【トレイルランニングシューズレビュー】ALTRA「MONT BLANC BOA(モンブラン ボア)」

トレイルランナー JP

【写真提供:トレイルランナーJP】

「自然な走り方」を実現させるためのゼロドロップシューズというブレないコンセプトでシューズ作り続けているALTRA(アルトラ)。今回紹介するのはロングディスタンス向けトレイルランニングシューズとして評価が高い「MONT BLANC(モンブラン)」をベースにしながら、アッパーに「BOA®フィットシステム」を搭載した「MONT BLANC BOA(モンブラン ボア)」です。

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「BOA®フィットシステム」搭載、緻密なフィットがパフォーマンスを押し上げる万能トレイルシューズ

ソールシステムは「MONT BLANC」と同様で、スタックハイトはフォアフット、ヒール共に30mm。ドロップは0mmです。ミッドソールにはソフトな感触でありながらエネルギーリターンもしっかりと感じられるAltra EGO™ MAX。アウトソールにはベースの厚みを抑えて軽量化を図ったVibramのライトベースを採用、ラグの高さは3mmと控えめですが、小ぶりで食いつきやすい形状多方向ラグなのでしっかりとグリップしてくれます。重量は「MONT BLANC」より37g増の317gとなっています。

タンはなく、足をラップする構造が「BOAフィットシステム」の性能を最大限に引き出す。 【写真提供:トレイルランナーJP】

それでは注目のアッパーを見ていきます。甲の部分にタンを配置したスタンダードな構造と違い、「MONT BLANC BOA」はタンがなく甲全体を左右から巻き込むような構造になっています。インサイドからオーバーラップする部分が二重になっていて、二つのダイヤルでテンションをかけていきます。

ダイヤルを二つ装備するアッパー。 【写真提供:トレイルランナーJP】

ヒールから甲にかけて包み込んでヒールをロック。 【写真提供:トレイルランナーJP】

操作はダイヤルを押し込んだ状態から、右足は時計回り、左足は反時計回りに締めていきます。ダイヤルを引き上げればリリースされます。シューレースには優れた強度を誇るダイニーマを使用しています。

ダイヤルを回していくと「カチッ」と音がして一段締まっていくごとに、確実に、足に巻きつくようにフィットしていきます。きつく締め過ぎた場合は一度ダイヤルを引き上げて緩めてから、再度ダイヤルを押し込んで回していきます。よく締まるので最初は適正なテンションを見つけるのに時間がかかるかもしれませんが、走りながら調整して感覚をつかんでしまえば、調整はあっという間に終わります。

ラッピングするベルトは2層構造 【写真提供:トレイルランナーJP】

一般的なシューレースと比べると、比べ物にならないほど緻密にフィット感を調整することができ、そしてそのフィット感が長く続くことに驚きました。

足型にもよると思いますが、個人的な感想としては上のダイヤルはしっかりしめてかかとのロックダウンをキープしておき、前のダイヤルは状況によってテンションの強弱をつけるのがいいと思いました。

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フィットの向上は当然パフォーマンスを引き上げることにもつながります。足との一体感が高まったことで、ソールは厚いのに足裏感覚が向上したかのように思えるほど接地の瞬間の路面状況を把握することができます。

着地時のシューズ内での足の微妙なずれも減り、蹴り出し出のパワー伝達も向上していると感じました。結果としてエネルギーのロスが減り正確で疲れにくい走りができました。

「BOAフィットシステム」を採用することで、より魅力が増した「MONT BLANC BOA」。ぜひ試していただきたいシューズです。

Athlete review

矢田夕子 1984年 北海道出身。2002年 室蘭大谷高等学校(現在 大谷室蘭高等学校)卒業。同年 松下通信工業株式会社入社(現在 パナソニック株式会社)女子陸上競技部所属。怪我ばかりで走れなかった実業団での経験を生かそうと思い、2007年引退後すぐに神奈川衛生学園に進み、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師に。走る目的、目標は十人十色。怪我なく楽しんで目的、目標を果たして欲しいという思いで治療しています。 【写真提供:ALTRA】

ーー「MONT BLANC BOA」の特徴や強みなどを教えてください。

スタックハイトが高い分類ではあるが、それを思わせない軽さがあり、疲労感の感じにくいシューズと言えると思います。また、Altra EGO™ MAXのミッドソールで反発性もクッション性もありVibramライトベースのアウトソールで滑りにくいので、どんなトレイルシーンにもマッチするのが強みだと思います。

ーーどんな場面で履きたいシューズですか?

