準を充足しなければいけないというものは現状では無いという状況なのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
この場で皆様の前でこの時までにこうしてくださいという状況をお伝えすることはないのですが、意向表明の中で、市・県からも表明していただいている内容もありますし、個別に秋田市、秋田県ともお話をさせていただいているので、今ご説明していただいたスケジュールで今後も進捗していくかどうかというのは確認していくことになります。
ですから、決定書にも期日は通知されていないですし、皆様にもオープンにはしていないのですが、ホームタウンの自治体とはやりとりをしているので、その中でお話いただいているスケジュールは今後も守っていただきたいと思っています。
Q:サポーターの中では毎年こういったライセンスが交付されるのかというところで気を揉む部分も多いと思うのですが、スケジュールが進んでいるかどうかが一つの大きな基準というかポイントになるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
そうですね。あくまで屋根の設置を免除した際に、新しいスタジアムの整備をしていただくということを宣言いただいたことが前提となっていますので、そこが停滞してしまうと、そもそも前提が崩れてしまい、その際交付したJ2ライセンスはなんだったのかという話になりかねないと思っています。
Q:文章上の確認なのですが、注意喚起のところで「判定結果に直接関わるものではないが」とあるのですが、それでもスタジアムのヒアリングは判定には関わってくる内容なのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
判定に関わってくる内容なので、注意喚起として通知させていただいています。判定結果に直接関係無いと書いているのは、今回の判定結果に対して関係は無かったという意味です。
ただ、必要なので注意喚起を行なっていますので、来年度以降の判定に関係無いのかと言われると大いに関係はあると思っています。
Q:長期的に見ると関係があるというニュアンスですか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
今回の判定結果については関係が無いのですが、クラブの経営の状況や施設の状況に関して今後に向けて注意喚起をしているという内容です。
Q:いわきFCについて質問です。今回施設基準を満たしていない例外でJ1のライセンスが出たと思うのですが、申請がおりた具体的な要因は、新スタジアムの構想があるからという認識で良いでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
例外適用というものを申請いただいて、昇格した時にはスケジュールに沿ってスタジアムを整備していただくというお約束をいただいたので今回交付に至ったということです。
Q:先ほど全体に説明があった例外規定に当たるということですか?
A:大城クラブライセンスマネージャー
その通りです。
Q:いわきFCについて、今年J2に昇格したタイミングで例外規定が適用されているので、すでにカレンダーは動き始めているという認識をしているのですが、今回J1ライセンスの交付にあたり、そのカレンダーとの兼ね合いというか変動はありますか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
J2ライセンスを申請していただいた際にこの例外規定も併せて申請いただいて昇格しております。今こちら(P24 例外規定の内容③)に掲載しているスケジュールはいわてグルージャ盛岡のスケジュールになるのですが、これから1年後の2022年6月にいわきFCとしては申請いただいております。そのため、当時は整備していただくスタジアムはJ2ライセンスだったのでJ2基準以上のスタジアムである必要があったのですが、今回整備していただくスタジアムはJ1基準のスタジアムという形で、スペックに関しては変更がありましたが、一度動き出したカレンダーが止まったり、また改めて動き出したりということはありませんので、動き出したカレンダーはそのままで変更はありません。
Q:新しく整備されるスタジアムがJ1の基準を満たしているかどうかとはまた別の話でしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
そうですね。J1基準を満たしたスタジアムを今お示ししているページのプラス1年になるので、2025年の6月に具体的な計画を出していただく必要がございます。
Q:常識的に考えると、2つスタジアムを用意するということはあり得ないので、今、整備を進めているスタジアムがJ1のライセンスから見れば、1年プラスされているというような認識があるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
1年プラスされるということではなく、具体的に申し上げると、いわきFCは2022年の6月に例外規定を使ってJ2ライセンスを申請されて、2022年の12月に昇格されました。ですから、今示しているページの1年目、2年目、3年目というカレンダーは動き出しています。この申請していただいた際はJ2ライセンスだったのですが、今回J1ライセンスになったので、3年後に出していただく計画もJ1ライセンスのJ1基準を満たしたスタジアムの計画を出していただかないといけないという形に変更になったというだけで、スケジュールが1年追加されたということはございません。
Q:ブラウブリッツ秋田について伺いたいのですが、制裁内容の中で活動報告および活動計画に関連し、クラブライセンス事務局が個別文書を発信する可能性がありとあるのですが、個別文書がどういったものなのか具体的に教えていただけますか?
