連載:セ・パ名捕手が選ぶ! 2022年期待の若手選手たち

佐藤輝は30発が条件、巨人新55番も注目 谷繁元信が期待するセ・リーグ若手野手は?

小西亮(Full-Count)

森敬斗の遊撃奪取に期待「チームが安定する」

三浦大輔監督がどこまで我慢できるか。森敬斗の起用法が注目される 【写真は共同】

――阪神は佐藤輝、巨人は秋広と注目の若手を挙げていただきました。その点では、中日も有望株が多いチームでもあります。

 根尾(昂)と石川(昂弥)、この2人に尽きますね。今年はとにかく1軍に定着すること。ここ数年チームは同じメンバーでしか戦っていないので、野手の活性化のためにも、この2人がカギを握っているんじゃないかと思います。チーム全体としても、ここ数年で若い選手が増えたので、楽しみですよね。

――根尾は今シーズン、遊撃は封印して外野一本で勝負するようです。一発があるタイプではない。レギュラー奪取にはどんな姿を見せていくべきなのでしょうか?

 どういうバッターになりたいのかというのが、なかなか見えてこない面もあるように思います。自分がどうプロで生きていくのか。肩に関しては、外野の方が生かされるでしょうね。個人的には、アベレージヒッターになっていくのがいいんじゃないかと考えています。根尾が今年1年かけて大島洋平を(両翼に)追いやるような雰囲気が出てくるといいんじゃないかと思っています。

――最後は横浜DeNAです。佐野恵太や宮崎敏郎、牧秀悟、助っ人外国人ら強力打線は今シーズンも健在かなとも思いますが?

 ベイスターズの課題は、センターライン。キャッチャーはなかなか固定できない状況が続いていますが、二塁は昨年に牧があれだけやってくれた。今年もほぼ固定になるでしょう。そうなると、ショートに森(敬斗)が入ってくれればチームが安定してくる。元気があるし、体も強いと思う。

――まだ高卒3年目の19歳。ある程度、首脳陣が我慢して起用することも必要になってきそうです。

 どれだけ首脳陣が(許せる)幅を持っているかでしょうね。打率1割台だったり、1カ月に10個近くエラーしたりだと、さすがに目をつぶれない。ただ、昨年最下位から巻き返していく上で、なにがなんでもこの選手を主力にするという方針もあっていいと思う。今の時代は悪ければすぐ代えるという風潮もあるので、なかなかそういうワケにはいかないですけどね。もし、どんなことがあっても使うと決めた監督がいたとしたら、信念があるなぁと感じます。結果が求められる世界で、どう育てていくかも見ていきたいですね。
 

谷繁元信(たにしげ・もとのぶ)

1970年12月21日生まれ。広島県出身。島根県・江の川高校(現・石見智翠館)から、1988年にドラフト1位で横浜大洋ホエールズに入団。横浜ベイスターズが日本シリーズを制した1998年には、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、最優秀バッテリー賞を獲得。チームの快進撃に大いに貢献した。2002年より中日ドラゴンズに移籍し、2006年にWBC日本代表に選出。2014年シーズンから選手兼監督に就任し、2015年シーズンをもって現役引退を表明。中日ドラゴンズ監督は2016年まで務めた。通算3021試合出場、27シーズン連続安打、同本塁打を達成(いずれもNPB歴代最高)。ゴールデングラブ賞を6回、最優秀バッテリー賞を4回受賞。現在は、各種メディアにて評論活動を行っている。

(企画構成/株式会社スリーライト)

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著者プロフィール

1984年、福岡県出身。法大卒業後、中日新聞・中日スポーツでは、主に中日ドラゴンズやアマチュア野球などを担当。その後、LINE NEWSで編集者を務め、独自記事も制作。現在はFull-Count編集部に所属。同メディアはMLBやNPBから侍ジャパン、アマ野球、少年野球、女子野球まで幅広く野球の魅力を伝える野球専門のニュース&コラムサイト

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