シュミット・ダニエルがSTVV入りした狙い 「1、2年で次へステップアップする」
「4大リーグに行ければGKとして成功」
「ステップアップするためにヨーロッパに来た」とさらなる飛躍を誓った 【飯尾篤史】
いや、特に何かを聞くようなことはなかったです。結局、自分がその環境で何を感じ、変化にどう対応していくかが大事だと思うので。ただ、心構えとして、永嗣さんの著書『耐心力』は読みました(笑)。
――あの本は、かなりヘビーな内容ですよね。
読み終えたあと、不安になって、海外に行きたくなくなりました(苦笑)。永嗣さんにも「読んで、行きたくなくなりました」って言ったら、「何だよ、それ」って(笑)。もちろん、そうした不安は一瞬で打ち消しましたけどね。
――ともにトレーニングに励んだり、彼の著書を読んで、川島選手が海外で長くプレーできたり、日本のトップGKでいられる理由は何だと思いますか?
GKとしてのスキルのクオリティーはあらためて高いと感じました。一つひとつのプレーをすごく大事にしていて、そこはすごく勉強になったし、だからこそ、海外で長くやれるんだなって。
それに、本を読む限り、永嗣さんはメンタルが本当に強いし、自分の夢や目標を追い続けるブレない姿勢、信念の強さもある。GKって孤独なポジションですし、ましてや海外で戦い抜くには、信念を貫く強さがあらためて必要なんだなと。でも、永嗣さんを超えたいともあらためて思ったし、一緒にトレーニングできたのはいい経験でしたね。
――ベルギーリーグに所属するSTVVは、ボローニャへと移籍した冨安健洋選手がそうだったように、ここを足がかりにして羽ばたいていく、ステップアップしやすいクラブでもあります。シュミット選手の思い描く未来像、憧れのリーグは?
やっぱりチャンピオンズリーグには出たいですよね。憧れのリーグは、プレミアです。リーグのレベルも、GKのレベルも高いし、使う言語も英語圏だからベストですよね。ただ、プレミアでなくても、4大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア)に行ければ、GKとして成功だと思います。
――23歳のときに立てた日本代表になるという目標は、2、3年の猶予期間を設けました。さて、今回は? 何年後にステップアップしますか?
1年。
――おっ。
いや、2年。
――ハハハハハ。
1、2年(笑)。ただ、そういう大きな目標を立てることでモチベーションが高まりますし、ステップアップするためにヨーロッパに来たので。その夢が実現できるように、頑張りたいです。
【予告】8月中旬よりSTVVの連載がスタート
【(C)STVV】
前オーナーとの長期にわたる買収交渉、現地ベルギー人スタッフの葛藤、現地日本人スタッフの苦悩、国内日本人スタッフの奮闘、クラブ買収の背景にあるプロジェクトの正体……。買収計画の始動から今夏まで、激動の3年半の舞台裏に迫る。