A:大城クラブライセンスマネージャー
個別文書の内容に関し現時点でフォーマットのようなものがある訳ではないのでこういった内容になりますとお話しするのは難しいのですが、趣旨としては活動報告や活動計画が不十分と思われた際に、そこが不十分なのでもう少しこうしてくださいというようなことを通知することになると思いますが、状況によるので、そうではない文書を発信する可能性もあり、現時点ではなんとも申し上げられないという回答になります。
Q:基本的には報告に関しての回答不足分を指摘するような文章という感覚ですか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
そのような趣旨となります。
Q:1点お伺いしたいのですが、鹿児島ユナイテッドFCには、今回、県と市に文書をJリーグから要請されたと聞いています。今回のクラブライセンス申請においてのことで、文書を求めたと聞いていますが、県と市からの文書をJリーグ側がどう捉えたのか、どのような形で判定したのかはお話を伺えますか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
県と市から頂いた意向表明書の内容を我々から開示するということはございませんので、申し訳ありませんが細かい状況に関してコメントすることは難しいです。ただ、改めてスタジアム整備に関する意向を表明していただいたので、そこは審査員の先生方にも評価していただき、その結果、ライセンスが交付されたという認識です。
2023年9月26日(火)17:30~
Jリーグ会議室およびWebミーティングシステムにて実施
登壇:クラブライセンス事務局 クラブライセンスマネージャー 大城 亨太
司会:仲村 健太郎 広報部長
内容:2024シーズン J1クラブライセンス判定結果
2024シーズン J3クラブライセンス判定結果(J3入会を希望するクラブ)
〔司会(仲村広報部長)より説明〕
ここからは第2部のクラブライセンス判定の説明会に移ります。なお、第1部で理事会の決議事項として議題を呈しておりましたJ3のクラブライセンス判定につきましても、このパートでご説明させていただき、質疑も受け付けますのでよろしくお願いいたします。J3のクラブライセンス判定とJ1のクラブライセンス判定について説明させていただきます。まずは私の方からリリースを基にJ3のライセンス判定についてご説明させていただきます。
本日の理事会で、2024シーズンのJ3クラブライセンスの申請があったクラブ(J3入会を希望するJFLのクラブ)の判定結果が出ましたのでお伝えさせていただきます。
ラインメール青森、クリアソン新宿、ヴィアティン三重、ヴェルスパ大分の各クラブに対して、J3クラブライセンスの交付を決定しました。なお、クリアソン新宿は施設基準に課題があるものの、東京23区というホームタウンの特性を鑑みて、J3ライセンスの交付を決定しました。また、レイラック志賀につきましては施設基準、そして高知ユナイテッドSCにつきましては財務基準に関して確認が必要な事項が残っているため、10月の理事会にて継続審議になります。
続きまして、2024シーズンのJ1のクラブライセンス判定結果につきましてご説明させていただきます。こちら、49クラブの申請があり、49クラブにライセンスを交付いたしました。新たにライセンスを取得したのは3クラブで、いわきFC、藤枝MYFC、カマタマーレ讃岐です。詳細につきましては、クラブライセンスマネージャーの大城よりご説明させていただきます。
1.2024シーズンJ3ライセンス判定結果について(J3入会を希望するクラブ)
※理事位階審議事項
本日開催した理事会で、2024シーズンJ3クラブライセンスの申請があったクラブ(J3入会を希望するクラブ)に関する判定結果について、次の通り決定いたしました。
なお、クリアソン新宿は施設基準に課題があるものの、東京23区というホームタウンの特性に鑑みJ3ライセンスの交付を決定しました。
また、レイラック滋賀は施設基準、高知ユナイテッドSCは財務基準に関して確認が必要な事項が残っているため、10月の理事会にて継続審議となります。
ラインメール青森、クリアソン新宿、ヴィアティン三重、ヴェルスパ大分 J3クラブライセンス交付※
レイラック滋賀、高知ユナイテッドSC 継続審議
※J3クラブライセンスが交付されたクラブについては、今後、10月の理事会にてJリーグ入会が審議されます。なお、入会を最終承認されるためには、以下の条件もJFL最終節終了時点で満たす必要があります。
①入会直前年度のJFLのリーグ戦におけるホームゲームにおいて、1試合平均入場者数が2,000人に到達することをめざして努力していると認められること。
②短期的に資金難に陥る可能性が極めて低いとJリーグが評価できる状態にあること
③入会直前年度のJFLのリーグ戦における最終順位が2位以内であること
〔クラブライセンス事務局 クラブライセンスマネージャー 大城より説明〕
私からクラブライセンス交付第一審機関(FIB)決定による2024シーズンJ1クラブライセンス判定結果の概要についてご説明をさせていただきます。
お手元には2種類の資料をお配りしております。パワーポイントの資料と、表になっているものがありまして、少し細かくて見づらいですが、こちらの表の中に今回の判定結果のすべての内容が記載されております。2ページ目にはクラブ毎の判定結果を整理しておりますので、そちらもご確認いただければと思います。
■主なトピック……資料P2
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今年の主なトピックスですが、いわきFC、藤枝MYFC、カマタマーレ讃岐の3クラブが新たにJ1クラブライセンスを申請しまして、49クラブにJ1クラブライセンスが交付されるという結果になりました。
そのうち、施設基準の例外適用を申請したクラブはこちらの8クラブ(いわてグルージャ盛岡、ブラウブリッツ秋田、いわきFC、水戸ホーリーホック、ツエーゲン金沢、藤枝MYFC、鹿児島ユナイテッドFC、FC琉球)になります。また、ツエーゲン金沢、サンフレッチェ広島、V・ファーレン長崎では2024年度に新しいスタジアムが開業する予定ですのでそちらもご案内させていただきます。
