野球によるケガを防ぐには?

ココカラネクスト

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 野球には特有の『ひねる・ねじる』といった動きがあります。

ケガを防ぐには、野球で必要な体の動きを最大限出し、ケガの予防や改善、パフォーマンスアップを目的した治療(ケア)・ストレッチ・トレーニングを総合的に組み合わせて行う必要があります。

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野球によるケガは多くありますが、中でも多いのが『野球肩』・『野球肘』というケガです。

名前を聞いた事がある方も多いと思います。

ですが、その症状や原因は多岐にわたります。

そもそも『野球肩』とは野球の投球動作などのオーバーヘッドスローイング動作で損傷するものの総称です。『野球肘』も同様に総称です。

野球の他にもテニス、バレーボール、ハンドボール、やり投げ、水球、水泳(クロール、バタフライ)などでも発症します。

『野球肩』・『野球肘』と一言で言っても数多くあります。

下に一覧で症状名だけを記載します。

『野球肩』や『野球肘』という症状は一つではないんだと理解をして頂けると幸いです。

『野球肩』
「インピンジメント症候群」
「腱板損傷」
「上腕骨骨端線離開」
「動揺性肩関節症」
「肩甲上神経損傷」…

『野球肘』
◯内側に痛みがでる症状として
「上腕骨内側上顆障害」
「上腕骨内側上顆裂離」
「上腕骨内側上顆骨端線閉鎖不全」
「上腕骨内側上顆骨端線離開」
「内側側副靱帯損傷」
「回内屈筋群障害」
「尺骨神経障害」…

◯外側に痛みがでる
「離断性骨軟骨炎」(上腕骨小頭障害)
「滑膜ひだ障害」…

◯後方に痛みがでる
「肘頭骨端線閉鎖不全」
「肘頭疲労骨折」
「肘頭骨棘骨折」
「後方インピンジメント」…

◯その他に
「関節内遊離体」(関節ねずみ)
「変形性肘関節症」
「胸郭出口症候群」…など

『野球肩』・『野球肘』は小・中学生〜成人までと年齢層は幅広く発症します。

原因としては、

・過度な投球動作
・肩関節、肋骨、肩甲骨、骨盤、股関節などの柔軟性不足
・肩関節や肩甲骨周囲の筋力不足
・不良なフォーム…など

ですが多くの場合が未然に防ぐことが出来るのもまた事実です。

「正解は人によって違うが、間違いは共通する」

と私は考えます。
「絶対これが正解」というものは無く、良い練習やフォーム等は人によって違います。

ですが、怪我を引き起こす原因となり得る事は共通します。

前述した『野球肩』『野球肘』の原因は、不足している事は補えますし、過度な事は制限が出来ます。

でも実はそれが一番難しい事なのかもしれません。

チーム内での競争が激しく練習・試合を休めない、ストレッチやトレーニングはやれば良いのは分かるが、何をどうすれば?何から始めればいいか分からない…など。

色々な理由で出来ていない方が多いですが、同様にそれを続けると最終的にどうなるかまで細かくイメージ出来ていない方も多いです。

怪我をする原因となる、

・肩関節、肋骨、肩甲骨、骨盤、股関節などの柔軟性不足

肩関節や股関節の柔軟性のチェックの仕方からご紹介します。

前腕の柔軟性チェック1

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手のひらが上で手首を手前に引きます。

◯良い状態は肘が伸びていて、
×悪い状態は肘が曲がってしまいます。

前腕の柔軟性チェック2

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手の甲が上で手首を手前に引きます。

◯良い状態は肘が伸びていて、
×悪い状態は肘が曲がってしまいます。

腕の柔軟性チェック1

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手のひらを上にして小指側が上になる様に捻ります。

◯良い状態は肘が伸びていて、
×悪い状態は肘が曲がってしまいます。

肩関節の柔軟性チェック1

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「前ならえ」の状態から親指を下に向けるように腕を捻ります。

◯良い状態は左右同じようになり、
×悪い方は上手く捻る事が出来ません。

肩関節の柔軟性チェック2

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上向きで寝て、肘関節を90度の状態から床に近づけていきます。

