2000安打を達成した福浦和也の姿勢 同期の小野晋吾コーチが託す次の夢
後輩に受け継がれる準備意識
2軍にいる後輩たちもZOZOマリンに駆けつけ、福浦の2000安打を祝福した 【写真は共同】
「努力を怠らない選手です。本人は努力と思っていないかもしれませんが、準備意識が高いからこそ、あれだけの練習ができるのだと思います。毎日しなければいけないことをしっかりできる。自分からモノを言うタイプではないですが、取り組む姿を見せて、周りの選手が目標にしている。福浦に続く選手に出てきてもらわないと困るし、つくっていかないといけないですね」
その姿はしっかりと受け継がれている。新人時代の三木亮は春季キャンプでケガをしたときに福浦の準備姿勢を見て学んだ。新人時代の香月一也は2軍球場で勇気を出して打撃を教えてほしいと申し出た。今年入団した菅野剛士は「あの年齢であのパフォーマンスを出せる理由は練習や準備にあると思いますし、福浦さんのような選手を目指してやっていきたい」と語り、マリーンズに入団した選手にとって、プロのあるべき姿の手本となっている。
並外れた準備意識の高さ。福浦の新人時代を知る人のみならず、24年後に入団した選手までもが同じ印象を語る。その事実は、福浦和也というプロ野球選手が貫いた姿勢を証明している。
二塁ベースで微笑んだ主役
2000安打目は通算388本目の二塁打だった 【写真は共同】
9月22日、超満員のZOZOマリンスタジアムの第4打席で、偉業は達成された。打球は美しい弾道で外野に伸びていく。盟友の前で、大勢のファンの前で、鳴り止まぬ歓声と熱狂の渦の中、主役はうれしそうに二塁ベース上で微笑んでみせた。
長谷川美帆(千葉ロッテマリーンズオフィシャルライター)