1.Jリーグクラブライセンス制度の概要
1-1 今回の決定で交付されるクラブライセンス……資料P4
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まず制度の概要です。J1、J2、J3それぞれのライセンスがございますが、これまではJ1ライセンス=AFCライセンスという運用を行っていて、現状もJ1ライセンスの基準はAFCライセンスの基準を充足する内容になっていますが、ご案内の通りACLのシーズンがJリーグのシーズンと少しずれてしまったこともあり、ACL参加資格という意味でのAFCクラブライセンスについては今年の5月に交付して、皆さまにもご報告させていただきました。今回、FIBに審査いただいたのは、2024シーズンのJ1に参加するためのJ1クラブライセンスです。J2、J3に関しては国内ライセンス制度として10月にJリーグの理事会で審議を行いますが、新入会を希望するクラブについてはその後に入会審査等のプロセスがあるため、今回、9月に先ほどご案内した形でJ3ライセンスを決議させていただきました。
1-2決定を行う機関……資料P5
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この後、J1のクラブライセンスの内容についてご説明をさせていただきます。決定を行う機関はFIBで、構成員は10名で、弁護士、公認会計士、有識者で構成されるメンバーです。クラブ数が多いので3班に分けて審査をしていただいております。クラブには本日、決定書という形で正式な通知を行っていますが、制裁を受けたクラブなど不服がある場合は上訴する権利もクラブ側にはあります。上訴機関としてABという先生方にも準備をしていただいています。
1-3 J1クラブライセンス制度に関する組織構成……資料P6
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クラブライセンス制度については資料左上にありますようにAFCからJFAにライセンス制度を運用するように話がありまして、外国では協会が運用している国もありますが、日本においてはJリーグに業務として委譲されており、リーグの中で運用を行っています。今、ご説明したFIB、ABという組織は赤枠で囲まれたJリーグの外側にある第三者機関として存在しておりまして、審査員の任命自体は理事会が行いますが、決定内容に関しては完全に独立した機関で運用されています。左下の申請クラブから提出があったものを先生方に審査していただくにあたって、クラブライセンス事務局、あるいは評価チームということで監査法人と契約もしていますが、そういったメンバーが少し情報を整理して、先生方の審査のお手伝いをしているという形になっています。
1-4 決定までの主なスケジュール……資料P7
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今年のスケジュールも例年と大きな変更はありませんが、まず、財務の決算の着地の見込みや予算をいただきながら、正式には1月から申請要領を通知するという形で、段階的にいろいろと提出していただくものがあり、最終的には6月末に申請書類一式という形でご提出をいただいております。そんな中、6~8月にかけては我々ライセンス事務局の方で評価チームのサポートも受けながらクラブのヒアリングを行い、9月にFIBによる判定会議が行われ、9月15日の確認会議で正式に決定、クラブには内示として通知し、本日、決定内容の発表と同時にFIB決定書という形でクラブに対しても正式に通知をしております。
2.判定結果、制裁および特記事項など
2-1 J1クラブライセンス判定結果……資料P9
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判定結果、繰り返しになりますが49クラブにJ1ライセンスを交付という形になりました。不交付というクラブは今年はございませんでした。
2-2 B等級基準の未充足による制裁……資料P10
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ここからは、B等級基準未充足制裁の説明です。
<B等級基準とは>
クラブライセンスの基準はA、B、C3つの等級に分かれており、Aは必須の要件、充足していないと交付されないものです。Cは望ましい要件で未充足であってもクラブライセンスは交付されます。B等級はその間にありまして、充足していなくてもクラブライセンスは交付されますが、制裁が科され得る基準となっています。主なところではスタジアムのトイレと屋根に関する基準をB等級として設定しています。
<制裁内容>……資料P11
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制裁の内容は対象スタジアム名の公表と改善計画、構想のご提出をいただく形となっています。
<スタジアムに関するB等級基準の充足状況>……資料P12
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49クラブの内訳ですが、資料P12表の上段が制裁なしのクラブ、下段、赤枠で囲まれたところが制裁ありのクラブとなっております。トイレと屋根、ともに未充足で両方の制裁を受けているクラブはブラウブリッツ秋田の1クラブという状況です。
屋根に関してはこちらの18クラブ(いわてグルージャ盛岡・モンテディオ山形・いわきFC・ザスパクサツ群馬・大宮アルディージャ・柏レイソル・横浜FC・湘南ベルマーレ・ヴァンフォーレ甲府・松本山雅FC・カターレ富山・清水エスパルス・ジュビロ磐田・ファジアーノ岡山・カマタマーレ讃岐・愛媛FC・鹿児島ユナイテッドFC・FC琉球)が制裁という形になっています。
<制裁対象>……資料P13
