スポーツ選手の「早生まれは不利」?!過去の五輪メダリスト、トップアスリートのデータから見る大事なこととは

ココカラネクスト

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スポーツ選手の「早生まれは不利」という、よく聞く話。本当なのだろうか。

 「早生まれ」=1月1日〜4月1日生まれの子。
 「遅生まれ」=4月2日〜12月31日生まれの子。

 プロ野球やJリーグは、1〜3月生まれの選手が極端に少ないことがデータで示されている。一方、五輪になると話は変わる。過去の統計で金メダリストの人数がもっとも多い誕生月は1月で、もっとも少ない4月の4倍以上だった。

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まず、日本のプロ野球選手から。2018年度の所属選手(外国籍以外)で誕生月を4カテゴリーに分けると、もっとも多かったのが4〜6月生まれで全体の31%(各月とも80人以上)。もっとも少ないのが1〜3月生まれで18%(各月とも60人未満)。プロサッカー選手(J1)、プロバスケ選手(B1)についてもほぼ同様のデータが出ており、早生まれの割合が圧倒的に少ない。

 日本でプロ化している3競技の共通点は、幼少期に学年別でくくられやすい団体スポーツであること。小学生の時に運動ができる子は4、5月生まれが多く、「早生まれ」は体格や運動能力で1年近い発達の差が顕著に出やすい。プロスポーツ選手にしたい親は、子作りのタイミングを「早生まれにしないように」「4〜5月に生まれるように」とこだわる人もいる。

 ところが、五輪に目を向けると意外なデータが浮かび上がる。日本の金メダリストは195人いるが、1月生まれが最多の27人。もっとも少ない4月は6人しかいない。3月生まれ19人、2月生まれ15人で、1〜3月生まれ(61人)が全体の31%ともっとも多い。もっとも少ない4〜6月の17%(計33人)と比べて約2倍。五輪に関しては「早生まれが有利」の逆転現象が起こる。

幼少期の心のサポートが大事

金メダルを量産してきた体操、柔道、競泳などは個人競技。地域クラブ、スクールや道場ではじめるケースが多く、学年に関係なく成長できる環境がある。たとえ遅咲きでも、諦めずに続けることで花開く例は多い。団体スポーツでは同学年との競争のなかで心が折られ、早生まれの子がドロップアウトする例が後を絶たない。悲しいのは、運動自体を嫌いになってやらなくなってしまうことだ。

 88年ソウル五輪の競泳100メートル背泳ぎ金メダリストの鈴木大地スポーツ庁長官は、将来ある子どもたちに向けて複数競技への挑戦をすすめる。

 「ある競技でダメだとしても、他競技ではチャンスがある。スポーツでは、どんどん浮気をしていい。自分に合ったスポーツを見つけたら、人生がバラ色になる」というメッセージを発信した鈴木長官も3月10日の早生まれ。幼少からひ弱だった体を鍛えるために始めたのが水泳だ。体操男子個人2大会連続金メダルの内村航平も1月20日の早生まれ。「体育は苦手」で病弱だったが、唯一好きだった体操だけは続けて、世界のトップに立った。

 大事なことは、とくに幼少期の心のサポート。学年の中で順位がつけられて自信をなくしたり、劣等感を持ってしまう可能性があるため、親や指導者は他の子と比較するのではなく、その子の成長度合いに目を向けることを心がけたい。学校の部活動ではなく、同級生と比較しないクラブ、スクールを選ぶのも1つ方法だ。

 早生まれであることにコンプレックスを抱く親もいるが、過去に成功したプロ選手、トップアスリートは多数。「早生まれが不利」ということは決してない。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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