【サーフィン】日本の血を引くインドネシア人サーファー和井田理央が優勝!QS5,000『Nias Pro』

チーム・協会

優勝したフィリッパ・アンダーソン(左)と和井田理央 【WSL/Tim Hain】

世界最高峰のCT(チャンピオンシップ・ツアー)入りを目指すQS(クオリファイ・シリーズ)のアジア・リージョナルとオーストラリア/オセアニア・リージョナルとの併催イベントとして、2023年のハイライトともなったインドネシア・二アスが舞台のQS5,000『Nias Pro』が現地時間9月17日に終了した。

ファイナルデイは公式3-4ftレンジと前日よりサイズダウンしたものの、バレルでパーフェクト10が生まれたほどのグッドコンディションに恵まれ、クライマックスを迎えた。

格の違いを見せつけた和井田理央

唯一の現役CT選手として格の違いを見せつけた 【WSL/Tim Hain】

QFから始まったファイナルデイ。
メンズで唯一残った日本人の伊東李安琉と唯一の現役CT選手、和井田理央との対戦はハイスコアの応酬で一時はトータル17.00のタイスコアの緊迫した勝負だった。
しかし、最後の波で和井田理央が8.90を出してSF進出。

QS1,000『OMAEZAKI PRO 2023』でQS初優勝を決めていた伊東李安琉はアジア・リージョナルのランキングでトップに立った。

会場には多くの観客が集まった 【WSL/Tim Hain】

和井田理央はSF、ファイナル共に自国インドネシアで水を得た魚のようにハイスコアを重ね、ファイナルデイで合計4つの9ポイント台を出して優勝。
格の違いを見せつけて6,385ドル(日本円で約943,000円)を手に入れた。

インドネシア国旗を掲げる和井田理央 【WSL/Tim Hain】

メンズ2位のトゥルー・ワイリー 【WSL/Tim Hain】

「言葉で説明するのは難しいけれども、ニアスに来れて本当に嬉しい。最終日の二アスは素晴らしい波だった。誰もが夢見るような波だったよね。ファイナルはちょっと緊張したけど、大勢の観客がいて、その中でベストを尽くさなければならないと思っていた。それが実現して良いスコアを出せたんだ。リプレイは見ていないけど、まだ学んで上達しなければならないことが沢山ある。でも、今日の自分のパフォーマンスには満足しているよ」

23歳、和井田理央にとってCTのルーキーイヤーとなった2023年。
ポルトガルの5位が最高位で最終ランキングは21位と厳しいものになったが、ミッドシーズンカットを免れて2024年もあの夢の舞台で戦うことになる。

彼は誰よりもインドネシアを代表することを望んでおり、パリ五輪出場のクオリファイも当然狙ってくるだろう。

「沢山の人が応援に来てくれて本当に感謝している。自分には大勢のサポーターがいる。もちろん、自分の国、インドネシアを代表して戦っているよ。リオ、頑張ってと沢山のローカルに励まされた。このイベントはオージーが優勝してきたから、インドネシア人のチャンピオンをみんな望んでいたんだ。そして、今日その望みを叶えることができたと思う。みんな喜んでくれたら良いね。自分のサーフィンに誇りを持っているし、感謝している」

国民が悲願にしていたニアス優勝を決めた理央 【WSL/Tim Hain】

2019年以来のQS優勝を決めたフィリッパ・アンダーソン

イベントを通して絶好調だったフィリッパ 【WSL/Tim Hain】

ウィメンズは池田美来、都築虹帆の二人の日本人が残り、共にQF敗退で5位。
アジア・リージョナルのランキングでは都築虹帆が3位、池田美来が7位になっている。
2024年CS(チャレンジャー・シリーズ)出場権は男子6名、女子4名の枠があり、上位5名と3名の他にワイルドカード各1名。

イベントは前半から最も目立っていたフィリッパ・アンダーソン(AUS)とディフェンディングチャンピオンのペイジ・ハレブ(NZ)がファイナルに残った。
フィリッパはQFでパーフェクト10を出してこの日も絶好調。ファイナルでも7.00から始まり、8.33を出してロースコア止まりだったペイジを圧倒。
トータル15.33、コンビネーションスコアで2019年以来のQS優勝を飾った。

SFまでは好調だったペイジ・ハレブ 【 WSL/Tim Hain】

「最後に優勝してからかなり時間が経ったわ。本当に嬉しいし、ペイジと共有できたことが最高だった。彼女は怪我から復帰したのよ。私達はベテランの女性としてやり遂げた。自分のチームと家族はこの長い5年間のことを知っている。彼らには本当に感謝しているわ。毎年、私はただ黙々と努力し続けているの。クルイで5位に入り、海でも陸でもトレーニングを続けた。この喜びをは言葉にはできない。でも、本当に幸せよ」

31歳のフィリッパと33歳のペイジ。
ペイジはCT経験もあり、フィリッパは2011年からQSで2桁台のランキングを重ね、毎年CTクオリファイを争っているトップ選手。
二人は一緒に世界を周り、ルームメイトにもなる仲。ある意味、戦友でもある二人が初めてファイナルで戦うことになったのだ。

2019年以来のQS優勝を決めたフィリッパ 【WSL/Tim Hain】

「ファイナルでは最初にペイジに言ったのよ。超真剣にやる?それとも話しながらやる?ってね。真剣に話しながらやろうよって彼女は言ったわ。私は戦いになることを待っていた。最初にリードを奪ったわ。自分がやるべきことは理解していた。でも、残念ながら彼女の方はあまり良いライディングができかなった。彼女は、私は何? 3ポイントと4ポイントしか持ってないわ、と嘆いていたわ。でも、私達が長い間、競技に参加してきたことを考え、実際に最高の友達の一人とその瞬間を共有できたことは特別なことね。彼女が大きなバックハンドターンで反撃する可能性があることも知っていたので、自分を奮い立たせ、戦略を貫いた。本当に特別な瞬間。感謝しているわ」

この優勝でフィリッパはオーストラリア/オセアニア・リージョナルのトップに立ち、ペイジは2位になった。

ウィメンズの表彰式 【 WSL/Tim Hain】

次のQSアジア・リージョナルのイベントは10月26日〜31日にフィリピン・クラウド9で開催されるQS3,000『Siargao International Surfing Cup』
その後、11月には台湾でQS5,000『Taiwan Open of Surfing』、韓国のウェーブプール「Wave Park」でQS3,000『Siheung Korea Open』が開催される。

QS5,000『Nias Pro』結果
メンズ
1位 和井田理央(IND)
2位 トゥルー・ワイリー(AUS)
3位 オスカー・ベリー(AUS)、ジャック・トーマス(AUS)
5位 伊東李安琉(JPN)、ダコダ・ウォルター(AUS)、ジャーヴィス・アール(AUS)、ジョーディ・マリー(RSA)

ウィメンズ
1位 フィリッパ・アンダーソン(AUS)
2位 ペイジ・ハレブ(NZ)
3位 ロージー・スマートAUS)、フレイヤ・プラム(AUS)
5位 池田美来(JPN)、都築虹帆(JPN)、エリー・ハリソン(AUS)、ミア・ハッパッツ(AUS)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)
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