ロッテのスピードスター荻野が語る進化「これまでより楽しく野球ができている」

週刊ベースボールONLINE

開幕から1番で先発

高い盗塁成功率を誇る荻野。「失敗するのが一番イヤ」だと本人は言う 【写真:BBM】

 ケガに悩まされ続けるプロ野球人生を送り、そのケガさえも成長の糧としてきた荻野貴司。33歳となるシーズンを迎えても、いまだに進化を止める気配はない。新指揮官が掲げた“走塁改革”を旗印とする新生マリーンズにあって、千葉の韋駄天(いだてん)がその象徴として斬り込み役を担うのは必然だ。

 チームは3、4月を勝率5割で乗り切った。昨季、球団史上ワーストの87敗という歴史的な大敗を喫し、今シーズンも決して前評判が高かったわけではないことを考えれば、健闘と言っていいだろう。

 その中で開幕から「1番・センター」として先発出場を続け、3、4月は打率3割3厘をマークするなどチームをけん引しているのが荻野貴司だ。5月に入り、やや打撃は下降線をたどっているものの、これまで故障に泣かされ続けて1年を通してチームに貢献することができなかった男が、フル完走に向けて好スタートを切ったことは確かだ。

「仕事ができているという実感はある」

 今シーズンのチームは開幕からずっといい雰囲気を保っています。連敗が続いた時期もありましたが、それでも落ち込むことなく、勝っても負けても常に前を向くことができています。鳥越さん(裕介、ヘッドコーチ)や金森さん(栄治、打撃コーチ)がいい雰囲気をつくってくれているところもあります。鳥越さんは本当に元気を出してくれていますね。僕らも負けずにもっと元気を出さないといけないんですけど(笑)。

 個人的にはここまで好調というわけではないのですが、悪いときでも悪いなりに、何かしら仕事ができているという実感はあります。まず塁に出て、チームに勢いをつけて、足で相手にプレッシャーをかけながら、後ろのバッターにホームへかえしてもらう。1番という打順にこだわりがあるわけではないですが、やはり打点を挙げるよりは得点を取ることが仕事だと思っているので、得点を常に意識していますね。

 打撃に関しては、入団してから3年間教えてもらっていた金森さんが戻ってこられたことで、当時指導されていたことをあらためて確認することができました。バットを短く持って、大振りすることなくコンパクトに、しっかり下半身を使って打つ。金森さんの言うボディターンや軸回転の打撃というのは僕のもともとの打撃スタイルに合ったものです。また、もともとバットは短く持っていたのですが、「引きつけて打つ」ということを常に考えていたら、いつの間にかさらにグリップを握る位置が上がってきました。開幕してからも少し短くなったような気がしています。いいのか悪いのかは分からないのですが。

 ただ、ここまでは内容も含めてどうしても打撃の調子に大きな波があります。体の疲れなどから感覚のズレが生じている部分はあると思うのですが、試合を重ねていく中でしっかりと打撃フォームを固めていかなくてはなりません。

 これまでケガもあってフルで1年間試合に出続けたことがないので、多少の不安はあります。これまでどおりに毎日のケアを欠かさず、食事にも気をつかいながら。毎日100%ではできないかもしれませんが、できるだけそれに近づけられるようにやっていきたいと思います。

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