アイアンが飛ばない?飛距離が伸びない4つの理由と改善方法!

Gridge(グリッジ)

【(c)photo-ac】

ゴルフは、「アプローチとパター」であると聞いたことのある人も多いと思います。

いいライからしっかりとしたアプローチをしてボールをピンに寄せるためにも、アイアンは狙った距離をきっちり飛ばしていきたいところですよね。

しかし、プロのショットのようなイメージを持っていても、実際はイメージよりも飛んでいない、というのがアマチュアゴルファーの“ゴルフあるある”です。

アマチュアだから……プロとは違うから……とあきらめてしまうのは早いです。アイアンが飛んでいないのには、しっかりとした原因があります。その理由を知って、改善につなげていきましょう!

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プロゴルファーのアイアンは飛ぶ!

実際にトーナメント会場に行ったりテレビ中継などでプロゴルファーのプレーを見ていると、200ヤード以上の残り距離でもアイアンを持つなど、アマチュアからは考えられない番手のクラブを使用しています。

長いクラブであれば、我々アマチュアの場合は方向性を出すことはなかなか難しいと思いますが、小さい番号のアイアン(つまりロングアイアン)でも、しっかりと距離と方向を定めて、グリーンに乗せてくるところは、さすがプロ、と溜息をつく人もいるのではないでしょうか。

男子プロゴルファーはもちろんのこと、女子プロゴルファーも、一般アマチュア男子並みの飛距離を出してきますので、それは本当に驚くべきことであるといえます。

筋肉がムキムキだったり、特別ヘッドスピードが速かったりするわけでもなく、まして使用しているゴルフクラブが特別に飛距離を出せるものというわけでもないのに、しっかりボールの芯をとらえて飛ばしていきます。

プロゴルファーのアイアン飛距離はどれくらい?

個人差はありますが、男子プロゴルファーの7番アイアンの平均的な飛距離は、160ヤード〜210ヤード程度と言われています。

アマチュアゴルファーの男性では、平均飛距離は140ヤード程度、飛ぶ人でも160ヤードを超えるくらいですから、プロゴルファーとアマチュアゴルファーを比較すると、プロゴルファーのほうが、かなり飛距離が出ています。

飛距離のあまり出ないプロゴルファーでさえ、平均以上の数字です。

ちなみに、女子プロゴルファーの7番アイアンの平均的な飛距離は、140〜155ヤードくらいと言われており、アマチュアゴルファーの男性の平均飛距離に近い結果となっています。

アマチュアゴルファーの女性で、7番アイアンの平均飛距離は90ヤード前後、飛ぶ人でも120ヤードくらいと言われています。

ドライバーを打ったあとに、残りの距離が長ければフェアウェイウッドを選択する人も多いと思いますが、アイアンの飛距離が伸びれば、長い距離でもアイアンを持つことが可能になります。

アイアンは、フェアウェイウッドに比べて方向性が出しやすいため、直接グリーンを狙いやすいクラブです。フェアウェイウッドで直接グリーンを狙って、左右に曲げてしまったり、思った以上の距離が出てしまうリスクも回避できます。

アイアンの飛距離を伸ばすことで、スコアメイクが今まで以上に楽に感じられるかもしれません。

そこで以下、アイアンの飛距離が伸びない理由と改善方法を4つ挙げていきます。

いっしょに見ていきましょう。

飛距離が伸びない理由と改善方法1:ダウンブローで打てていない

アマチュアゴルファーのアイアンが飛ばない理由のひとつ目は、ダウンブローができていない点にあります。

時々、「最近のアイアンは重心が低いから、レベルブロー(払い打ち)でもオッケー」と口にする方がいます。これは、ある意味正しいのですが、あまりレベルブローを意識し過ぎると、スイング中のクラブの最下点がボールの手前に来てしまい、ダフってしまうリスクがあります。

この「最下点」が重要で、アイアンのスイングにおいて、以前、アメリカで行われた調査によると、同じようにスイングしているように見えても、アマチュアゴルファーとプロゴルファーでは、最下点に大きな違いがあったという結果が出ています。