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先ほどの制裁の内容にスタジアム名の公表もありましたので、こちらで1クラブのスタジアムと、18のスタジアムについてスタジアム名を公表させていただいております。
<人事体制・組織運営基準におけるB等級基準>……資料P14
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B等級基準についてはこれまでトイレ、屋根というところをメインで運用していたのですが、一昨年AFCの方で少しルールの改定が行われ、人事体制・組織運営基準の中にもリーガルアドバイザー、テクニカルダイレクター、GKコーチ、フィットネスコーチといったところがB等級に設定されました。リーガルアドバイザーに関しては顧問弁護士という形でほとんど、すべてのクラブが基準を充足している形ですが、テクニカルダイレクターについては、日本でいうとGM、強化部長といった方が想定される役職になりますが、AFCの方でそういった役職の方にも指導者ライセンスを求めるというルールになっております。これまでJリーグとしてそういった推奨は行っていなかったこともあり、現状の強化部長には資格保有者でない方がそれなりにいるので、AFCのルールが変わったのですぐに対応してくださいということもクラブに対しては難しいので、そのあたりはクラブともコミュニケーションを取って、現状について審査員の先生にもご報告させていただき、テクニカルダイレクターについては基準未充足であっても制裁は科さないという対応を昨年度も取っており、今年も同じような結果となっています。
GKコーチとフィットネスコーチにおいても専門のライセンス、資格をAFCとしては求めていますが、こちらも日本の国内でこれから対応しようとすると、3、4年かかってしまうものだったり、AFCのフィットネスコーチのところがそうなのですが、JFAの中で指導者資格の互換性のところが整備されていなかったりして、なかなかすぐに資格を取ることは難しいということもありますので、こちらについてはJFAの担当部署とも早急に体制を整備するようにコミュニケーションを続けていますが、現状、そういう状況ということも先生方に鑑みていただいて、制裁を科さないという形で結論がなされています。
<施設基準判定結果概要>……資料P15~P17
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ここからが施設基準に関してスタジアムとトレーニング施設、赤枠で整理されている入場可能数とトレーニング施設に関しては基準を満たさなければいけないものになっておりまして、青枠で未充足の場合制裁ありと記載しているのが先ほどご説明したB等級基準、屋根とトイレになっています。こちら、クラブ毎になっておりますのでご確認いただければと思います。
オレンジ色に塗られているのが、例外適用を申請してJ1ライセンスを取得したクラブ、現状は基準を満たす施設、スタジアム、トレーニング施設が無いけれど、将来的に整備することをお約束いただいて、先に上位のライセンスを交付するというルールでございますので、現状、×や△がついていますが、昇格したときには定められた期間の中で整備していただく形になっています。
<施設の改善状況>……資料P18
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施設の改善状況ということで、冒頭にもお話しましたが、ツエーゲン金沢では北陸初のJリーグ基準に達した約10,000席、将来的には15,000席まで拡張可能なフットボールスタジアムが9月末に竣工予定で、2024年2月から供用開始となっています。サンフレッチェ広島については中央公園広場に約28,500席の新しいフットボールスタジアムが建設中で、V・ファーレン長崎に関してもジャパネットグループが進めているシティプロジェクトの中で約20,000席のフットボールスタジアムを建設しているということで、来シーズンは新しいスタジアムが3つ開業するという年になっています。
<特記事項>……資料P19-20
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ここからは特記事項の説明です。特記事項とはクラブライセンスの判定結果には直接影響は無いのですが、先ほどご説明したFIB決定書というものをクラブに対して通知しており、その中で注意喚起を行っておくべき事項を通知しているものになります。今回、財務に関しては7 クラブに特記事項がつけられており、Jリーグが予算進捗、来年の編成について随時ヒアリングを行うということを通知させていただいております。
2つ目のスタジアムに関しては、ブラウブリッツ秋田、鹿児島ユナイテッドFC、FC琉球に特記事項がついており、Jリーグが新スタジアム整備に向けた進捗状況において随時ヒアリングを行う旨を通知しています。こちらについては次のページでご説明させていただきます。
3つ目の制裁免除になっているトイレの60%ルールや、スタジアムの新設、先ほどご説明した人事基準のところの制裁免除に関しても、基準を満たしてはおりませんが、今回は特別に制裁を免除していますということを通知しています。4つ目の例外適用を申請したクラブに関しては、昇格した場合はスタジアムやトレーニング施設を整備してくださいということを通知しています。
スタジアムに関する特記事項に関しては、今年初めてこういった形での特記事項をつけることになりましたので別ページにてご説明をさせていただきます。
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ブラウブリッツ秋田、鹿児島ユナイテッドFC、FC琉球の3クラブが対象です。この3クラブに共通しているのは過去に上位のライセンスを取得する際、スタジアム基準で定められている「大規模改修の際にはすべての観客席に屋根を設置しないといけない」というルールがあるのですが、新しいスタジアムの構想がそれぞれの地域で動いていて、屋根をかける工事と、新しいスタジアムの整備と二重投資になってしまうということもありまして、新しいスタジアムの方に注力させてほしいという要望をクラブ、ホームタウンの自治体からいただいたことで屋根の設置を免除したという経緯があります。それぞれ5年、6年が経過しながらなかなか構想が動いていないこともありましたので、今年改めてクラブと自治体に、その当時、屋根を免除したときの新しいスタジアムの整備の意向を確認させていただきました。いずれの地域においても、意向を改めて表明いただいたので、クラブライセンスに関しては交付という判断になりましたが、今後も引き続き、この5年、6年と経過してしまったことへの反省も踏まえて状況確認を行っていく必要があるということで、今回、スタジアムの特記事項として、この3クラブには通知されているという状況です。
