<国内男子ゴルフ>師匠の主催試合で大チャンス。上井邦浩「やれることを全うするだけ」

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師匠の主催試合で、一発逆転の大チャンスだ。
上井邦浩(かみい・くにひろ)が、首位と1差の単独2位浮上。

5年シードのタイトル戦で、2年ぶり10回目の最終日最終組に入り、プロ19年目の初Vに挑戦する。

3打差の4位タイから出た3日目は「いまひとつ」というショットをパットでカバー。
スタートの1、2番で7メートル、3番では4メートルを「ポンポンポン」と決めて、3連続バーディ。

弾みをつけて折り返すと14番では8メートル沈めるなど後半4つのバーディで、首位を捉えた。

迎えた18番で、13番に続く2ボギーを叩いたのは惜しかった。

「2打目がラフに埋もれていた」と、打ち損ねてグリーン右サイドの木を命中し、またラフからになった第3打も寄せきれずに約5メートルを2パット。

出迎えた芹澤信雄(せりざわ・のぶお)に「オレの前でボギー打つな」と文句を言われ、「師匠が見ていたのは知らなかった」と、言い返した。

「知っていたらパーで上がれた」と強がりを言ったが、デビュー時から師事する恩人だ。
「芹澤さんの顔を見ると安心できる」。
引きずらずに済むのも師匠のおかげ。

芹澤が、公益社団法人日本プロゴルフ協会(PGA)の副会長に就任して2年目。主催のタイトル戦で、師匠も待ち続けた初Vに挑む。

特にこの2年は、心配もかけどおしである。

趣味の野球でケガした古傷の影響で、左母指腱鞘炎を発症して離脱したのは昨季。
今季は開幕から4戦で、特別保障制度によるシード入りを目指したが、9万8916円足らずに出場資格を失い、5月の「ミズノオープン」以降は直近大会10位内の資格や主催者推薦を駆使して復活を模索中。

本大会も7月7日の予選会で10位に入って掴んだものだ。
滑り込んだ5年シードのタイトル戦で、シードの復活どころか、プロ19年目の初Vチャンスが目の前に。

「昔は意識もしましたけれど、優勝ばかりに脳が行くのは良くない。自分のやれることを全うするだけ」。

過去9度の最終日最終組で、2位5回。
40歳の経験を駆使したその先に、恩人らの笑顔が見える。
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