開幕好スタートの新生メッツ 新監督の手腕とベテランの統率力が融合
先発投手を中心に安定感は随一
リーグ屈指のリーダーであるフレージャーらベテラン勢が先頭に立ち、チームを盛り上げている 【Getty Images】
正捕手のトラビス・ダーノーが開幕直後に右肘手術で今季絶望になったのに続き、2番手のケビン・プラウェッキも死球で左手を骨折し、捕手は早くも人材難になった。投手陣では5年前はオールスターに先発したマット・ハービーが低調で、すでに先発ローテーション落ちを言い渡されている。ブルペンも完璧とは言えず、今後に多少の不安を投げかけている。
ベテラン補強が成功したのはすでに書いてきた通りだが、高齢ゆえ、シーズンを通じた貢献が期待できるかには疑問が残る。健康面のリスクもあり、1年のどこかでケガ人がかさむ可能性は否定できない。
ただ、それでも、今季のメッツはプレーオフ争いには残ると予想する関係者は少なくない。最初の20戦中で計12奪三振以上のゲームが9戦もあるなど、先発を中心とした投手陣の安定感はやはり心強い。ハービーが外れても、昨季18勝の左腕ジェーソン・バルガスがまもなく復帰する。ブルペンはシーズン中でも補強可能だけに、大崩れはないと見られているのだろう。
開幕17戦中13勝でワールドシリーズ確実?
「このチームでは誰もがヒーローになれる。そんなふうに感じられるよ。多くの選手が“これまでプレーした中でもっとも才能にあふれたチーム”と言っているくらいに層が厚いから、僕はまだ多くの打席に立てていない。ただ、それでも僕はワールドシリーズに勝てるチームでプレーしたいんだ」
11年のドラフト1巡目(全体13位)指名選手ながら、今季は控えで貢献しているブランドン・ニモーはそんな言葉を残していた。“ワールドシリーズに言及するのは早すぎる”と嘲笑することなかれ。メッツが開幕直後の17戦中13勝を挙げたシーズンは今季以外に過去2度あり、1986年、2015年はどちらもワールドシリーズに進出している。だとすれば……。ヤンキースと比べてまだ地元での注目度は低いが、メッツが本拠地を置くクイーンズに盛大なBuzzが戻って来る日は、もしかしたら近いのかもしれない。