本年度の判定結果については以上です。
●Appendix
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Appendixとしては施設基準の例外規定がスタジアムに関しては二つありまして、1つ目は工事が着工していれば3年間猶予するというルールと、2つ目が理想のスタジアムに合致するスタジアムであれば、現状は何もなくても昇格後3年以内に計画、5年以内に着工ということをお約束いただくと、先に上位のライセンスを付与するというルールになっているという説明です。22ページは例外規定①のスケジュールを説明した図です。23ページは例外規定②のページで、3年の計画、5年の着工というのは申請時からカウントするものですが、カウントが始まるのはあくまでも昇格したタイミングなので、申請したタイミングで3年後までにということをお約束いただいているのではなく、あくまでも昇格したら3年というタイマーがスタートする運用になっております。
・2023年度以降の財務基準……資料P25
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こちらはクラブの経営情報開示のときにもご説明させていただきましたが、財務基準を3期連続赤字と債務超過はNGということで運用していましたが、コロナ禍で少し特例措置を設け、この図でいうと一番左側、2022年度に関しては猶予期間という運用をしていましたが、この進行期、2023年度に関しては、2つの成長テーマをベースに配分金を含めた予算方針の見直しがあった関係もあって、また特例措置ということにさせていただいております。ですので、2023年度においては債務超過、3期連続赤字であっても翌年以降、ライセンス交付の判定対象となることはないのですが、2023年度がグレーの特例措置、2024年度がまたブルーの猶予期間ということで新たに債務超過になってはいけない、債務超過の額が増加してはいけないといった猶予期間を経て、2025年度末までには、1月決算クラブは2026年1月期ですが、そこまでには特例措置なしの状態に戻していただくという形になっています。ですので、ご報告した2022年度決算において債務超過のクラブがいくつかありまして、2023年度においてもまだ残る可能性もありますが、そういったクラブは今年、来年、再来年と3年かけて債務超過を解消していただく必要があるというのが財務基準の運用です。私からのご説明は以上です
〔質疑応答〕
Q:J3クラブライセンスの交付について、クリアソン新宿は施設基準に課題がある一方で、東京23区内にスタジアムがあるということを鑑みてということですが、どのような課題があるのでしょうか。また、どのような理由で交付に至ったのか、理由をもう少し詳しくお聞かせください。
A:大城クラブライセンスマネージャー
クリアソン新宿は新宿区をホームタウンとするクラブです。Jリーグのルールではホームタウン内にあるホームスタジアムで年間80%以上ホームゲームを開催しなくてはいけないということがあります。新宿区には国立競技場がありますがホームスタジアムにはなっていないため、ルールに厳格に照らしわせると厳しい現状があります。
ただ、クラブの方でいろいろ動いていただいて、東京都内である程度のホームゲームを開催できる目途が立ったため、今回特例ということでJ3ライセンスが交付されることになりました。
Q:一つのホームスタジアムを決めたというよりも、都内で80%以上試合をできるから交付することとなったということでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
そうなります。
Q:東京23区がホームタウンであるという特性が、その部分になるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
国立競技場がありますが、そこはリーグとしてはリーグ全体で使っていきたいという意向があり、そうした特徴は現状23区に限ったことですので、そのような背景を踏まえて今回の判定に至りました。
Q:同様のケースでJリーグに入会したいクラブが出てきた場合に、同様にライセンスを交付する基準になるのでしょうか。それとも例外的なことになるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
ルールを何か見直すというよりは、現状のルールの中で、今クリアソン新宿が置かれている状況を踏まえての判断となりますので、仮に東京23区をホームタウンとするクラブが今後現れた場合に、それだけでライセンスを交付するかというと、その時に確保できるスタジアムの状況を確認した上で、それが許容できる範囲なのかどうかということを理事会で審議することになります。
Q:23区にホームタウンがあるクラブ、23区内にホームタウンがあるクラブはクリアソン新宿が初になるのでしょうか。南葛SCはJ3クラブライセンスが交付されていなかったか記憶が定かでないのですが。
A:大城クラブライセンスマネージャー
FC東京と東京ヴェルディは東京都をホームタウンとするクラブなので、23区をホームタウンとするクラブになります。23区をどのようにとらえるかは難しいですが、23区の特別区のみをホームタウンとするクラブはクリアソン新宿が初となります。南葛SCはJリーグ百年構想クラブにはなっていますが、J3クラブライセンスは交付されていません。