◯良い状態は左右同じ、
×悪い方は曲がりません。

肩関節の柔軟性チェック3

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うつ伏せの状態で両手を腰に置き、自然体で力を抜きます。

◯良い状態は図の様に左右差はなく、
×悪い方は床から浮いてしまいます。

肩関節の柔軟性チェック4

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反対側の肩に手を置き、肩から手を離さない様に肘を上に上げていきます。

◯良い状態は図の様に上がり、
×悪い状態は上がりません。

肩関節の柔軟性チェック5

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両肘をくっつけた状態から離さないように、そのまま上に上げていきます。

◯良い状態は肘が鼻の位置より上にいき、
×悪い状態は途中で肘が離れます。

股関節の柔軟性チェック1

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力を抜いた状態で仰向けになります。

◯良い状態は図のように左右差はなく、
×悪い状態は左右差が出ます。

股関節の柔軟性チェック2

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うつ伏せで膝は90度に曲げた状態で、外側に足を開いていきます。

◯良い状態は図のように左右差はなく、
×悪い方は開きにくく、左右差が生まれる。

以上のチェックで体の現状を知りましょう。

左右差が出過ぎている場合は注意が必要です。

肩関節、前腕、股関節の柔軟性をチェックしましたが、これからチェックした部位の負担を減らすストレッチを紹介します。

体幹の回旋ストレッチ

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1. 図のように座り、胸の前に両手をつけたまま左右(2〜3のよう)に捻ります。

体幹、股関節のストレッチ

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1. のように足を置きます。
2. そのまま捻るように倒すと左の横側がストレッチされます。
3. さらに手を前に出すようにすると、よりストレッチの効果が上がります。

股関節ストレッチ1
前後10回
左右10回
左右回旋5回ずつ
いくつかストレッチをご紹介しましたが、ほんの一部であり、人によって必要なストレッチは違います。

野球という競技で必要な「ひねる」「ねじる」という動きを最低限出す為には必要なストレッチですので、無理のない範囲で行って下さい。

先程もあった

「正解は人によって違うが、間違いは共通する」

その中で私が思う正解とは、まずはその人に合った『正しいフォーム』が出来ているかという事です。

昔と違い、今では世の中に色々な情報が溢れています。

ですが自分に合っている情報を見つけ、正しく活用出来ている方は少ないように思えます。
『正しいフォーム』と『良いフォーム』の違い

似たような言葉に感じます。

ですが同じ様で実は恐ろしいほど違います。

『正しいフォーム』とは・・・自分に合った動き

『良いフォーム』 とは・・・速い球、強い球が投げられる動き

一見『良いフォーム』の方が重要に思えます。

というより野球に限らず、どのスポーツにしても速い球を投げたり、早く強い動きが出来るようになるために練習します。

ですが同じ球数、同じ練習量を行なった場合にどちらの方が体にかかる負担が多いでしょうか?

結果は明らかです。

どれだけ速い球を投げても1イニングも投げられなければ意味がありません、ましてやその投球が原因でその後、長期間投げられなかったら?

学生の方を見ていると順番を間違えている方が多いと思います。

体が出来ていない状態でプロ野球選手のホームランバッターと同じ動きをしようとしても、それは自分に合っている正しい練習でしょうか?

その選手も、その動きが初めから出来たわけではないと思います。

体の負担が少なく、最大限力が発揮できる動作が理想です。

まずは自分に合った『正しいフォーム』を身につける為にも、先程ご紹介したストレッチが『出来る動きの選択肢を増やし』、『体の負担を減らす』事に繋がるのです。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。


宮埼 大佑
1989.9.21生まれ
平成27年に柔道整復師の国家資格を取得し、現在は福岡県北九州市の「やわらぎ鍼灸整骨院イオン黒崎」の院長として勤務する傍ら、

・プロ野球選手自主トレサポート
・大相撲宮城野部屋コンディション調整
・シンガーソングライターツアートレーナー帯同
・女優コンディション調整
・プロゴルフツアートレーナー帯同
・パラリンピック日本代表選手パーソナルトレーナー

などの活動を行う。
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著者プロフィール

日々快適に、そして各々が目指す結果に向けてサポートするマガジンとして、多くの方々の「ココロ」と「カラダ」のコンディショニングを整えるのに参考になる媒体(誌面&WEB)を目指していきます。

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