トレイルラン初心者の練習方法について

アウトドアハッカー

【写真提供:アウトドアハッカー】

トレイルランニングにチャレンジしたくても、自分の走力や山の知識に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

確かに上位を狙うならそれなりのトレーニングも必要ですが、人それぞれいろんな楽しみ方を見つけられるのがトレイルランの素晴らしいところです。

実際、トレイルランニングは、ランニングに優れた人だけがチャレンジするスポーツではありません。陸上競技出身の方はもちろん、ハイキングやスキーのクロスカントリーからから転向された方など、いろいろな方がいます。

そこで本記事では、これからトレイルランニングを始めたいけど不安……という方へ、具体的な練習方法を解説します。

1. ランニング自体が初めての方の練習法

30〜60分くらいのウォーキングで長時間の運動に慣れる
最初は長時間、動き続けることに慣れましょう。ウォーキングなどで大丈夫です。ランニングしなくても構いません。

ウォーキングでも、長く歩くと結構疲れます。私自身、1日中歩き回ると、フルマラソンと同じかそれ以上疲れます。動き続けるというのは、それだけ体に負担がかかるのです。

ただ、いきなり長い時間を歩くのではなく、30〜60分からスタートしましょう。無理をしないことが大事です。

ランニングを少しずつ混ぜていく
60分くらいのウォーキングに慣れてきたら、徐々にランニングに移行しましょう。最終的には、ランニングのみにしていきます。

ただ、これだけの練習でトレイルランニングは難しいので、ある程度量がこなせてきたら、少しずつランニングのペースを上げていきましょう。

気分が乗らない日は休む、でも2日以上は開けない
疲れている時や気分が乗らない日は、思い切って休みましょう。かわりに早い時間に寝て、次の日の朝、早く起きて外をウォーキングすると良いです。

ただ、2日以上休むのは、さすがに良くないです。

また、ウォーキングもランニングもしたくなくなったら危険信号! 時間や距離を見直しましょう。

やりたくない理由を考え、ランニングのペースやコースを見直し、少しでも楽しくなるように工夫してみてください。

ランニングを始めたばかりの方が「続けるのがきつい」とおっしゃる時、よくよく話を聞くと、ペースが速いケースが多いように感じます。

2. ロードで10km以上のランニングが出来る方

このレベルの方は、トレイルランニングで40km近いレースを走れる実力があります。あとはトレイルランに特化した体を作っていきましょう。

不整地を走る
まずロードではなく不整地でのランニングをしてみましょう。
不整地とは、芝や地など舗装されていない路面のことです。ロードと違って路面が平らでないため、さまざまな角度で足が地に着きます。つまり、細かい筋肉が頻繁に動員されるということです。

踏ん張った時に地面からの反発も少ないので、脚筋力の向上が期待できます。また木の根やぬかるみを避けてベストな着地場を瞬時に判断する動作は、動体視力の向上にもつながります。特に動体視力は、トレイルランニングにおいてペース管理だけでなく、怪我などのトラブル防止にも重要な能力です。

不整地は、ご自宅近くの緑地公園や河川敷で十分です。ただ河川敷の場合、サイクリングロードではなく、その横の芝生を走ってください。上りがあればなお良いのですが、不整地だけでもトレイルランニングで必要な脚力は鍛えられます。

私自身、近くに山も坂もない環境に住んでいるので、近くの緑地公園で練習しています。結果、トレイルランのレースでも良い成績を収められているので、基礎練習として十分な効果が期待できると思います。

慣れてきたら仲間と山に入ってみる
不整地の練習に慣れてきたら、次に登山をしてみましょう。できるだけ軽い荷物で、山に慣れた友人と、いつでもエスケープできる里山へ入るのがおすすめです。

最初はゆっくり歩いて、落ちている石の動き方、落ち葉の下に隠れた凹凸など、登山道の特性をつかんでいきましょう。慣れてくると、次第に予測できるようになっていきます。

3. 定期的にフルマラソンに参加されている方

フルマラソン経験者なら、走力はトレイルランで上位を狙えるレベルにあります。

40kmでしたら思い切ってタイムを狙うレースもできますし、70kmくらいのレースなら、ペースを抑えれば終始楽しみながらレースを走れるでしょう。

未知の距離に不安があるかもしれませんが、そこまで心配はいりません。

というのも、トレイルランはロードより距離を短く感じます。私自身、最高の走行距離がフルマラソンだった時期に、70kmのトレイルランに出場しましたが、無事に完走できました。むしろフルマラソンの方がきついと感じました。

もちろんコースにもよりますが、林道や走りやすいトレイルの多いコースは、ロードで同じ距離を走るよりも短く感じます。

不整地で疾走区間とゆっくり走る区間を設ける
このレベルにある方は、不整地でのインターバルトレーニングから始めてみましょう。ロードより体の中心部の筋肉を多く動員するのが感じられると思います。また腕もしっかり振らないとスピードが乗りません。

足の蹴り出しが非常に難しいのも実感するでしょう。
ロードやトラックでは足を地面につく時、足を前後に蹴ることができますが、不整地ではそうはいきません。この練習がトレイルランに活用できる骨格筋をつくるのです。

インターバルは、細かなタイムを設定する必要はなく、そろそろ心肺に負荷がかかってきたなと思ったらゆっくりジョギングに切り替える程度でも十分です(これを一般的にファルトレクトレーニングといいます)。最初は無理のない範囲でやってみましょう。

トレイルに入って登山をしてみる
不整地でのインターバルトレーニングに慣れてきたら、今度は荷物を持ってトレイルに入ってみましょう。

最初から走れる人はそのままトレイルランに入っても問題ないですが、「この道を走るのか……」と不安な方は、歩く登山からスタートでも大丈夫です。

ただ、ロードと違って山でのランニングは高低差が激しい上、気温差も激しいので注意してください。夏場であっても、800〜1,000mの山なら、平地より涼しく感じます。

トレイルランのツールに慣れておく
また、このとき必ず、トレイルランの必携品をレースで使用するザックに入れて山へ行きましょう。ウェアもレースで使用するものを着用してください。

補給食やウェアなどは各自でベストのものに出会っておく必要があります。練習でいろんな補給食を試して、レース中に体調不良が発生しても食べられるものと出会っておきましょう。
ウェアは、自分に合った生地のウェアを手に入れ、練習で使ってその特性を把握しておきましょう。

シューズも、レースで使用予定のものを履いていき、トレイルを走ったときの相性を確かめておきましょう。
トレイルランニングシューズはロードシューズと違い、さまざまな形状があります。

・シューズの幅
・シューズの厚さ
・シューズ内で指がどれだけ自由に使えるか
・シューズのソールにプレートが入っているか

このあたりが自分に合うか、慎重に確認して選びましょう。トレイルラン中の豆のでき方や、足へのダメージに影響してきます。デザインも大事ですが、それ以上に機能性を重視しましょう。
また、練習ではザックとの相性も確認しておきたいところです。ランナーによってベストな荷重は変わってきます。ザック選びはそれを踏まえる必要があるので、ご注意ください。

山で実際に経験を積むのが一番の近道!

これまでの解説の流れで運動をしてみて、できるだけ早く山に入れるように目標設定してみましょう。それには、山に入る日やトレイルランニングのレースを先に入れてしまうというのもポイントです。後ろが決まれば、あとはやるべきことをこなしていくだけです。

臆することなくトレイルランにチャレンジしてみましょう!
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