進化を遂げた西武・高橋光成のエースの矜持 意外な夏バテ対策、限定ユニや家族への思いを語る

三和直樹

息子の誕生、パパとしての「楽しみ」と「責任」を感じて

第1子も誕生、今季は決意新たにシーズンを戦う高橋光成 【スポーツナビ】

――私生活では今年の1月に第1子となる男の子が誕生したということで、おめでとうございます。かわいいですか?

 ありがとうございます。そりゃあ、もう、かわいいですね。早く家に帰りたいです(笑)。出産の時も立ち会えましたし、キャンプの開始が遅れた(2月6日)こともあって、少しですけど一緒にいることができました。

――父親になったということで生活面も心境的にも、いろいろと大きく変わったのではと思いますが?

 変わりましたね。生活がガラッと変わりましたね。何でも子供優先になりますね。でも選手としては自分の時間も作らないといけない。そこのバランスは難しいですけど、何にしてもかわいいんで。お風呂に入れたりとか、オムツも替えられるようになって、ひと通りはできるようになったかなとは思ってます。僕の顔が面白いのか分かんないんですけど、僕の顔を見たら笑うんですよね。それがまたかわいいです。

――子どもが生まれて父親という責任も背負う中で、新しい目標やモチベーションも生まれてくるのではないのですか?

 そうですね。やっぱり自分が野球をしている姿は見てもらいたい。今が26歳なんで、たぶん大丈夫だとは思うんですけど、改めて頑張らないといけないと思いますね。一緒にキャッチボールもしたいです。

――息子さんにも野球をやってもらいたいという願いはありますか?

 そこは特にはないです。とりあえずキャッチボールができれば。僕自身も新しいものにのめり込みたいという気持ちもありますし、違うスポーツをやってもらいたいっていう気持ちもあります。サッカーとかアメフトとか。(息子は)今の時点で体も大きいので、アメフトかな? 僕自身は3人姉弟の真ん中で、すごくワガママだったって聞きます。弟が何か買ってもらったら「何で僕には買ってくれないの!」ってグズったりしていたとか…。そういうことも含めて、子どもの成長は楽しみですね。

理想の「エース」としてファンの声援に応え続ける

今季ここまでの「ベストピッチ」は森友哉(オリックス)に投じた1球だったと振り返る 【写真は共同】

――改めて今季ここまでの登板を振り返って、自分の中の「ベストピッチ」と「ベストゲーム」を挙げるなら?

 「ベストピッチ」は京セラドームでのオリックス戦(4月22日)の最後に森(友哉)さんに投げた1球ですね。コース、球威、シチュエーション、バッターが森さん、それでゲームセットということもって、最高の1球だったと思っています。「ベストゲーム」は宮崎でのソフトバンク戦(4月8日)かな。風が強かったんですけど、久々に2ケタ奪三振(11個)をマークして、これまでとは違う自分のスタイルを見せられた試合だったかなと思います。

――先発ローテーションを守る中では投げ合う相手もエース級の投手になります。その中で「ライオンズのエース」だという自覚、責任も高まって行くのでは?

 僕自身は「エースだから」とか、「こうあるべき」とかはそこまで意識はしていない。それは周りが評価してくれることですから。試合が始まればいろんなことがあります。シーズンの中でも、抑えられる時もあれば、打たれる時も、ストライクが入らない時もある。そういう中で、1年間を通してコツコツと、1試合ずつしっかりと投げ抜くということにこだわりを持ってやっていきたい。

――何があっても一喜一憂せず、淡々と1年間を投げ抜くというのが理想のエース像になりまね。

 はい。でも、やっぱり目の前の試合には勝ちたいですし、やっぱり圧倒的な力でゲームを支配したいという気持ちはあります。僕が西武に入った時のエースは岸(孝之/現楽天)さんだった。理想のエース像と言えば、岸さんの姿が思い浮かびますね。常に淡々と投げて、多くは語らずとも常に試合を作って、勝利に貢献する。そういうピッチャーに自分もなりたいですね。

――今年は3月にWBCがあり、日本球界として盛り上がりました。どのような気持ちで侍ジャパンの戦いを見ていましたか?

 あれだけメジャーでバリバリやっている選手が多く出ていた中で、自分も投げたかったという気持ちは、やっぱりありましたね。あれだけメジャーリーガーが出るなら、自分の力をそこで試したかったですね。まぁ、力勝負となると難しいかもしれないですけど、そこは日本人投手の繊細さも活かして抑えたい。次、チャンスがあるなら出たいですね。

――その前にまずは今シーズン、『ライオンズフェスティバルズ』が終わってから9月以降も試合は続いていきますが、今後の目標は?

 まずは8月ですね。その前の7月も、です。いい準備をして、勢いに乗っていきたいですね。ユニフォームも格好良いですから、そこで勝って、良い流れで9月以降の戦いにも臨めるようにしたいですね。

――今年はコロナが明けて、声出し応援も解禁となりました。ファンの声援を改めて感じているかと思いますが?

 そうですね。やっぱりファンの方の声援は大きいですよ。苦しい時に声援をもらえると力になりますし、疲れた中でも最後の1イニングで球速を上げられるのは、ファンの方の声援のおかげだと思います。僕1人じゃ戦えないので、これからも力強い声援を送ってもらえるとありがたい。その声援に応えられるように、長いイニングを投げて、完投、完封という試合を増やして、1年間しっかりと投げ抜きたいと思います。

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著者プロフィール

1979年1月1日生まれ。大阪府出身。学生時代からサッカー&近鉄ファン一筋。大学卒業後、スポーツ紙記者として、野球、サッカーを中心に、ラグビー、マラソンなど様々な競技を取材。野球専門誌『Baseball Times』の編集兼ライターを経て、現在はフリーランスとして、プロ野球、高校野球、サッカーなど幅広く執筆している。

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