どんなトレイルシーンにもマッチするので、私はショートレースでもロングレースでも履きたい1足です。ショートレースでは使用しましたが、スピードが出やすく、後半も疲労感を感じにくかったです。

ーー「BOAフィットシステム」はどんなフィーリングですか?

「MONT BLANC BOA」は“足と一体”というのがピッタリな表現だと感じます。前足部、中足部にBOAがついており、足を包み込むようにフィット出来るので、一体になっている感覚になります。そのためトレイルを歩いている時も走っている時も安定して動けます。

ーー「BOAフィットシステム」にはどんなメリットがありますか?

ダイヤルによってすぐにフィットするので、トレイル上でも調整がきくのがメリットです。長く動くと足が浮腫んできますが、その際、紐を外すことなく調整が出来るのがとても楽です。

ーー「BOAフィットシステム」のより良い使い方、フィット感を得るためのコツなどがあれば教えてください。

座っている時よりも立っているほうが足は広がるので、かかとをしっかりフィットさせ、立ったままダイヤルを回した方がフィット感が増します。

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Athlete review

西城克俊 1974年4月 北海道生まれ 岩手県育ち。筑波大学大学院体育研究科修了(コーチ学)。patagonia Trail running Team 所属。アルトラJAPANサポートランナー。大学で競技を続けた後、スポーツの世界で将来活動したいと考え、筑波大学大学院へ進学。大学院修了後、ニッポンランナーズで金哲彦氏に師事し、市民ランナーのコーチングのイロハを学ぶ。その後、数々のコーチ活動を経て、2010年、思いを共有する仲間と一緒にRunField 設立。また、大学非常勤講師として研究活動も継続中。経験だけに頼らず、専門知識を組み合わせ一人ひとりの個性に合ったランニングアドバイスを心がけている。 【写真提供:ALTRA】

ーー「MONT BLANC BOA」の特徴や強みなどを教えてください。

シューレースではできない細かい調整が簡単にできる。これまでシューズを脱いで調整していたことを、シューズを脱がなくとも調整できる。トレイルのアップダウンで、下りでつま先部分が動かないように、「グッと」締め、通常
では、足の締め付けを緩くし、自分の走りやすいフィーリングに調整できる。

ーーどんな場面で履きたいシューズですか?

さまざまな場面で履きたい。絞るとなると、やはり、チャレンジするという意味での走りをするレースで履きたいシューズだと考えます。

ーー「BOAフィットシステム」はどんなフィーリングですか?

BOAで微調整ができるので、シューズがより足にフィットした印象。走った時もシューズを履いていないような感触を得た。シューレースは、全体的に締まってしまうが、足の形に合わせて、フィット感を調整できる。

ーー「BOAフィットシステム」にはどんなメリットがありますか?

モンブランのBOAフィットシステムは2つに分かれているため、つま先部分と甲の部分で、自分の足に合わせたフィットを生み出してくれる。

ーー「BOAフィットシステム」のより良い使い方、フィット感を得るためのコツなどがあれば教えてください。

どんな場面でも使えると思うが、よりいい使い方としては、ロングトレイルを走る、アップダウンの激しいトレイルを走るなど、足の状況が変わる可能性の高い場面で使うと、いいかと思う。特にロングトレイルの場合、人によっては、後半足が浮腫んでしまうこともあると思うので、そんな時はそれに合わせたフィーリングを生み出すことができると思う。シューズと一緒に使う可能性のあるソックスと一緒に、さまざまな場面、さまざまな距離で使って、どういう感触になるか確認し、自分なりのフィット感の生み出し方を試してみてほしい。

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SPEC

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MONT BLANC BOA
(モンブラン ボア)
・価格:¥27,500(税込)
・サイズ:MENS 25.0-30.0cm WOMENS 22.5-26.0cm
・カラー:MAROON BELLS
・重量:317g(Mens US10.5 / 28.5cm) 264g(Womens US8.5 / 25.5cm)
・スタックハイト:30mm
・ドロップ:0mm
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著者プロフィール

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