【女子駅伝がアツい!】女性ランニング愛好者は増えてる?減ってる?

笹川スポーツ財団
チーム・協会

【女性ランニング愛好者は増えてる?減ってる? ※画像はイメージです】

10月23日に全日本実業団女子駅伝予選会・プリンセス駅伝2022、10月30日に全日本大学女子駅伝が開催され、女子駅伝もシーズンイン。そして、本日は東日本女子駅伝、11月27日には全日本実業団対抗女子駅伝・クイーンズ駅伝2022が開催されます。

クイーンズ駅伝には、昨年の東京オリンピックで活躍した田中希実選手(豊田自動織機)、廣中璃梨佳選手(日本郵政グループ)、新谷仁美選手(積水化学)などがエントリーされました。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で自粛が求められていた沿道での観戦も認められています。声を出す応援は控えるよう呼びかけられていますが、応援も含め白熱した戦いが期待されます。

大学駅伝では、不破聖衣来選手(拓殖大学)が昨年から活躍。現在、そしてこれからの女子駅伝、女子長距離界は注目ですね!

そんな中、わたしたちの日常において、ランニング・ジョギングはどのくらい浸透しているのか?データから紐解きます。

女性のジョギング・ランニング推計人口は1998年から増加も、男女差が拡大

笹川スポーツ財団では、全国のスポーツライフに関する調査を1992年から実施しています。運動・スポーツ実施率やスポーツクラブ加入率、好きなスポーツ選手などを調査し現状を把握。「スポーツライフ・データ」としてまとめ、スポーツ政策の策定などに役立つ基礎データとなっています。長年の調査から経年で各データが揃うのが特徴です。

調査の一つに、野球やサッカー、バスケットボールなどの種目別実施状況・推計人口を出しており、その中に「ジョギング・ランニング」もあります。

最新の調査では、年1回以上ジョギング・ランニングを行う20歳以上の実施推計人口(2020年)は、1,055万人でした。これは調査以来、過去最高の記録です。

女性の状況はどうなっているのか?

1998年は262万人で、その後減少しましたが、2002年から増加し2014年には327万人と最高値を記録しました。2007年に東京マラソンが始まり、健康志向の高まりもあり増加していったものと考えられます。2016年からは微減となっており、2018年は311万人、2020年は300万人でした。

しかし、男性の実施推計人口をみると、2016年は592万人、2018年は646万人、2020年は744万人と増加しており、男女差が拡がっていることが分かります。

年1回以上のジョギング・ランニング推計実施人口(万人)の年次推移(20歳以上) 【笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998〜2020)より作成 】

年1回以上のジョギング・ランニング実施率は、2020年は男性14.9%、女性5.6%と9.3ポイントの差があります。2018年は男性12.9%、女性5.8%と7.1ポイント差でしたので、やはり男女差が拡がっています。女性の実施率は、1998年との比較では、5.2%から0.4ポイント増加と大きな変化はないのが現状です。

年1回以上のジョギング・ランニング実施率(%)の年次推移 (20歳以上) 【笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998〜2020)より作成 】

このように、ジョギング・ランニングの実施率・推計人口の増加は主に男性が牽引していることが分かりました。2020年は特に、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、運動不足の解消など、ジョギング・ランニングといった気軽に取り組める種目への需要が高まり、増加につながったと考えられます。

しかし、男女差は拡がっています。

女性のジョギング・ランニング実施推計人口が今後増えていくには、年代などのターゲットを絞った上で、取り組みや実施しやすい環境の整備が必要になってくるはずです。昨年の東京オリンピックでは、田中選手が1500mにおいて日本人初の8位入賞を果たしました。不破選手というニューヒロインも誕生。選手の活躍、勇姿も影響してくるかもしれませんね。
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著者プロフィール

笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ専門のシンクタンクです。スポーツに関する研究調査、データの収集・分析・発信や、国・自治体のスポーツ政策に対する提言策定を行い、「誰でも・どこでも・いつまでも」スポーツに親しむことができる社会づくりを目指しています。

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