“レジェンド”青木功が指南 日本ゴルフツアー選手権の観戦法とは?

碧山緒里摩

来やすい、見やすい、出やすいと感じてくれたら

宍戸ヒルズカントリークラブ(写真)を舞台に行われる「日本ゴルフツアー選手権」。20周年ということもあり、さまざまな企画が実施予定だ 【写真:アフロスポーツ】

――今回の「日本ゴルフツアー選手権」は20周年ということもあり、父の日プレゼント付きペアチケットやVIP観戦券など、ゴルフには珍しいスペシャルチケットも用意されていますよね。

 そう。とにかくゴルフファンのための企画シートを考えてみました。今まで駐車券付きのチケットとか初めての企画なので、古くからのゴルフファンには驚きがあるかもしれません。来てくれた人が来やすい、見やすい、出やすいと感じてくれたら、うれしいよね。

――クラブハウスに車がつけられるなんて、ファンにはたまらない特典かと思うのですが。

 そもそもギャラリーあっての、選手なのだから。お客さんがお金を払って観に来てくれるから、選手も関係者も存在できるわけですから。選手と関係者が逆にバスで来ればいいんだよ。それで駐車場はVIPチケットに興味があるファンに開放していけばいいんですよ。

 ただ、いきなり進めると関係者から文句が出てしまうかもしれないから(笑)、いずれはそういうふうにしていかないと。何台か限定かもしれないけど、クラブハウスの駐車場をギャラリーに開放していくのもいいのではないかな。

――青木会長は「日本ゴルフツアー選手権」の1番ティーの真後ろにスタンドを作ったり、18番グリーンぎりぎりに巨大スタンドを配置したり、プロアマ同一ティーを実現したりと、ファン目線でいいと思ったものを次々と取り入れていますね。

 プロアマでプロの迫力を見るなら、一緒のティーじゃないといけない。50ヤードも100ヤードも離れたところで「ああ、飛ぶなぁ」と思うのではなく、その場で音を聞いたり、スイングスピードや弾道を見たりするのが、一番迫力があります。スタンドもそう。近ければ近いほどいいのだから。

失敗を怖がっていたら、改革はできない

「僕は一にファンと思っている」と語る青木会長。ファンのための改革を続けていく 【撮影:源賀津己】

――会長自らが率先してファンサービスの改革の旗を振っているのは、新鮮な驚きです。

 現役の時も、ギャラリーに「どこから来たの?」「何時に来たの?」なんて、声を掛けていたの。それに「こういうことあったほうがいいのかな」と思うところはあった。だから会長になったから「こうしよう。ああしよう」ではなく、昔から私の中にアイデアはあったの。

 それこそ試合のたびに「すごいな、朝早くからこんなにたくさんのギャラリーの人たちが来てくれるんだ」と思っていましたよ。そういう人に支えられて、青木功はいるのですよ。だから、僕は一にファン、ニにスポンサー、三にボランティア、四にマスコミ、五に選手と思っている。一から四の人々がいないとわれわれの仕事は成り立たない。その人たちを大事にしないといけない。

 会長になって4年目、「日本ゴルフツアー選手権」も20周年、企画が荒いかもしれないけど、改革していくことが大事。今回の企画も良しにつけ悪しきにつけ、やっていかないといけない。失敗してもいいんだよ。失敗を怖がっていたら、選手、ギャラリー、ゴルフ場、いろんな改革はできない。だけど失敗はしないと思うけどな(笑)。

 ゴルフを未来へつないでいかないといけない。いろいろ試行錯誤することによって、若い人たちも「こういうのはいいから続けていこう」「こうすればもっとよくなる」と先へつながっていくから。結局、それが選手自身のためなんだから。

――会長として、次の世代へよりよい状態でゴルフ界を引き継いでいきたいのですね。

 そう。ゴルフは私の人生だと言っているの。これが自分の人生、天職だと思っている。この素晴らしいスポーツを未来へつながないと。

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