日本勢3人入賞、高木菜那が転倒のマススタート 勅使川原郁恵が「競技横断」の強化を提言

C-NAPS編集部

スピードスケートは「高木美帆の大会」に

スピードスケートにおいて日本勢を牽引したのは、間違いなくエースの高木美帆だった 【写真は共同】

 今大会のスピードスケートの総括としては、やはり高木美帆選手(日体大職)を抜きにしては語れませんね。日本がスピードスケートで獲得した5つのメダルのうち、4つは団体を含め高木美帆選手が獲得したものです。専門種目ではなかった500メートルでも銀メダルを獲得するなど、どの種目でもナンバーワンを目指せるオールマイティーな選手へと成長を遂げた印象があります。本人も自信をさらに深めたと思いますし、周囲も日本のエースの実力を再確認できた結果でしたね。

 高木美帆選手が充実した時を過ごせている要因としては、日本代表のヨハン・デビットヘッドコーチの存在が非常に大きいと思います。トレーニング方法の指導もメンタル面でのケアにおいても本当に素晴らしい仕事をしています。大会前に新型コロナウイルスで陽性になり、一時チームから離れていましたが、500メートルの試合前には復帰しました。高木美帆選手がリラックスして試合に臨めたのも、ヨハンヘッドコーチがそばにいたからこそだと思います。

 4年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けても、日本のスピードスケートの未来は明るいですね。絶対的なエースである高木美帆選手がいて、若手の選手たちもその背中を追うことでより成長できるはずです。目標とする世界のトップスケーターがナショナルチームにいて、一緒に切磋琢磨(せっさたくま)できるのは、最高の環境ではないでしょうか。次回のミラノ・コルティナダンペッツォ大会では、さらなる日本チームの躍進を期待しています。
 

勅使川原郁恵(てしがわらいくえ)

【写真:スポーツビズ】

1978年10月27日生まれ、岐阜県出身。中学2年で全日本選手権に総合優勝し、高校1年から5連覇を達成。また、世界ショートトラックジュニア選手権においては日本人として唯一、総合優勝を果たす。五輪には長野、ソルトレイク、トリノと3大会連続で出場し、個人・リレーで入賞するなど長く日本の中心選手として活躍した。引退後は、ショートトラックの解説・リポーターをはじめ、さまざまなスポーツに挑戦し、その分野で資格を取得。特にテレビ出演をきっかけにウォーキングでも認知度を高め、年間多数のイベントに出演する。現在は22もの資格を武器にヘルスケアスペシャリストとして幅広く活動中。

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著者プロフィール

ビジネスとユーザーを有意的な形で結びつける、“コンテキスト思考”のコンテンツマーケティングを提供するプロフェッショナル集団。“コンテンツ傾倒”によって情報が氾濫し、差別化不全が顕在化している昨今において、コンテンツの背景にあるストーリーやメッセージ、コンセプトを重視。前後関係や文脈を意味するコンテキストを意識したコンテンツの提供に本質的な価値を見いだしている。

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