タンパク質、摂りすぎるとどうなる?過剰摂取のライン[医師解説]
厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準(2022年版)によると、『現時点ではたんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分ではない』と記載されています。
つまり結論わからないということで、まだ結論は出ていません。ただ、十分な根拠はありませんが、それでも現在あるデータから推測して、1日の総摂取エネルギーの20%までにしておくことが国内の基準となっています。
では、どのくらいが飲みすぎということになるのでしょうか。摂取量に関しての論文をいくつか参考にしながら解説していきます。
解説は、ディオクリニック理事長/統括医師 藤井崇博先生です。
つまり結論わからないということで、まだ結論は出ていません。ただ、十分な根拠はありませんが、それでも現在あるデータから推測して、1日の総摂取エネルギーの20%までにしておくことが国内の基準となっています。
では、どのくらいが飲みすぎということになるのでしょうか。摂取量に関しての論文をいくつか参考にしながら解説していきます。
解説は、ディオクリニック理事長/統括医師 藤井崇博先生です。
【MELOS】
論文1 約2.0〜2.5g/kg/日以上の摂取はNG
身体的な必要性、体重管理、タンパク質の毒性回避に基づいて算出した最大タンパク質摂取量の上限に関しては、約2.0〜2.5g/kg/日(例:体重50kgであれば100〜125g/日)、摂取エネルギーの約25%と報告されています。
これ以上の過剰なタンパク質の摂取は、消化管が食事性タンパク質からアミノ酸を吸収できる速度(1.3〜10 g / h)やタンパク質を脱アミノ化して尿素を生成し、過剰な窒素を排出する肝臓の能力を超えてしまい、高アミノ酸血症、高アンモニア血症、高インスリン血症、嘔気、下痢などを起こしうるとしています。
こちらの論文では摂取エネルギーの35%を超えるとこのような症状が出現し得ると推定しています(*1)。
これ以上の過剰なタンパク質の摂取は、消化管が食事性タンパク質からアミノ酸を吸収できる速度(1.3〜10 g / h)やタンパク質を脱アミノ化して尿素を生成し、過剰な窒素を排出する肝臓の能力を超えてしまい、高アミノ酸血症、高アンモニア血症、高インスリン血症、嘔気、下痢などを起こしうるとしています。
こちらの論文では摂取エネルギーの35%を超えるとこのような症状が出現し得ると推定しています(*1)。
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論文2 2.0g/kg体重/日は安全だが、それ以上の長期摂取は望ましくない
続いての論文では、2.0g/kg体重/日の長期摂取は安全(例:体重50kgであれば100g/日)、3.5g/kg体重/日が許容上限(例:体重50kgであれば175g/日)、2g/kg体重/日を超える慢性的な摂取は避けるべきとしています。
つまり、運動あるいは病気により体力を消耗しているようなときは、一時的に上限3.5g/kg体重/日のタンパク質を摂取することは許容できますが、漫然と2.0g/kg体重/日を超えるタンパク質摂取を継続することは好ましくないと報告されています。
つまり、運動あるいは病気により体力を消耗しているようなときは、一時的に上限3.5g/kg体重/日のタンパク質を摂取することは許容できますが、漫然と2.0g/kg体重/日を超えるタンパク質摂取を継続することは好ましくないと報告されています。
論文3 4.4g/kg体重/日でも健康上のトラブルはなかった
最後に極端な例ですが、20人の男女(男性11人、女性9人、25.2±6.3歳、身長170.0±8.9cm、体重71.8±12.2kg、週に平均8.5±3.3時間ほどの筋トレをしている人たち)が8週間、4.4g/kg体重/日のタンパク質を摂取しました。平均307±69g/日です。
こちらは極めて多い1日のタンパク質摂取量ですが、顕著な健康上のトラブルは生じませんでした。また、体脂肪も増加することはありませんでした。
しかし、長期間での安全性は報告されていないので、一概にタンパク質摂取量の上限がないとも言えません。
こちらは極めて多い1日のタンパク質摂取量ですが、顕著な健康上のトラブルは生じませんでした。また、体脂肪も増加することはありませんでした。
しかし、長期間での安全性は報告されていないので、一概にタンパク質摂取量の上限がないとも言えません。
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