アマチュアゴルファーは、ボールの2〜3センチ手前に最下点が来ているのに対して、PGAのトッププレーヤーの最下点は、なんとボールの10センチ先。

これはどういうことかと言うと、ボールの手前に最下点が来ていればいるほど、スイングにすくい打ちの傾向が見られる、ということです。

ボールが上がらなくて、無意識にすくい打ちになってしまっている人もいるかもしれません。または、スイング軌道がV字を描いていることもあります。

練習場のマットからは“上手く打てている”ように感じるのですが、コースではダフってばかりという人に多い症状です。

反対に、ボールの10センチ先に最下点を持ってきているPGAのトッププレーヤーは、緩やかなダウンブローでスイングをしているということになります。彼らのスイング軌道は、V字ではなく、U字を描いています。

だから彼らのアイアンショットでは、ボールがあった場所よりも先のターフが取れるのです。

また、ボールの最下点がボールの先に来るということは、アドレスで構えていたロフトよりも、インパクトのときはロフトが立つということになります。ロフトが立つことで、飛距離が伸びると言えます。

アマチュアゴルファーは反対に、アドレス時よりもロフトを寝かせて打っていることが多いため、フェースが開いてスライスしてしまったり、ボールが高く上がってしまって飛距離が出なかったりしています。

いきなりクラブの最下点がボールの少し先になるようにスイングせよと言っても上手くいかないと思いますので、まずは、アドレスしたときのボールの右頬を思い切り横から叩くイメージでクラブを振ってみましょう。

自然とインパクトの直後にクラブヘッドが地面に接して、緩やかなダウンブローを体感することができると思います。

飛距離が伸びない理由と改善方法2:ヘッドが先に出てしまっている

アマチュアのアイアンが飛ばない理由のふたつ目は、ヘッドが先行していることがあります。

ヘッドが先行するとは、インパクトの前に左手首のコックが維持できずに(リリースされて)折れてしまい、すくい打ちのようなスイングになることです。こうなるとアイアンのロフトが寝てしまい、弱々しくボールが高く上がるばかりで飛距離が落ちてしまいます。

アイアンでは、この打ち方ではミスショットになってしまいます。

同じ打ち方をしても、ティーアップされているドライバーでは、ナイスショットになってしまうこともあるので、アイアンでのスイングのミスに気がつきにくいことがあるかもしれません。

インパクトでは、ヘッドを先行させるのではなく、適度なハンドファーストを意識することが大切です。

ハンドファーストの状態とは、手元が通常に構えたときよりも、目標方向側にあることです。

インパクトでハンドファーストを迎えるためには、そのスイングをするときのアドレスの手元を、ハンドファーストに構えることで、再現しやすくなります。

・左手が左太ももの内側
・グリップエンドが足の付け根
・右手はちょうど股間のあたり

アドレス時、この3点に手元がくることを意識することで、ハンドファーストなインパクトを迎えることができます。

また、腰の回転を意識することで手元が先行し、ハンドファーストも実現しやすくなります。

ハンドファーストのインパクトを迎えることができれば、手元がヘッドよりも目標方向へ先行しますので、ロフトが立ち、正しいスイング軌道になり、ミート率の向上にもつながっていきます。

ただし、過度なハンドファーストは、打ち込み過ぎて、飛距離をロスしてしまう可能性も。練習をしながら、最適なハンドファーストの感覚を得ることが大切です。

・強いボールが出るようになった
・飛距離が伸びた
・ダフりやトップなどのミスが減った

今までと同じように打っているのに、このような実感を得ることができれば、「ハンドファーストで打てている」と判断していいでしょう。

複数人で練習場を訪れ、練習場で隣り合う打席が借りられれば、正面からスマホなどでスローの動画を撮って確認してみてもいいでしょう。

飛距離が伸びない理由と改善方法3:そもそもアドレスが違う?

アマチュアのアイアンが飛ばない理由の3つ目として、そもそもアドレスが間違っている可能性があります。

アイアンは、番手ごとにシャフトの長さが違ってきます。小さい番号ほど長く、番号が増えていくにつれて、シャフトは短くなります。

長さの違うアイアンを、同じアドレスで打っていては、ダフリやトップなどのミスが生じてしまいます。

特に気をつけてほしいのは、スタンスの幅です。

スタンスの幅は、広いほうがいいか、狭いほうがいいか、どちらがいいのでしょうか?

「広いほうがどっしり構えられる!」と思う人もいるかもしれません。また、そう思っていなくても、実際のラウンドではいつの間にかスタンス幅が広くなっている人もいます。

しかし、直立して足を閉じたまま体を捻転した場合と、足を思い切り開いて体を捻転した場合では、どちらが捻転しやすいですか?

