人気アマが試打!ダンロップ スリクソン「ZX5 Mk II」と「ZX5 Mk II LS」のドライバーを徹底比較

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今回紹介するのは、スリクソンから新発売の「ZX5 Mk II ドライバー」です。

前作「ZX5」「ZX7」ドライバーは、長年、契約外のドライバーを使い続けていた松山英樹プロが使用したことで大きな話題にもなりました。

アイアンやウェッジでは定評のあるスリクソン(クリーブランド)ですが、ウッド系は他社より出遅れ感がありました。それでもZXシリーズの登場でガラリと変わりプロ使用率も増え、アマチュアの中でも人気が出始めています。そんな前作、ZXシリーズの後継となるクラブにはMk II(マーク2)の表記が追加され改良が加えられているようです。

どんなクラブに仕上がったのか、オレンジマンが「ZX5 Mk II」と「ZX5 Mk II LS」の2機種をさっそく試打比較してみました。

見た目から感じること

まずは見た目の違いを見ていきましょう。   

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ZX5 Mk IIとZX5 Mk II LS(以下 LS)とではソールに装着されたウェイト位置が異なります。ZX5 Mk IIではソール後方に配置され、LSではフェース寄りに配置されています。

注目したいのが、今までスリクソンのドライバーには無かったLS(ロースピン)が付くモデルが登場したこと。ウェイト位置をフェースに寄せることで重心を前に持っていきスピン量を減らす役割を果たしています。

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アドレス時に上から見た形状は本当にそっくりで、どちらもやや後方に伸びた大きめのヘッドです。細かいことをいえば、LSの方が若干フェースアングルがオープン気味に感じ、ZX5 Mk IIの方はストレートに感じます。非常によく似ていますが、どちらも安心感を感じるサイズ感でした。

前作との違いも少し触れておくと、まずクラウンの塗装が流行りのマット仕上げになりました。

また、前作はカーボンクラウン構造で、カーボンが透けて見えていたのが、なんと今回のMk IIではフルチタン構造となり、カーボンクラウンではなくなったのです。打感や打音にも影響がありそうですね。

ソールデザインもブラックを基調にとても洗練されたデザインでカッコいいです。

実際に打った試打データ

今回は2本とも同じ純正シャフトで計測。使用シャフトは『Diamana ZX-II50 S』中元調子の45.25インチです。ヘッドスピードは、45m/s前後になるよう調整して打ちました。

「ZX5 Mk II」ロフト9.5°

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HSが44.9m/sで、BSが66.7m/sと高初速で、スピン量は2634rpmと割とスピンが入ります。打ち出し角は18.9度で、ロフトが9.5の割には少し高く、飛距離は260yとまずまず。

初めて打った印象は、打感と打音が気持ちいいこと。カーボンクラウンではなくフルチタンになったおかげで金属感が増し、カーボン特有のポコンというのがなくなり、弾き感を残しつつ、いい意味で軽い打感でした。

データを見た印象は、まず弾道が高いこと。最高到達点の平均は45y。個人的には少し上がり過ぎで飛距離が伸びない印象でした。そこにはスピン量がやや多いこと、打ち出し角が高いことが要因ですが、何度打っても似た結果なので、おそらくこういう仕様なんだと思います。

つかまり具合は、フェースアングルでも分かるようにつかまり過ぎて困ると言うことはありませんでした。ストレートからドローが多く、右に吹かしたかなという感触の当たりでもスライスではなく、右にストレートになったのも印象的でした。

飛距離性能が悪いわけではないですが、飛びよりも安定感の高いヘッドだと思います。

○こんな人におすすめ
・飛距離よりも安定感を求める人
・球が上がりきらない人

×こんな人は避けましょう
・飛距離性能を求める人
・もともとスピン量が多い人
・大きめヘッドが苦手な人

「ZX5 Mk II LS」ロフト9.5°

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HSが44.8m/sで、BSが67.8m/sと高初速。スピン量は1854rpmとかなりのロースピンでした。打ち出し角は16.2度で適正値。飛距離は267yと飛距離性能も高い。

これはいいですね!ZX5 Mk IIとは明らかにスピン量が違います。弾道もかなり抑えられて最高到達点も35y。おそらくもう少しヘッドスピードを上げれば弾道は高くなると思いますし、このスピン量が維持されればさらなる飛距離は望めそうです。

スリクソン初のLSモデルですが、他社のロースピンモデルだと捕まりきらずに右へのミスが出るヘッドが多くある中、このLSは捕まりも悪くありません。明らかなミスでない限り左へのミスも出ませんし、概ねストレート弾道でした。

打感や打音はZX5 Mk IIと大差は感じませんでした。モデルによって打感が変わらないのは好印象ですね。ヘッドスピードの速い人が、振れば振るほど飛んでいくヘッドだと思います。逆に言えば、ヘッドスピードが足りないとドロップ気味になる可能性があるので、注意したいところです。

○こんな人におすすめ
・とにかくスピン量を減らしたい人
・LSモデルでも捕まりが欲しい人

×こんな人は避けましょう
・スピン量が少ない人(10.5度の選択で改善は見込める)
・ヘッドスピード45以下の人

純正シャフトがイマイチ……?

ヘッド自体の完成度の高さは感じますが、少し物足りなさを感じたのが純正シャフトの『Diamana ZX-II50 』です。Sフレックスのスペック上では、中調子、49g、トルク5.8となっています。

個人的に打った感触は、中調子よりも先調子に近く、これはRフレックスかな?と思うほど柔らかい印象でした。トルクも5.8はかなり多く、それによりつかまりが良くなるのはあると思いますが、しっかり振れる人からした余計な動きが多いとも言えます。

今年発売されたドライバーに共通して言えるのが、純正シャフトの出来がとてもよかったことです。カスタムやリシャフトが支持される中、純正でも引けを取らない性能がとても印象的でした。ZX5 MK IIも純正シャフトが合う人がいるのは間違いないので、せめてLSだけでもあと一本ぐらいは性能違いの純正シャフトが選べると良かったなと感じます。

まとめ

契約プロが新作にスイッチして結果を出しているのを見て期待値が上がっていましたが、その期待が裏切られることなくはっきりと特性の違いが感じられ、安定性と飛距離の棲み分けが上手くできていると感じました。

個人的にはLSがおすすめです。LSと聞くと難しいイメージを持ちますがそんなことはなく、ヘッド自体も大きく安心感もあり、つかまりも悪くないため、決して扱えないような難しさは感じませんでした。

ZX5 Mk IIは球が少し上がり過ぎと言いましたが、あくまでも純正シャフトでの話です。低スピンになるシャフトや、重めのシャフトなどにすればアスリートゴルファーでも十分に恩恵を得られるでしょう。

ここ何年も海外ブランドが人気を集めていますが、そのクラブたちと肩を並べることが十分できるクラブだと思います。

スリクソンのドライバーをチェック

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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