ジム会員の80%が幽霊会員!? 日本とアメリカの健康に対する意識、フィットネス事情の比較 前編

ココカラネクスト

 2017年に某大手フィットネスジムの会員の稼働情報を目にしたことがあるのですが、会員の来店率は年間で約20%程度らしく、約80%の会員数は幽霊会員ということになります(幽霊会員とは会費を払い続けているにもかかわらずジムの利用がない会員のこと)

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 つまり継続してジムに通っている方は約20%しかいないことになります。フィットネス先進国ではジムに通っている人は全体の約10%、日本は全体の1%だといわれていました。しかし近年のフィットネスブームで3%にまで増加したようなのですが、フィットネス先進国と比べるとまだまだですね。日本でジムに通っている人が全体の約3%、その中で継続している方が20%。1000人の中の30人がジムに通っていて、その中で継続してトレーニングしている人が6人。ジムに行っている人や、しっかり継続できている人が少ないことに対して、トレーナーとして非常に残念に思います。

では何故、フィットネス先進国と比べると日本のフィットネスの普及率が低いのか?様々な観点から考察してみましょう。

医療費

 フィットネス先進国のアメリカと日本の医療費を比べると、日本は診察や治療に掛かる費用の自己負担が2〜3割程度ですが、アメリカは医療保険への加入義務がないので加入していなければ全額負担となります。そしてアメリカの医療費は(クリニックや病院ごとに異なる)そもそもが高額です。

その理由としては医師の給料や薬剤費などによるもので、日本の医師免許は一度取得してしまえば更新などはなく一生有効な資格に対し、海外の医師免許は州によっても異なりますが1〜2年で更新しなくてはならず、その際に更新費用や更新するための試験に合格する必要があります。その結果、医師の給料が高額になり、新しい医療技術の導入などが望める反面、風邪などの比較的軽い病気に対しての治療や薬剤代がかさんでしまうことになります。

医療保険へ加入していたとしても高額な費用が掛かってしまうアメリカの方達は、自己の体調管理に対しての考え方が日本とは大きく異なるので、運動や食事に気を遣う要因の一つだと思います。

食やトレーニングの環境

 上記の医療費の違いから、なるべく医療機関を利用しないために食事や運動を通して体調管理をすることのイメージが掴めてきたと思うのですが、ここからは需要と供給の話で日本と比べて健康で強い体を作らなくてはいけないアメリカの人々は筋肉の栄養となるタンパク質を多く含む肉や魚、体のコンディションを整えるためのビタミンやミネラルを多く含む野菜など、食料品に対しての意識や知識も比較的に高いことが伺えます。

日本ではスポーツ用品店や薬局にしかないサプリメントやプロテインですが、アメリカでは大抵のコンビニやスーパーで普通に取り揃えているので容易に購入できることや、その環境に慣れているおかげで抵抗がなく、プロテインやサプリメントを摂取することは当たり前と捉えている人が多いようです。またアメリカの食料品を購入する分には税金がかからないため安価で体に良くないジャンクフードではなく、体に良い(日本だと値段が高い)新鮮な肉や魚を食べる頻度が増え、豊かな食生活が送りやすいです。※食料品に対しての税金は、お店で食べると課税対象となり持ち帰ると非課税です。

運動する環境としては、まずジムの数が多いことや公園などでも筋トレができるような設備がある。フィットネスジムのマシンも日本のジムと比べると最先端のマシンやプロテインを飲めるバーラウンジなどの環境があり、クオリティが高いジムが多い。安全に効果の高いトレーニング環境が整っています。

海外の方達は自分の体に何が不足しているのかなど体調不良にならないために栄養摂取の知識を自ら学んだりトレーナーに相談するなど、一人一人の意識が高い。

ある意味トレーナーという職業は海外で医師にも匹敵する存在なのかもしれませんね。

[文: 奥山敬人]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

奥山 敬人(おくやま・けいと) OWL GYM
トレーナー兼カウンセラーとしてRIZAPに勤務。コーチング・カウンセリングを評価され、お客様の施術のほかトレーナー・カウンセラーへの研修ならびに指導を務める。
RIZAP銀座店・新宿店の立上げメンバーであり、1000名以上のボディメイクに関わる。
2017年より、パーソナルトレーニングジム「OWL GYM」を立ち上げ。

https://www.owlgym.com/
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