Q:施設基準について、クリアソン新宿は味の素フィールド西が丘などで転々と試合をされていて、主に西が丘で試合をしているという印象がありますが、今後、来年も西が丘をメインで、都内のスタジアムで80%以上開催できるということが確認できたということでよろしいでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
はい。ある程度の試合を都内の基準を満たしたスタジアムで開催できるという確度が高い、ということが確認できました。
Q:ルールを見直すわけではないというお話がありましたが、現実問題、23区内で現状のスタジアム基準をしっかりと当てはめる場合、おそらく今後このような問題は、土地が無い中で、どこでやるのかとなった場合、例えば、ある程度の地域差と言いますか、Jリーグとしても現状に鑑みて23区だけが特例ではないですが、人口過密地域のスタジアム基準を別途作ることが必要なのではと思いますが、その辺りの検討状況はいかがでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
仰る通りで中長期には課題がありますので、ルールの見直しも必要になってくると思います。
先ほどの申し上げ方が不十分でしたが、今回の判定に関しては何かルールを変えたのではなく、現行のルールの中で判断しました。東京都内がホームタウンと宣言されているクラブはそれなりにありますので、今後そのようなクラブとどのようにコミュニケーションを取っていくかは課題だと思っていますが、現時点で何か方向性を決めているというものではないので、今後も継続課題となります。
Q:今回、ブラウブリッツ秋田、鹿児島ユナイテッドFC、FC琉球の3クラブは通知書を出して検討いただいていたという流れがあり、整備に向けて意向を表明されたということでクラブライセンスを交付したということですが、結構長く具体的なことをしてこなくて、今回リーグが動いてそのような返答が来たということだと思いますが、このままだとこれまでと変わらないと思います。少し踏み込んだ対応をして、それにこたえるという返答を得られたから交付されたのか、具体的に伺えればと思います。
A:大城クラブライセンスマネージャー
それぞれの地域の置かれている状況が違うので、3クラブをひとまとめに説明することはできないですが、今ご質問いただいた通り、5~6年動きがない中で、今年通知書というか、改めて意向を確認させていただきたいという文書をクラブに送付させていただきまして、クラブとホームタウンから意向を表明していただきました。表明書の内容は公表されている地域とそうでない地域があると思いますが、ある程度のスケジュールを意向表明という形でお示しいただいた地域もあります。意向表明書に書かれていなくても、我々とクラブとホームタウンのコミュニケーションの中で、それぞれ短期、中長期のスケジュールをお伺いしているので、今後はそれをこれまでの反省も踏まえて少しこまめに確認させていただきたい、とお伝えしています。
Q:藤枝MYFCには初めて新たにJ1ライセンスが交付されましたが、基本的なことの確認となります。スタジアムの例外規定が適用されていますが、スタジアムに関しては昇格後5年以内着工するという条件でよいと思いますが、練習場についても3年以内に着工するということでよろしいでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
ご認識の通りです。トレーニング施設に関しても、猶予期間は3年となりますので、藤枝MYFCの場合は昇格3年以内にJ1基準を満たすトレーニング施設を整備いただく必要があります。
Q:ブラウブリッツ秋田や鹿児島ユナイテッドFCの話もありましたが、例外規定の考え方が変わったことはあるのでしょうか。審議の過程もあると思いますが、あいまいなところもあると思います。例外規定の考え方もこれまで通りにするのか、スタジアムの規模など、収容数は15,000人というルールがありますが、柔軟に対応するといった考えもあるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
例外規定については、この制度を使って昇格して、すでに猶予期間のカウントダウンが始まっているクラブもあります。何か直近で見直すといった議論はありません。
入場可能数は例外規定ではなく、スタジアム基準にて定められている内容になっています。それについては先ほど東京の話もありましたが、地域の事情に合わせて柔軟に考えても良いのではということで議論は開始しておりますが、現時点で確定したことがあるわけではありません。
Q:今回、鹿児島ユナイテッドFCにJ1クラブライセンスが交付されたということですが、例外規定として5年以内にスタジアムを新設して共用を開始するという条件が含まれております。
しかし、現状鹿児島市が整備を考えていますが、長くても10年かかるということがございまして、Jリーグが求めている5年以内に新設を実現するのはかなり不透明な状況となっています。こうした点を認識されていたのか、もし認識されていたのであれば、鹿児島ユナイテッドFCに対して、前回の交付の際も5年以内に新設という条件が付いていましたが、なぜこのような形で交付を決められたのか、理由をお知らせいただければと思います。
A:大城クラブライセンスマネージャー
鹿児島ユナイテッドFCについては、現状、J3に所属しているクラブで、現在お話しているのはJ1クラブライセンスのこととなりますので、昇格はJ2に昇格した場合ではなく、現状J1に昇格した場合、そこから5年以内にスタジアムを作っていただくという運用になっています。
それが前提となりますので、来年J2に昇格されたとして、何かタイマーが動き出すかというと、そうではござません。J1に昇格してからとなります。
例外規定に関しては、現時点で見通しが厳しいのでライセンスを不交付とするという趣旨で想定されたものではなく、我々としてはクラブに競技成績を伴って昇格していただいて、昇格の熱も含めてスタジアム整備の機運が高まることが狙いの一つとなりますので、現状難しそうだから例外の運用、適用を認めないということではありません。少しギャップがあると思います。
