【UFC】 20連勝のリベラ、11連勝のガレスピー 地元ニューヨークへ錦を飾れるか!?
殺しのモラエス、因縁清算に闘志
過去16戦で15勝、他団体でベルトを巻いたこともあるモラエス 【Zuffa LLC】
「かつての自分はただのファイターで、殺しの本能だけでやっていた。ところがここに来てからというもの、MMAについて多くのことを教えてもらった。それでやっと総合格闘家になれたんだ。自分のように殺しのあるMMAファイターはとても危険な存在だと思う」
過去16戦で15勝、他団体でベルトを巻いたこともある。16年のUFCデビュー戦でハファエル・アスンソン(ブラジル)にきん差の判定負けを喫した後は、ジョン・ドッドソン(米国)、アルジャメイン・スターリング(米国)に連勝し、ランキングは現在5位だ。
「オレはドンドン試合をして、自分がベストファイターの1人であることを証明し続けたい」と語るモラエスが、ここ数カ月にわたるリベラとのソーシャルメディア上での因縁にケリをつけるべく、オクタゴンでの決闘に足を踏み入れる。
業界屈指の釣り名人、地獄からの使者を迎撃
セミメインイベントは地元ニューヨーク州出身のグレゴール・ガレスピー(左)が出場する 【Zuffa LLC】
「試合前の練習の心の支えは釣りだ。試合が済んだら楽しく釣りをしたい。それを自分へのご褒美に練習に励む。対戦相手は自分を釣りから引き離す悪者なので、ぶっ飛ばすしかない」
そう語るガレスピーだが、もちろんただの趣味人ではない。NCAAディビジョン1ではナショナルチャンピオンを獲得、MMA転向後の戦績は11勝0敗(UFCで4勝0敗)、前回は今年1月にジョーダン・リナルディを第1ラウンドでノックアウトしている。
「自分のレスリングが通用しないことはほとんどない。俺のテイクダウンを止めたいなら相手は幸運を祈るしかない。そしていったんテイクダウンを取れば、対戦相手は2度と立ち上がれない」
背中のタトゥーに刻まれた“水滴石をうがつ”ということわざ通り、押さえ込んだ相手を着実かつ一方的に削り取るファイトでガレスピーが連勝記録更新を狙う。
一方、昨年6月に3年ぶりの試合で勝利を飾ったピシェルは長期欠場中に複数のケガの治療に追われていたほか、婚約者から結婚1カ月前に別れを告げられるなど、心身ともにトラブルだらけの日々を過ごしていたのだという。
「つい最近も、彼女と別れたばかりだ。彼女が教会で浮気をしていた。オレには次から次へと困難が押し寄せる。昔ならぶち切れて、ストリートで暴れるところだけど、今はプロのファイターなのでそういうわけにもいかない。だから試合でストレスを吐き出すしかない」と明かすピシェルはガレスピーについて、「オレからテイクダウンを取るのがどれほど難しいか、ヤツは痛感するだろう。オレはヤツを何発も殴りつけ、ヤツがこの試合を引き受けたことを後悔させてやる」と私恨を晴らす勢いだ。
「オレはバッドガイ役で結構だ。オレのニックネームは“フロム・ヘル”なんだぞ」と凄(すご)むピシェルがニューヨークのファンを凍り付かせる。
(文:高橋テツヤ)