アイアンは、番手によってスタンスが変わってくるため、それぞれのクラブに適したスタンスを常にしなければなりません。

もしそれよりも広くなってしまった場合、体の捻転がスムーズにできなくなってしまう可能性があります。そうなると、ボールに十分なパワーを伝えられなくなってしまい、ショットの安定性がなくなります。

アイアンの正しいスタンス幅とは、アドレスを取ったときに、「フルスイングできるうちの一番狭い幅」であると言えます。適正なスタンスでアドレスし、しっかりと骨盤から前傾することで十分な捻転ができれば、満足のいく飛距離が得られることでしょう。

また、アドレスではボールの位置を確認することも重要です。

ドライバー以外のクラブは、地面に置いてある状態のボールを打つため、最下点より手前でインパクトを迎える必要があります。

そのため、アドレスをするときには、どれくらい最下点の手前でインパクトを迎えるかの考え方が必要になります。その最下点とは、正しいスイングした場合、だいたい左脇から左肩の下に収まります。

そのあたりで最下点を迎えた場合に、その手前のどの位置でボールをインパクトしたいかを考えて、アドレスでのボールの位置を決めてみましょう。

アイアンで飛距離が思うように出ない、ダフリやすい、などの症状がある人は、ボール半個から1個分くらいボールを右に置いて打ってみると改善されることもあります。

飛距離が伸びない理由と改善方法4:体重移動を確認

アマチュアゴルファーのアイアンが飛ばない理由の4つ目は、体重移動にあります。

ゴルフスイングには体重移動が必要と思われるかもしれませんが、実は、アイアンはドライバーほど大きな体重移動を必要としません。

むしろ、ドライバーのようにしっかりと意識的に体重移動をしてしまうことで、重心がブレてしまい、ショットが安定しなくなります。

しかし、体重をしっかり左に乗せることで、スイングの最下点がボールよりも左へ移動し、ハンドファーストやダウンブローが実現するのです。

ただ、体重移動を意識し過ぎるとスウェーのミスが発生してしまうこともあります。そこで、そんな場合は体重移動ではなく、肩をしっかり回すことを意識しましょう。

下半身をしっかりと踏ん張り、肩をしっかり回すことで、上半身が雑巾を絞ったようにギュッと捻じれ、トップで大きなパワーを溜めることができます。

肩の回転が足りなければ、テークバックで右足に体重も乗りませんし、足りない捻転の分を補おうと、無意識に腕の力を使ってクラブを上げてしまう可能性があります。

体の回転ではなく、腕の力を使ってクラブを上げてしまうことで、スイング軌道がブレたり、オーバースイングにつながってクロスシャフトになったりしてしまうことで、ミスショットが出てしまうかもしれません。

当たり前ですが、ゴルフは、野球などのように、ボールがこちらを目掛けて飛んでくるものではなく、地面に止まっているボールを打つスポーツです。

捻転により溜めたパワーを使ってボールをインパクトしなければ、なんのクラブで打っても、ボールを大きく飛ばすことはできません。

肩を十分に回転させるためには、アドレスでスタンス幅を広くし過ぎず、捻転しやすい幅を見極ることが大切です。

体が硬い人は必然的に体の捻転がしづらくなりますので、毎日ストレッチを取り入れるなど、柔軟性をアップさせるように工夫してみるのも良いでしょう。

特に、肩甲骨の柔らかさが重要です!

日課として肩回しをしてみるのもいいですし、座りながらでもできるストレッチなどもありますので、無理のない範囲で取り入れてみることで、捻転が深くなり、飛距離アップにつながります。

また、前述しましたが、腰を意識的に切ることでも十分な体重移動が発生して重心が左側に移動してロフトの立った、ハンドファーストインパクトが実現します。

さらにアイアンの飛距離を伸ばす方法はコレだ!

