上半期を締めくくる宝塚記念を分析する
【2021/6/27 阪神11R 宝塚記念(G1) 1着 7番 クロノジェネシス(1番人気)】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
なお、3連単の配当は過去10年のうち4回が18万円以上。2015年6→10→11番人気52万馬券、2018年7→10→12番人気49万馬券と人気馬総崩れの年もある。その他は1万円以上3万円未満が5回、7万円台が1回となっている。.
年齢別、性別成績
■表2 【年齢別、性別成績】
枠番別成績
■表3 【枠番別成績】
前走クラス、主な前走レース別成績
■表4 【前走クラス、主な前走レース別成績】
その大阪杯+ヴィクトリアMをさらに上回る複勝率を記録しているのが前走海外組。日本調教馬ではドバイシーマクラシックとクイーンエリザベス2世Cから好走馬が出ており、この2レースの合計は【2.2.2.10】複勝率37.5%だ。
前走天皇賞(春)からの好走馬
■表5 【前走天皇賞(春)からの好走馬】
また、この組の芝2200〜2400mにおける重賞成績を調べると、好走馬9頭中7頭にG2以上で優勝した実績があった。残る2頭、2015年のデニムアンドルビーと20年のキセキはジャパンCで2着。天皇賞(春)の芝3200mから大幅な距離短縮となるため、この芝2200〜2400mでG1連対かG2優勝くらいの実績は欲しい。
前走その他国内G1からの好走馬
■表6 【前走その他国内G1からの好走馬】
前走海外からの好走馬(外国調教馬除く)
■表7 【前走海外からの好走馬(外国調教馬除く)】
前走国内G2・G3からの好走馬
■表8 【前走国内G2・G3からの好走馬】
【結論】
今年の宝塚記念は、天皇賞(春)組(表5)や海外組(表7)に好走条件をすんなりクリアする馬が見当たらないため、天皇賞(春)以外の国内G1組(表6)が中心になる。
該当馬のうちG1優勝実績を持つのはエフフォーリア、デアリングタクト、ポタジェの3頭。中では5歳牝馬(表2)のデアリングタクトに目がいくが、前走ヴィクトリアM組は複勝率こそ高くても連対馬が出ていない点は気がかりだ(表4、6)。大阪杯組のポタジェは好成績の5歳馬(表2)である一方、人気面で3〜5番人気になってしまうとやや狙いづらい(表1)。そして減点材料はないが強調できるほどでもないのが、大阪杯組の4歳で1〜2番人気が予想されるエフフォーリア。3頭甲乙つけがたい印象で、最終的な判断は枠(表3)や当日の人気も踏まえて下したい。3連単の組み合わせで1〜2万円台か18万円以上(表1本文)になるところに組み入れる、という手もあるだろう。
穴で注目したいのは前走・鳴尾記念で4着のギベオンだ。10番人気だった昨年の金鯱賞でデアリングタクト(2着)やポタジェ(3着)を下して優勝し、表8の「芝2000〜2200mのG2以上優勝」という条件はクリア。連覇がかかった本年の金鯱賞(2走前)は12番人気5着という結果だったが、4着のポタジェとはクビ差だった。まったく人気はなさそうなだけに、7歳という年齢(表2)には目をつむって狙う価値はある。その他、好成績の5歳馬で減点材料が少ない馬としてはオーソリティ、ディープボンドあたりが挙げられる。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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