ただ、鹿児島ユナイテッドFCに関しては少しややこしくなりますが、スタジアム例外規定とは別に、そもそもJ2ライセンスを取得する段階で本来白波スタジアムに屋根を付けていただかなくてはいけなかったのですが、新しいスタジアムに注力したいという意向があったため免除したという経緯がありました。それからすでに6年が経過して、基本計画すらできていない状況はJリーグとしては少し厳しく捉えています。それぞれの地域の状況もありますので、一律で何か5年以内、3年以内にという期限を設定することを現時点では設定していませんが、鹿児島市、鹿児島県ともお話をさせていただいて、なるべく、皆さんがお考えのスケジュールをできるだけ早く実行に移していただくということで、Jリーグとしてコミュニケーションさせていただいています。
Q:最短2年でJ1に昇格した場合というのは、どのような対応になるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
本日ご説明しているのは2024シーズンのクラブライセンスになりますので、来年、2025シーズンのライセンスが交付されるかというのはそもそも大前提としてありますが、交付されて2年後にJ1に昇格した場合は、そこから3年以内に計画を出していただいて、5年以内に着工していただくというスケジュールで実施していただく必要があります。
Q:ブラウブリッツ秋田について2点ほど伺います。1点目は非常に基礎的な念の為の確認ですが、B等級基準の制裁内容にある、スタジアム環境の抜本的な改善に向けた計画および報告の提出というのは、新スタジアム整備に関わる計画および報告の提出であると理解してよろしいでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
それも含まれますが、現状のスタジアムに対する課題が記載されていることもあり出していただいた改善計画や報告に関して我々から中身を公表することは行なっておりませんので、詳しい内容は差し控えさせていただきます。
Q:2点目ですが、クラブライセンス交付判定の概要①の一番下にある個別文書について、ブラウブリッツ秋田に関しては検討のうえ決定となっていますが、これに関しては今回の判定に向けても個別文書の発信がありましたが、あのような形で来年の6月など節目に改めて文書を発信する可能性があるということですか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
来年の6月と期日を決めているわけではないですが、活動報告を11月末と6月末に出していただくタイミングがあるので、それらを踏まえて文書を発信する可能性があるということを書かせていただいております。
Q:ブラウブリッツ秋田の特殊性のようなところですけれども、ブラウブリッツ秋田はスタジアムの例外規定が適用されていない状況で、いわゆるタイマーみたいなものが始まっていないところではあるのですが、意向確認書で市がスケジュール感を示すというのもあったのですが、この時までに新スタジアムを整備しなければいけない、あるいはスタジアム基準を充足しなければいけないというものは現状では無いという状況なのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
この場で皆様の前でこの時までにこうしてくださいという状況をお伝えすることはないのですが、意向表明の中で、市・県からも表明していただいている内容もありますし、個別に秋田市、秋田県ともお話をさせていただいているので、今ご説明していただいたスケジュールで今後も進捗していくかどうかというのは確認していくことになります。
ですから、決定書にも期日は通知されていないですし、皆様にもオープンにはしていないのですが、ホームタウンの自治体とはやりとりをしているので、その中でお話いただいているスケジュールは今後も守っていただきたいと思っています。
Q:サポーターの中では毎年こういったライセンスが交付されるのかというところで気を揉む部分も多いと思うのですが、スケジュールが進んでいるかどうかが一つの大きな基準というかポイントになるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
そうですね。あくまで屋根の設置を免除した際に、新しいスタジアムの整備をしていただくということを宣言いただいたことが前提となっていますので、そこが停滞してしまうと、そもそも前提が崩れてしまい、その際交付したJ2ライセンスはなんだったのかという話になりかねないと思っています。
Q:文章上の確認なのですが、注意喚起のところで「判定結果に直接関わるものではないが」とあるのですが、それでもスタジアムのヒアリングは判定には関わってくる内容なのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
判定に関わってくる内容なので、注意喚起として通知させていただいています。判定結果に直接関係無いと書いているのは、今回の判定結果に対して関係は無かったという意味です。
ただ、必要なので注意喚起を行なっていますので、来年度以降の判定に関係無いのかと言われると大いに関係はあると思っています。
Q:長期的に見ると関係があるというニュアンスですか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
今回の判定結果については関係が無いのですが、クラブの経営の状況や施設の状況に関して今後に向けて注意喚起をしているという内容です。
Q:いわきFCについて質問です。今回施設基準を満たしていない例外でJ1のライセンスが出たと思うのですが、申請がおりた具体的な要因は、新スタジアムの構想があるからという認識で良いでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
例外適用というものを申請いただいて、昇格した時にはスケジュールに沿ってスタジアムを整備していただくというお約束をいただいたので今回交付に至ったということです。
Q:先ほど全体に説明があった例外規定に当たるということですか?
