芝2000~2400mの実績に注目! 宝塚記念分析
2022/6/26 阪神 11R 宝塚記念(G1) 1着 6番 タイトルホルダー(2番人気) 【Photo by Toru Arita】
■表1 【人気別成績】
表2 【性齢別成績】
■表3 【枠番別成績(2013~20年・3回阪神8日目)】
■表4 【前走クラス・主なレース別成績(日本馬)】
続いて表4は前走クラス別と主なレース別成績である(外国調教馬除く)。好走馬が多い中央G1組、好走確率でこれを上回る海外組が主力だ。また、G2組の好走馬は目黒記念のみ、そしてG3組は鳴尾記念のみとなっている。
■表5 【前走天皇賞(春)からの好走馬】
前走天皇賞(春)からの3着以内好走馬は表5の9頭。このうち7頭は前走4着以下と、天皇賞(春)馬券圏外から巻き返した馬がかなり多い。前走天皇賞(春)で1~3着だった馬は昨年こそタイトルホルダーが優勝したが、過去10年トータルでは【1.0.1.13】複勝率13.3%で複勝回収率はわずか22%。同4着以下だった馬は【3.3.1.19】複勝率26.9%・複勝回収率136%と、好走確率や回収率からもこの組は前走4着以下だった馬が狙いだ。また、重賞実績が長距離ばかりに集中しているような馬の好走はなく、芝2000~2400mでG1連対またはG2優勝経験を持つことも条件になる。
■表6 【前走海外からの好走馬(日本馬)】
■表7 【前走中央G2、G3からの好走馬】
【結論】
海外も含めた前走G1組が好走馬の中心を担う宝塚記念。最終的な判断は枠順(表3)確定後に下したいが、確定前時点の筆頭候補はイクイノックス。昨年後半は古馬相手に天皇賞(秋)、有馬記念を連勝。4歳(表2)を迎えた今年は初の海外遠征・ドバイシーマクラシックで圧倒的な力を見せつけた。前走海外組(表6)の好走馬はそのドバイシーマクラシック出走馬が多いこともあり、断然人気が予想される本馬も期待に応えてくれる可能性が高そうだ。
春の天皇賞組(表6)は優勝馬のジャスティンパレスも悪くはないが、同レースで馬券圏外だった馬の巻き返しが多いことからアスクビクターモア(11着)に注目。昨秋はイクイノックスが不在だった菊花賞をレコード勝ち。ほかに弥生賞優勝があり、芝2000~2400m実績の条件をクリアする。また、同じ天皇賞(春)組からは4着だったブレークアップの名前も挙げておきたい。優勝実績のあるアルゼンチン共和国杯は2500mで上記条件より100m長いが、今年の5歳馬(表2)の中ではデータ的な穴がもっとも少ない印象だ。
一方、前走G2以下(表7)の馬や牝馬(表2)は減点材料を抱える馬ばかり。しかし複勝率42.3%を記録する牝馬は無視しがたい印象で、G1・エリザベス女王杯優勝実績のある5歳牝馬・ジェラルディーナを押さえ候補として加えておきたい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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