日本は勇敢なチリをどう攻略したのか ラグビー元日本代表・藤井淳が解説
強豪相手には“立体的なアタック”を
W杯初出場で2トライを奪ったファカタバ 【写真:ロイター/アフロ】
ディフェンスでは1人目のタックラーがもし振り切られたとしても、2人目の選手が確実に抑えられるようにしてもらいたいです。1人目のタックラーはしっかりホールドして捕まえることが大切ですが、もみ合いの中で振り切られた際は内側に来ることが多いので、2人目の選手は内から外に抑えていく意識を持っていてほしいと思います。
アタックでは今日はこのシステムだったと思うのですが、ライン攻撃の裏のオプションを使うプレーがほとんど見られないのが気になります。あえて使っていないという考え方もできると思いますが、表と裏のオプションを使うための連携もあまり見られなかったので……。
日本代表のトニー・ブラウンコーチは策士ですから、イングランド戦以降に用意しているアタックがあるかもしれません。日本代表のこのメンバーならば、パスやキックをもっと多彩に使った立体的なアタックができると思うので、次戦以降も注目して見ていきたいです。
(取材・文:安実剛士/スポーツナビ)
藤井淳/JunFujii
東芝ブレイブルーパスで活躍した藤井淳氏。2012年にはエディー・ジョーンズHCにより日本代表に選ばれ、6キャップを獲得した 【写真:アフロスポーツ】
西陵商高時代に全国大会に出場、明治大では抜群のスピードを生かして活躍した。東芝ブレイブルーパスでは強気のリードでFWをまとめ、ディフェンス面も向上。2012年にはエディー・ジョーンズHCにより日本代表に選ばれ、6キャップを獲得した。2019年に現役引退。