A:大城クラブライセンスマネージャー
その通りです。
Q:いわきFCについて、今年J2に昇格したタイミングで例外規定が適用されているので、すでにカレンダーは動き始めているという認識をしているのですが、今回J1ライセンスの交付にあたり、そのカレンダーとの兼ね合いというか変動はありますか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
J2ライセンスを申請していただいた際にこの例外規定も併せて申請いただいて昇格しております。今こちら(P24 例外規定の内容③)に掲載しているスケジュールはいわてグルージャ盛岡のスケジュールになるのですが、これから1年後の2022年6月にいわきFCとしては申請いただいております。そのため、当時は整備していただくスタジアムはJ2ライセンスだったのでJ2基準以上のスタジアムである必要があったのですが、今回整備していただくスタジアムはJ1基準のスタジアムという形で、スペックに関しては変更がありましたが、一度動き出したカレンダーが止まったり、また改めて動き出したりということはありませんので、動き出したカレンダーはそのままで変更はありません。
Q:新しく整備されるスタジアムがJ1の基準を満たしているかどうかとはまた別の話でしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
そうですね。J1基準を満たしたスタジアムを今お示ししているページのプラス1年になるので、2025年の6月に具体的な計画を出していただく必要がございます。
Q:常識的に考えると、2つスタジアムを用意するということはあり得ないので、今、整備を進めているスタジアムがJ1のライセンスから見れば、1年プラスされているというような認識があるのでしょうか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
1年プラスされるということではなく、具体的に申し上げると、いわきFCは2022年の6月に例外規定を使ってJ2ライセンスを申請されて、2022年の12月に昇格されました。ですから、今示しているページの1年目、2年目、3年目というカレンダーは動き出しています。この申請していただいた際はJ2ライセンスだったのですが、今回J1ライセンスになったので、3年後に出していただく計画もJ1ライセンスのJ1基準を満たしたスタジアムの計画を出していただかないといけないという形に変更になったというだけで、スケジュールが1年追加されたということはございません。
Q:ブラウブリッツ秋田について伺いたいのですが、制裁内容の中で活動報告および活動計画に関連し、クラブライセンス事務局が個別文書を発信する可能性がありとあるのですが、個別文書がどういったものなのか具体的に教えていただけますか?
A:大城クラブライセンスマネージャー
個別文書の内容に関し現時点でフォーマットのようなものがある訳ではないのでこういった内容になりますとお話しするのは難しいのですが、趣旨としては活動報告や活動計画が不十分と思われた際に、そこが不十分なのでもう少しこうしてくださいというようなことを通知することになると思いますが、状況によるので、そうではない文書を発信する可能性もあり、現時点ではなんとも申し上げられないという回答になります。
Q:基本的には報告に関しての回答不足分を指摘するような文章という感覚ですか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
そのような趣旨となります。
Q:1点お伺いしたいのですが、鹿児島ユナイテッドFCには、今回、県と市に文書をJリーグから要請されたと聞いています。今回のクラブライセンス申請においてのことで、文書を求めたと聞いていますが、県と市からの文書をJリーグ側がどう捉えたのか、どのような形で判定したのかはお話を伺えますか。
A:大城クラブライセンスマネージャー
県と市から頂いた意向表明書の内容を我々から開示するということはございませんので、申し訳ありませんが細かい状況に関してコメントすることは難しいです。ただ、改めてスタジアム整備に関する意向を表明していただいたので、そこは審査員の先生方にも評価していただき、その結果、ライセンスが交付されたという認識です。
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