上記の基本的な打ち方やスタンスの取り方のほかに、飛距離を伸ばす方法として、「筋力アップをすること」があります。

なぜゴルフで筋力アップなのかというと、筋力をアップすることは、ヘッドスピードアップにつながり、飛距離アップにつながるからです。

筋力アップは、打ち方を変えるように、「やろう」と思ってできるものではありません。また、ゴルフの練習のときだけではなく、日々の積み重ねが大切です。

全身の筋肉を鍛えることが一番理想的ですが、ゴルフのスイングで特に重要な筋肉は、「背筋」「体幹」「下半身の筋肉」です。

なにかの動作をするときに、この3つの部分の筋肉は大いに関わりを持っていますし、人体の70%の筋肉がこれらとも言われています。

筋肉を付け過ぎると、体が回りにくくなり、捻転ができなくなるのでは? と疑問に思う人もいるかもしれません。また、女性で、ムキムキになってしまうと眉をひそめる人もいるかもしれません。

しかし、常に体を鍛えているボディビルダーやアスリートでもなければ、日常のトレーニングで、そこまでの筋肉は付きません。

飛距離アップに必要なのは、太くて柔軟性のある筋肉、と覚えておいてください。

筋肉をつけるためには、日々の地道な筋トレを継続して行うことです。朝起きたとき、寝る前など、一日の中で時間を決めて行うと、習慣化しやすいでしょう。

また、トレーニングは毎日行うのではなく、ひとつの部位につき、トレーニングをしてから1日〜2日の時間を空けるようにしましょう。トレーニングを行うことで、筋繊維はわずかに裂傷を負います。一定の回復期間を置くことで、その裂傷した筋繊維は、前よりも強く・太くなって回復します。

この生体反応を「超回復」と呼び、トレーニングと超回復を繰り返すことで、筋肉を大きくしていきます。

トレーニングを行う上で、様々な器具がありますが、「自重トレーニング」であれば、費用もかからず効果的です。

仰向けに寝転び、膝を立てます。息を吐きながら、お尻を持ち上げ、そのままキープすることで、背筋のトレーニングになります。

「フロントブリッジ(プランク)」と呼ばれる、うつ伏せに寝転び肘を立て、つま先を立てて背中がまっすぐになるようにキープするトレーニングで、体幹を鍛えることができます。

また、スクワットによって、下半身を鍛えることができます。

すべて、回数を多くするよりは、動きをゆっくりと、呼吸を意識しながら行うことが大切です。

これらのトレーニングは、アイアンはもちろん、ドライバーの飛距離アップにも役立ちます。

アイアンは役割を踏まえて使うことが大切

アイアンの飛距離にこだわって話を進めてきましたが、アイアンの役割は、「ボールをグリーンに運ぶ」というものです。

アイアンで素晴らしい飛距離を記録できたとしても、10球打って1球だけの飛距離では、一発勝負の本番では使い物になりません。

「何番アイアンでこの飛距離」という、番手ごとの飛距離をパッと答えられるくらいの基準を自分の中で作り、その飛距離を確実に打てるように練習していきましょう。

飛距離アップしたときも、それは同じです。グリーンをボールに乗せるために、また、いいライからアプローチを打つために、アイアンショットの飛距離を安定的に出す必要があります。

ゴルフは飛距離を競う競技ではありませんし、この番手で届かないと思えば、番手を上げて打てばいいだけの話なのです。

ライバルが7番アイアンで150ヤード飛ばしたから、自分は8番アイアンで同じだけ飛ばしたい、と燃える必要はないのです。

飛距離を求めたいという気持ちはとてもわかりますが、なぜアイアンの飛距離を伸ばしたいのか? アイアンの役割を今一度見直して、練習するようにしましょう。

まとめ

アイアンは、ボールをグリーン上に乗せたり、いいアプローチを打つためにライのいい場所にボールを運ぶ役割を持つクラブですが、そのためには飛距離も必要となります。

プロのような力強いスイングをイメージしてショットをしたとしても、いざ自分のスイングを見てみると、思った通りの飛距離が出ていないこともしばしば。

アイアンで飛距離が出ない理由は主に4つあり、それぞれに改善方法があります。自分のアイアンが飛ばない原因は何が関係しているのかを考え、それに沿って改善していくのが最善です。

イメージと自分がしているスイングが、大き乖離してしまっている人もいますので、人にアドバイスを求めたり、スマホのカメラ機能を使って動画撮影をしたりすることで、第三者の視点で自分を見ることができるため、おすすめです。

アイアンの飛距離を安定的に伸ばして、スコアアップを目指していきましょう!
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著者プロフィール

『ゴルフの楽しさをすべての人に』をコンセプトにしたゴルフ情報サイト。 ビギナーゴルファーにも読みやすいマナーやルールの記事や女性ゴルファーに向けたレッスン記事など幅広い情報を発信中。

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