首・肩のコリは30秒ストレッチで解消〜教えてハシケン先生#09

FRAME(フレイム)

【Seiya Matsumura】

サイクルスポーツジャーナリストで、さらに国内トップクラスの強豪ヒルクライマーでもある “ハシケン先生”が、自転車がさらに楽しくなるように、乗り方のテクニックを紹介する連載企画です。「もっと速く、ラクに走れるようになりたい」。そんな思いを持っているサイクリストの皆さんが抱える悩みのひとつに、カラダの痛みがあります。今回は首や肩、腕の痛みの対処法、防止法を紹介します。

ライド前にストレッチしておこう

前傾姿勢をとり続けるロードバイクでは、首から肩にかけての筋肉が疲労しやすいです。ロングライド後半に、どうしようもない張りを感じたことはありませんか? 頭の重さを首で支え続けるために、首の筋肉には局所的なストレスがかかりやすくなっています。今回は、首や肩まわりの痛みを軽減するためのライディング中の対策や30秒ストレッチを紹介します。

▲腰の後ろで両腕を組み、腕を後方へ伸ばす。 【Seiya Matsumura】

まずは、首まわりと肩周りのストレッチをライド前のルーティンにしましょう。上半身の前面と背面、胸部と肩甲骨のそれぞれの可動域を広げてあげます。腰の後ろで両手を組んで、そのまま背後へ腕をひっぱります。大胸筋が伸びていることを感じましょう。

▲胸の前で両腕を組み、背中を丸めながら前方へ伸ばす。 【Seiya Matsumura】

続いて、胸の前で両手を組んで、前へ押し出すように腕を突き出します。この時、背中をやや丸める意識を持つと肩甲骨周りの筋肉をストレッチできます。

▲頭の後ろで両手を組み、首を前へ倒す。 【Seiya Matsumura】

最後に頭の後ろに手を回したら、首を前方へ倒すようにして首筋をよく伸ばしてあげましょう。この3つのストレッチで、事前準備はバッチリです。

ライド中は3点の荷重バランスを調整する

▲ペダル、サドル、ハンドルの3点の荷重バランスを変えてあげる意識をもつことが大切。 【Seiya Matsumura】

さて、ライド中にも首や腕の疲れを軽減できるオススメの対策があります。
カラダとバイクの接点は、ペダル、サドル、ハンドルの3点。3点にバランスよく荷重することが基本になりますが、長時間走っていると腕やお尻が痛くなることもあります。その時は、疲れた箇所の荷重を抜いてあげるようにフォームを変化させましょう。

上体を起こしたアップライトな姿勢へ変えることで、頭の位置が上半身の真上に近づき、首への負担を減らせます。上ハンドル(ハンドルの上部)を握ると、ポジションを変化させやすいです。

また、重心位置を意識的に後方へ下げることで、ハンドルへの荷重が抜けて腕への緊張を緩めることができます。
一方で、あえて前傾姿勢のままで、肩甲骨を寄せるようにすると肩周りのストレッチ効果が得られます。この時、やや腰を入れて反らすことで肩甲骨を深く入れることができ、ストレッチ効果が高まります。

▲腕の疲れは、ハンドルを握る角度を少し変えるだけで軽減できる。 【Seiya Matsumura】

さらに、腕が疲れてきたときの対処法として、ハンドルを握る手首の角度をほんの少し変えてあげましょう。そんな少しの工夫だけで腕の筋肉をバランスよく使うことができます。

このようにカラダの使い方を少し工夫するだけで、首や肩周りの緊張をほぐすことができるのです。

バイクのセッティングでも痛みを予防できる

これ以外にも、機材のセッティングなどによってもカラダの痛みを抑えることも可能です。カラダの使い方を工夫しても、どうしても痛みが取れない場合は、ハンドルのセッティングを微調整してみましょう。

まずはハンドルをややしゃくり(上側へ上げる)、カラダからハンドルのブラケット部分までの距離を近づけてあげましょう。自然とアップライトなポジションが取りやすくなるので、首や肩の緊張を緩和できます。もちろん、一部のポジションを変えることはペダリングなど全体のフォームにも影響が出やすいため、調整の際は少しずつ調整することがポイントです。変更前のセッティングをスマホのカメラなどで記録しておくことがオススメです。

このほか、ヘルメットを軽量なモデルへ変更することも首へのストレスを軽減する対策のひとつです。300gほどあるエントリーモデルから100g台の軽量モデルへ変えるだけでも、メリットはあるでしょう。
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