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トップランナーであり続けるために

“順応する力”で環境の変化を乗り越える
上原浩治(プロ野球)×関根勤(タレント)

提供:明治

役割や環境の変化に対応するために

ともにベテランと呼ばれる二人。長く活躍するために意識していることは“アジャスト”することだと話す
ともにベテランと呼ばれる二人。長く活躍するために意識していることは“アジャスト”することだと話す【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

――長い間トップランナーであり続けるための秘けつとは、それぞれどのようにお考えでしょうか?


関根 僕は、まだ35歳くらいの時に、テレビ番組で自分のやりたい笑いを思いっきりやってみたんですよ。そうしたら全然ダメでした。笑いにはテレビ向き、舞台向きとあるんです。僕がやったのは後者。舞台ってのは、わざわざお金を払って電車や車に乗って来てくれる人たちにお見せするんだから、強烈なものをお見せしないと満足してもらえない。要は1対1の勝負。でも、テレビは違う。老若男女の視聴者がいるわけですから、もう少し柔らかくしないといけません。そこを意識して対応しましたね。もちろん時間帯も。視聴者は僕に何を求めているのか、そこにアジャストしました。


上原 僕も先発やリリーフ、日本と米国とで役割や環境に順応する大切さは身にしみています。アジャストというところでは、先発からリリーフの転向はその1つになるのでしょうね。ただ、僕の中ではチャレンジをしたつもりはなくて、当時も監督だった原(辰徳)監督に『頼むな』と言われただけだったので(笑)。本音では先発がしたかったので、実はずっと断りというか、考えさせてくださいというお話をしていたんです。すると原監督から『じゃあオールスターまで』と言うから、分かりましたと。それで夏になったら『もう1カ月頼む』と言われて、気づいたらシーズンが終わっていました(笑)。


関根 原さん、うまいなぁ(笑)。


上原 でも、あの2007年の経験が、自分の中でその後の野球人生に大きく生きたと思っています。昨年、日米通算で100勝、100ホールド、100セーブの『トリプル100』を達成できましたが、日本人では僕だけでメジャー球界で他に1人いるだけです。今は投手分業制になっていて、役割を転々とする投手も減っていますから今後はなかなか誕生しないのかなと思っています。


関根 僕の順応というところで言えば、少し前に困ったなと感じたことがありまして。上原さんの年代を相手にモノマネをすると、輪島さんやジャイアント馬場さんもウケるんですよ。だけど、二十歳くらいの女の子なんて知らないじゃないですか。どうしようかと思っていたある日、小堺(一機)君と一緒にやっているラジオ番組にリスナーが、ペリー提督(1853年から2度にわたり来日し、開国を求めた米国海軍の軍人)の教科書の写真をコピーしてはがきに貼って送ってきたんです。『ペリーです。モチ肌です』って、それだけ書いてあって。小堺君とゲラゲラ笑ってね。で、小堺君が『ペリーってどうやってしゃべるの?』って無茶ぶりをしてきて。でも日本に来るくらいだから日本語のレクチャーくらい受けているだろうと思って、即興で『クニヲアケナサ〜イ』ってやったら、これが好評で。二十歳くらいの子は学校で習ったばかりだから知っているんですよ。レパートリーに歴史上の人物を入れるという工夫。ピッチャーで例えるなら、速球が通じなくなってきたから変化球を磨いたという感じかな。普通の変化球どころかナックルボールかな(笑)。

後輩たちに伝えたいこと

――トップランナーとして次世代へ伝えたいこと、またご自身のこれからの夢などは?


関根 芸というのは教えたから身につくものではないと思っているので、精神だけ持ってほしいなと思います。一生懸命、マジメにね。いろいろなことを勉強していけば、面白いことはできると言いたい。


上原 悔いのないようにやってほしいです。野球人生なんて30年とか40年もできない。昨年膝の手術をしたこともあり、今年は春先からファームで若い選手と一緒にやる機会が多いのですが、見ていると残念だなと感じる選手も中にはいます。もう少し真剣にやればいいのに、と。でも、それぞれの人生なので、今はあえて何も言いません。ただ、後悔だけはしてほしくない。

プロ21年目を迎えた上原投手。今季に懸ける思いを明かした
プロ21年目を迎えた上原投手。今季に懸ける思いを明かした【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

関根 今シーズンの目標をお聞きしてもいいですか?


上原 今は早く一軍で投げたいです。その準備はできています。


関根 将来のことですが、監督とか、どうですか?


上原 ないでしょうね(苦笑)。コーチの可能性も低いと思います。


関根 でも、ファンは見たい。雑草魂を知っているし、幾度のけがを克服してきたし、長いキャリアもある。いろいろなことを知っていて、伝えていけるのではと思ってしまいますよ。


上原 経験に関しては、どの選手よりもものすごくいい経験を積むことができたと思っています。嫌な、つらい経験もしてきました。経験値では誰にも負けていないと胸を張れる自信があります。


関根 今年も巨人と上原さんを一生懸命応援します。バシバシ抑えてもらって優勝してください。


上原 ありがとうございます。関根さんにはこれからもぜひ、たくさんの笑いを届けていただければうれしいです。僕はやっぱりモノマネが好きなのでどんどんやってほしい。どれも大好きですが、僕の一番は輪島さん!


関根 (モノマネで)はいはい〜。

田尻耕太郎
田尻耕太郎

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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