美容だけじゃない!スポ―ツシーンでも注目の鍼灸

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 みなさんは、鍼灸が医療・美容・スポーツなど多くの場面で取り入れられていることをご存じでしょうか?例えば、イギリス・ドイツ・イタリアなどでも健康保険制度に鍼灸が採用されているなど、欧米では鍼灸治療がより日常的にたくさんの人に用いられています。
また、日本でも、東大病院のリハビリテーション部に鍼灸部門があったり、スポーツの世界大会でも心身のケアとして取り入れられます。その他にも、がん治療の現場、スポーツ、美容の世界など鍼灸が活用されている分野は今もどんどん広がっています。
なぜこのように幅広く受け入れられているかというと、これまでの鍼灸は、鍼とお灸によって、どのように症状が緩和するか理論立てて説明することが難しいものでしたが、科学の発展と共に近年、そのメカニズムが国内外で明らかになってきたからです。
この記事では、脈々と受け継がれてきた東洋医学の考え方や治療方法と共に、解明されてきた鍼灸の科学的なメカニズムや、それによって広がる鍼灸のリアルな現状をご紹介致します。鍼灸の新たな魅力に出会えること間違いなしです!

※リンク先は外部サイトの場合があります

簡単に分かる!鍼灸とはどんな治療なの?

鍼やお灸の治療というと、「鍼を身体に刺すなんて怖そう、痛そう」「お灸って熱くないの?」など様々な疑問が湧いてきますが、鍼やお灸に慣れていない方はそう思って当然です。一方で、鍼やお灸の治療を試したことがある人からは「腰痛や肩こりにすごく効くよ」「身体がポカポカして施術中は眠ってしまうよ」などという声もよく聞きます。実際、鍼灸はどのような治療なのでしょうか?
そんな疑問にお答えするために、まず先に、鍼灸の世界で2000年以上も受け継がれてきた東洋医学の考え方や、治療法についてご説明致します。

◇ツボって何?

マッサージ等でよく聞く「ツボ」という言葉ですが、いったい何なのでしょうか。
人の身体には「肩こりが緩和するツボ」「腰痛に効くツボ」「胃腸に効くツボ」など、様々な症状に対して有効なツボがありますが、それらは頭のてっぺんから足の指先まで分布されています。また、昔は国によってツボの名称や位置に違いがあったのですが、1989年にWHO(世界保健機関)によって361種類のツボの名称や位置が統一されています。下記に、一般的に知られている主なツボを紹介します。

合谷(ル:ごうこく)
頭痛や歯通など痛みに効く親指と人差し指の間で骨に近いところ。
内関(ル:ないかん)
消化器系の症状の軽減、緊張を緩める手のひら側の手首のしわの中央から肘に向かって指幅3本文のところ。
三陰交(ル:さんいんこう)
生理痛や冷え症などに有効。足首の内側・くるぶしから指幅4本くらいのところ。
鍼灸net「ツボって何?」より一部抜粋

◇ツボと経絡(けいらく)と鍼灸治療の仕組み

ツボについて簡単に説明しましたが、ツボと関係がとても深い経絡(ル:けいらく)についても説明します。
東洋医学では、身体全身を気(目に見えないエネルギー)と血(全身を巡り栄養を運ぶ液体)が循環して心身のバランスが保たれていると考えています。この気と血の通り道を「経絡」と呼んでおり、主な経絡だけで14本あります。経絡は全身にはりめぐらされており、1本1本が頭部か手足の先でつながっています。経絡とツボの関係を鉄道に例えると、全身に通っている経絡が線路で、その線路が交わるポイントである駅がツボになります。
経絡は身体表面と内臓を互いにつないでいるため、内臓に変調が起これば、経絡を通じてその内臓とつながっている身体の表面に異常が伝わります。よって、逆の考え方をすると、経絡上にあるツボを刺激することで、刺激が経絡に伝わって気・血の流れがよくなり、その先にある内臓の機能が活性化されます。この仕組みを利用して、鍼灸師は適切なツボへ鍼灸治療をして気・血の流れを改善することで、様々な症状を緩和していきます。

鍼とお灸の違いとは?

鍼灸がどのような治療方法なのか分かったところで、具体的に鍼とお灸についてみていきましょう。

◇鍼の種類

鍼には沢山の種類があります。例えば、皮膚の表面をなでるだけの子供でも受けられる鍼や、刺しても痛みがほとんどない極細の鍼、またズンとする刺激のある太めの鍼など様々です。
鍼灸院で使用されている鍼は患者さんの症状・体質、また施術者の考えなどによって変わりますが、日本で最も多く使用されている鍼は、毫鍼(ル:ごうしん)と呼ばれる極細の鍼です。それらは長さ30〜60mm、太さは直径0.14〜0.24mm程で、人の髪の毛の太さは0.10?前後ですので、毫鍼がとても細い鍼だとわかりますよね。
一方で、施術者によっては中国で主に使用されている中国鍼と言って、太く長めで、刺激も強く、鍼を打たれた時にズンとする独特の感覚がでる鍼を使用する先生もいます。
いずれの鍼も現代では、すべて使い捨ての鍼(ディスポーザブルの鍼)が使われています。
やはり、鍼は細ければ細いほど刺されたときに痛みが出にくいのが特徴です。また、どんな種類の鍼を使っていても施術者の技術力が高ければ痛みは更に感じにくくなります。
以上のタイプ以外にも、シール鍼と呼ばれるもので、目で見えないほどの小さな鍼を付けたままにしておくことで、肩こりを感じなったり、顔のシワが改善されたりと便利な道具もあります!

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◇お灸の種類

お灸はセルフケアとしても気軽にできるので、「お灸女子」という言葉がブームになったこともあり、鍼よりは一般的に知られているかもしれません。お灸の成分はヨモギの葉の裏に生えている毛からできています。その毛を乾燥させて作った「もぐさ」を燃やして、その熱でツボを刺激していく治療法がお灸です。
お灸には、痕が残るタイプの有痕灸(ル:ゆうこんきゅう)と、痕が残らないタイプの無痕灸(ル:むこんきゅう)がありますが、現在ではほとんどの鍼灸院で痕が残らない無痕灸で治療をしています。無痕灸にも様々なものがあり、燃やすとアロマの香りがするお灸、しょうがを間に挟むしょうが灸、燃やしても煙が出にくい無煙灸、皮膚から離して温める棒灸などもありますので、ニーズに合わせて選ぶことができます。

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ぜひ、一度試してみてください!
今回は、「鍼灸」の基本を改めてご紹介しました。次回は、「なぜ効果がでるのか?」について、まとめたいと思います。

<参考書籍>
『経絡・ツボの教科書』兵頭明監修、新星出版社
『国際抗老化再生医療学会雑誌 VOL.1 2018年10月創刊号』
<参考URL>
公益社団法人 日本鍼灸師会

[記事提供:新宿・麻布十番の美容鍼サロン「麻布ハリーク」]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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