剛球右腕のホンダ・齋藤がドラ1候補 都市対抗に出場するプロ注目選手たち

西尾典文

今年の都市対抗でナンバーワン右腕と評価が高いホンダ・齋藤 【写真:BBM】

 今月13日に開幕する社会人野球の頂点を決める都市対抗。今年も多くのドラフト候補が出場するが、注目度ナンバーワンと言えるのが齋藤友貴哉(ホンダ)だ。桐蔭横浜大時代はスピードはあっても単調なピッチングが目立ったが、社会人の1年間で一気に安定感がアップした印象を受ける。立ち上がりから終盤まで140キロ台後半のストレートをしっかり制球できるようになり、スライダーとフォークの精度も向上した。スケールと完成度を兼ね備えており、順調にいけばドラフト1位の可能性は高い。

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完成度の高いパナソニック・吉川

制球力は社会人でもトップクラスのNTT東日本・堀。昨年の都市対抗ではルーキーながら優勝に貢献した 【写真:BBM】

 そして齋藤以外にも有力な投手が多いのが今年の特徴だ。大卒2年目では堀誠(NTT東日本)、黒川雄太朗弓削隼人(SUBARU)、邑樂雅貴(SUBARU/日立製作所から補強)、生田目翼(日本通運)、臼井浩(東京ガス)、平木隆世(JR東日本)、岡野祐一郎(東芝)、中内洸太(王子)、堀田晃(西濃運輸)、平尾奎太瀧中瞭太(ホンダ鈴鹿)、温水賀一(大阪ガス)、高橋拓巳(大阪ガス/日本生命から補強)、岩本喜照(日本新薬)、吉川峻平鈴木佳佑(パナソニック)、山下仁(JR西日本)。高卒3年目では鈴木健矢(三菱日立パワーシステムズ/JX−ENEOSから補強)、勝野昌慶(トヨタ自動車/三菱重工名古屋から補強)、富山凌雅(トヨタ自動車)、杉山一樹(JR西日本/三菱重工広島から補強)らが候補となる。

 完成度の高さでは吉川が頭一つ抜けている印象だ。大学時代よりもストレートの力強さが増し、本格派らしくなった。多彩な変化球を操り、試合を作る能力が高い。スピードでの筆頭格は生田目になるだろう。好調時には150キロを超えることも珍しくなく、球威で圧倒するピッチングを見せる。昨年は大学時代の故障もあって短いイニングの投球だったが、今年は先発でもしっかり結果を残しており、大車輪の活躍が期待される。

 先発タイプでは堀を推したい。スピードは140キロ台前半と物足りなさが残るものの、制球力は社会人でも間違いなくトップクラス。昨年の都市対抗でも2試合に先発して見事なピッチングを見せ、優勝に大きく貢献し若獅子賞にも輝いている。スケールの大きさでは勝野と杉山の高卒3年目の右腕2人が面白い。ともに安定感には欠けるものの、恵まれた体格から投げ込む重いストレートは魅力十分だ。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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