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“寝業師”の豊川、実力を証明した植田
ベルギーで地位を確立した大津高OBコンビ

チームになじむ植田と豊川

2016年AFC U−23選手権を制し笑顔を見せる豊川(左)と植田(右から2番目)。大津高、鹿島、世代別の代表とともに歩み、現在はベルギーリーグで切磋琢磨している
2016年AFC U−23選手権を制し笑顔を見せる豊川(左)と植田(右から2番目)。大津高、鹿島、世代別の代表とともに歩み、現在はベルギーリーグで切磋琢磨している【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 この試合で、植田が味方選手に対して吠えるように指示を出す声が聞こえてきた。顔の向きからすると、右サイドバック、ロイド・パルンへのものだったのだろうか。


 シーズン当初、セルクル・ブルージュのCBは中央を固めて、そこに居続けるシステムだった。しかし、もっと人に対して激しく当たりにいきたい植田は、チームに対してCBがサイドに出ていくシステムを要求した。


「半年前にベルギーに来て、最初はこっちのやり方に戸惑うところもありましたが、『自分がこうしたい』ということをチームメートに伝えていくことで、自分のやりたいように、やらせてくれるようになった。(今のメンバーに)本職のCBが、うちのチームにはいないので、自分が引っ張っていかないといけない。相方(イサック・コネ)はボランチもやっていて、CBもできますが、ポジショニングなんかも自分が言わないといけないところがあるので、常に今も話し合っています。これからも、それを継続していきたいと思います」(植田)


 植田はコミュニケーションを重ね、プレーで示し、実力を認めさせて、今季21試合中17試合に出場したのだ。10月5日、第10節のシャルルロワ戦から12試合連続出場を果たしているのは、本人も「うれしい」と言う。


 今季、全試合に出場している豊川もまた、チームメートと絆を深めているのは間違いない。試合後に、コメントを取っていると選手やスタッフが「こんにちは」「さようなら」「あなたはユータさんです」ぐらいの日本語は朝飯前。中には「◯☓△なユータさん」と歌いながら過ぎ去っていく選手もいた。


「みんな、何か日本語を言っていく(笑)。もうオイペンに来て1年経つからね」(豊川)


 こうしたコミュニケーションの面でも、大津高校(熊本)のOB2人は頑張っている。


 間もなく始まる高校サッカー選手権で、大津高校は12月31日、ニッパツ三ツ沢球技場で桐光学園(神奈川)と対戦する。ちょうど6年前、同じく三ツ沢で大津高校は旭川実業(北海道)にPK戦の末、敗れている。外したのは豊川だった。


“トゥエーデ・ケルストダフ”の日をピッチの上で共に過ごした親友2人は、後輩たちにリベンジを果たしてほしいと願っている。


「今年は強いらしいですからね。Jリーグに内定した選手も1人いますよね。やってくれるでしょう」(豊川)


「(大津が)強い、強いとは聞いていますが、相手も強いというのも聞いています。でも選手権というのは何が起こるか分からない舞台です。1回戦はすごく大事な試合になると思う。自分たちも優勝候補と言われながらも、PKまでいって負けてしまった。僕は“対応力”というところに期待しています。あの舞台でしっかり勝ってもらって、僕たちの悔しさを晴らしてほしいと思います」(植田)

中田徹
中田徹

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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