レイデオロに次ぐ記者◎を集めた意外な馬 武豊オジュウの評価も気になる有馬座談会
逆転候補に急浮上 侮れぬ牝馬モズカッチャン
レイデオロに次ぐ◎を集めたのはこの馬モズカッチャン(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
田崎「ぶっつけ本番となった前走のエリザベス女王杯は、元々が叩き良化型ですから3着でも上々の首尾だったと言えますし、力量的にもここで決して見劣らない馬ですよ」
久光「実際に、モズカッチャンの京都記念や札幌記念での走りは、牡馬一線級相手でも何ら力量差を感じさせませんでしたし、混戦向きの立ち回り力は中山2500mにおいては大きな武器となるはずです。1週前の坂路で自己ベストタイ、上がり2ハロンは最速の24秒6をマークするなど、順調に使えての上積みも大きいと思いますね」
小桧山「モズカッチャンは、スタートさえ決まれば、内枠も引けたんだから本来の前々で運ぶ競馬ができるはずだし、中山のコーナー6回はいかにも合いそうだよ。GIを連戦してきた馬たちと比べても、秋1戦で余力十分で臨めるのは有利な材料で、それほど力差はないと思うディアドラが海外のGIで活躍しているのを目の当たりにすると、このメンバーでも互角に戦えると思うけどな」
山崎「中山では3歳春の条件戦での勝利があるだけですが、器用さを考えてもかなり合いそうなイメージがありますよ。久光さんが評価していた京都記念や札幌記念にしても、ともに休み明けだったことを考えれば、ここでもうワンランク上の走りが期待できますよね」
目黒「前のポジションを取ろうと思えば取れるタイプだけに、この枠はいいですよ。理想はキセキの直後で、射程圏内でレースが運べる可能性が高いと思いますし、鞍上ミルコのリズムが良くなっている点も見逃せませんね」
加茂「モズカッチャンの前走は、単なる休み明けではなくて、予定していた府中牝馬Sを熱発で回避しての臨戦やから、調整も難しかったはずや。対して今回は“順調に調整ができているし、全ての面で上積みが見込める”と、陣営の意気込みもかなりのモンですわ」
小島「僕は昨年の有馬が直線で寄られる不利があっての3着だったシュヴァルグランを狙います。ジャパンCを勝って臨んだ昨年と比べると、今年は4着からの臨戦となりますが、勝ち馬が化け物でしたし、あれだけの高速決着となっては仕方のない部分もあるかと思いますね。ボウマン騎手も今年こそは、と燃えているはずですよ」
清野「過去3度騎乗して、1・3・2着ですから、本当にボウマン騎手とは手が合いますよね。結果こそ出ませんでしたが、この秋の走りに力の衰えは感じませんし、秋3走目で調子も上がってきたと見たいです」
広田「実際に、ボウマン騎手は“昨年も不利がなければ2着はあった”と話してましたよ。15番枠についてはさすがに有利な枠とは言えないでしょうが、目標にして運びたいキセキがすぐ内の14番というのは、陣営にとっても不幸中の幸いだと思いますし、かえって競馬がしやすくなったはずです」
佐藤直「今回の展開を考えると、まずはキセキがいて、前がかりの競馬が多いマーフィーのミッキーロケット、そしてどこかで見せ場は作りそうなオジュウチョウサンと、必然的に流れが速くなると思うし、スタミナ勝負になれば、シュヴァルグランの出番だよ。外枠を懸念する向きもあるかもしれないが、動きたい時に動きやすいという点ではこの枠もプラスに働くんじゃないか。外国人騎手で唯一、昨年と同じ馬に乗るという点でも、鞍上に大きな期待をかけていいしな」
中邑「僕はただ一頭参戦の3歳馬、ブラストワンピースを狙います。前走の菊花賞は、内枠を引いたにもかかわらず外々を回る形の競馬で4角でも大外。おそらく鞍上に相当な自信があっての騎乗だったように見えましたが、結果的には距離が長かったと見ていいでしょう。しっかりと脚を溜められて瞬発力を生かせる中山2500mは合うはずですし、レース間隔を十分に取って、状態面での上積みも十分に見込めますからね」
打越「過去10年で菊花賞から直行してここを勝った3頭は、いずれも菊花賞を勝った馬という点がマイナスデータになるかもしれないけど、そもそもブラストワンピースの菊花賞は展開のアヤと言えるもので、力負けではないからな。距離短縮、斤量も55キロと条件は好転するし、レコード決着のジャパンC組はもちろんのこと、天皇賞組だって反動が心配される中で、一息入れてジックリと仕上げられたことには好感が持てるよ」
守屋「前走については“超のつくスローペースになって、正味1000mくらいの競馬だったので、疲れは全くなかったし回復も早かった”と、大竹師も話してましたね。レースの見通しを尋ねると“中山は初めてだが、今まで阪神や京都、新潟や東京といろいろなコースを経験して結果も出しているので、問題ないだろう。乗り方はジョッキーに任せているが、立ち回りひとつで上位争いできると思う”とのことでした。勝った新潟記念もそうでしたが、前走のような大味の競馬では厳しい反面、ラチ沿いスレスレに突っ込んで抜け出した毎日杯のような器用な競馬ができれば、チャンスはありそうですね」