連載:今年はオリと共に「特別な夏」

防御率1.75、オリックス山岡「昨年の優勝でチームが変わった」

ライトハウス

夏の陣をきっかけに球場に来てほしい

――8月は恒例の「夏の陣」が開催されます。昨年、一昨年は登板がありませんでしたが、どんな思い出がありますか?

 あまり夏の陣で投げた印象がないのですが、僕は投げていますか?

――2019年の日本ハム戦で勝ち投手になっています。

 2019年は真っ黒のユニフォームの時ですか。印象としてはユニフォームのイメージが大きいですね。

――特別ユニフォームはファンには楽しみなものですが、選手としては気分が変わるものですか?

 ファンの方が喜んでくれるのは僕らとしても非常に嬉しいです。僕らの場合は着てしまったら普段と変わりませんが、いつもと違うユニフォームを見ると新鮮ですし、良いなと思います。

――こうしたイベントに対してはどんな印象をお持ちですか?

 選手の立場としてはシーズンの中の1試合に変わりないですけど、ファンの方の立場で考えると、こうしたイベントは楽しんでもらえると思いますし、イベントをきっかけに初めて球場に来るという方もいると思うので、どんどんやったほうが良いなと思っています。少しでも野球を好きになってもらえる環境ができると良いですよね。

――今年の特別ユニフォームを見た印象は?

 例年よりは落ち着いているというか、少し大人っぽい印象があります。カーキ色で今までにない印象を持っています。

――夏場は疲労が溜まってくる時期だと思いますが、夏の戦いを乗り越えるために心がけていることはありますか?

 暑いのは好きではないですけど、夏という季節は好きなんですよね。夏は体が冷たいものを欲しがったり、あまり動きたくなかったりという状況が絶対に出てきますが、それをいかに我慢できるか。暑さに慣れていく環境をつくっていくことを心がけています。

――山岡投手は夏の陣の舞台である京セラドームで好成績を残しています。京セラドームのマウンドでの投げやすさみたいなものは、ご自身ではどう考えていますか?

 ホームだから練習している数も違いますし、マウンドの投げやすさは絶対にあると思います。ファンの方もビジターより全然多いのでそういった違いもあります。最初にマウンドに上がれるというのも気持ち的に違うかもしれないですね。

――首位とのゲーム差は大きくないので、夏の陣をきっかけに上がっていきたいところです。優勝に向けてのポイントはどんなところになるでしょうか?

 やはり今は離されないことだと思います。1試合、1試合絶対に勝ちにいかないといけませんし、チームとしては耐え時という部分と、一気にいきたいという気持ちもあります。そのあたりはチーム全員で一丸となって、1試合、1試合集中していくことが大事だと思います。

――昨年優勝しているというチームとしての強みは感じますか?

 それはあります。昨年までのシーズンではこの時期に4位や5位だと、3位になるのも厳しいかなという雰囲気が少なからずあったと思います。でも、優勝を経験したことで、自分たちもそこにいけるというのが頭の中にあるので、これまでとは全然違う気持ちがあります。そういう意味でチームは変わっていると思うし、4.5ゲーム差(取材時)なら、全然射程圏内だと思います。

――では残りのシーズンに向けての目標をお願いします。

 チームとして後半はしっかり勝っていって、上位に食い込んでいきたいです。絶対に優勝を狙っていけるところにいる思うので、優勝を目指して気を抜かずにやっていきたいです。個人としては残り半分、ケガをせずにチームに貢献できるように投げていきたいと思います。

――自己最多の13勝、あるいは防御率のタイトルなど、個人的な成績への欲は?

 それはまったくないです。チームが勝つことを最優先に考えたいです。もちろん、タイトルを獲れたら嬉しいですけど、意識して狙うということはありません。チームが勝っていって、優勝できれば自ずと結果はついてくると思います。チームが優勝したうえで、10勝だったり、タイトルだったりが獲れたら良いですけどね。

――では最後に夏の陣に来場するファンの方へメッセージをお願いします。

 もちろん、どこの球場でも見に来てほしいですが、京セラドームで一つでも多くの勝利を見せられるように投げてきたいと思っています。勝っていくことでファンの方が増えてくれると嬉しいので、そうなるようなピッチングをしていきたいです。

7月20日にオンラインにて取材 【スポーツナビ】

山岡泰輔(やまおか・たいすけ)

1995年9月22日生まれ。瀬戸内高-東京ガスを経て2016年のドラフト1位でオリックス・バファローズに入団。ルーキーイヤーからローテーションを守り8勝を記録した。2019年には自己最多の13勝をマークし、パ・リーグ最高勝率のタイトルを獲得。同年のWBSCプレミア12の日本代表にも選出された。2022年シーズン前半は6勝5敗、防御率1.75の好成績でオールスターゲームにも出場。

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