【ラグビー/NTTリーグワン】「38点差」に挑む戦い。 熱きフィジー出身選手たちの思いとともに<豊田自動織機シャトルズ愛知>

豊田自動織機シャトルズ愛知 ケレビ ジョシュア選手 【©JRLO】

第1戦を21対59で落とした豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)。あとがない状況だが、下を向く選手は一人もいない。徳野洋一ヘッドコーチは「準備したことを遂行しよう」と声を掛けた。これまで積み上げてきたものをパフォーマンスできれば、38点差をひっくり返せる。そう意気込んで海老名運動公園陸上競技場に乗り込む。

アーリーエントリーとして今季加入し、フランカーとして第1戦に出場したナイバルワガ セタは、第2戦も出場を予定。「ポテンシャル抜群」と指揮官も評するフィジー出身の22歳は、コーチ陣の大きな期待を受けている。フィジー代表選手であった父親が日本で指導者になることをきっかけに、12歳のときに来日した。約10年、日本に住んでいることもあり、日本語も達者。「社会人になると、周りの選手からあまりアドバイスをもらえないと思っていた。しかし、S愛知のチームメートやコーチは熱心にアドバイスをくれる」(ナイバルワガ セタ)。

そんな“セタ”の学生時代を知るチームメートが、ケレビ ジョシュアとジョネ・ケレビの兄弟。兄のジョシュアは秋田ノーザンブレッツでプレーしていたときに知り合い、弟のジョネは天理大学時代のルームメートとして3年間をともにした。同じフィジー出身ということもあり、家族ぐるみで仲が良い。

最近までセブンス日本代表に合流していたケレビ ジョシュアは、第2戦はフルバックで出場予定。「セブンスは同じラグビーだけど練習からまったく違う。体重も10kgくらい落とした」(ケレビ ジョシュア)という。天理大学に入学することをきっかけに日本へ。「世界の大国の日本というイメージがあったから、日本人はみんな英語を喋れると思っていた(笑)。でも、逆に日本語しか聞かない環境だったからこそ、少しずつ上達していった」

ラグビーやS愛知に対する思いは人一倍強い。「ファンが楽しんでくれるようなプレーをS愛知でしたいし、日本にやってくるフィジー人のモデルにもなりたい。自分の立場でできることをやって、一人でもラグビー好きな人が増えるようにしたい」(ケレビ ジョシュア)。

いざ決戦。彼らの熱い思いがあれば、きっと歓喜を生む。

(斎藤弦)
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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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