桜花賞1枠不振…ライラックに不吉データ チューリップ賞組の順位逆転はある?
前走チューリップ賞からの好走馬
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
阪神JF、チューリップ賞の着順・人気別、桜花賞成績
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
まずチューリップ賞については、1着から3着まですべて2勝ずつを挙げ、好走確率にも極端に大きな差はない。そのため、チューリップ賞1〜2着馬よりも3着馬に妙味がある(回収率が高い)という結果が出ている。その他では、チューリップ賞と阪神JFの3着馬、そして阪神JFの3番人気馬はそれぞれ好走1頭ずつと、他の上位馬、上位人気馬に比べると苦戦している。
前走チューリップ賞以外からの好走馬
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
新馬戦着順別桜花賞成績
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
まず今年はチューリップ賞の上位3頭がいずれも3番人気以内と、近年の信頼できるパターン(表5本文)に入っているため、ラッキーライラック、マウレア、リリーノーブルの3頭は有力だ。中でも注目したいのは、3着に敗退したリリーノーブル。表1で記したように、今回1番人気よりは2〜3番人気のほうに妙味があることや、表6の中ではチューリップ賞2番人気3着、阪神JF2着と、阪神JFの3番人気以外は好材料が揃っていることが好材料になる。またラッキーライラックも、配当妙味が薄いこと以外は特に減点はない。そしてマウレアは、チューリップ賞3番人気や阪神JF3着が、あまり良くない結果が出ている。ただ繰り返しになるが、近年はチューリップ賞を上位人気で馬券に絡んだ馬は、桜花賞でも馬券圏内を外していないため、他の組を一歩リードしていると考えたい。
その他の組の中では、新馬戦を勝ち(表8)、前走も勝ってきた(表7)レッドサクヤが筆頭格だ。対して、上位人気必至のアーモンドアイは新馬戦で敗れている点が減点材料になる。また、シンザン記念以来というステップは判断が難しいが、間にレースを挟んだ馬であれば同レース連対馬が好結果を出しているため(表4本文)、この「シンザン記念連対」を高く評価するなら上位の一角と考えてもいいだろう。なお、表2で記したように1〜2枠は苦戦しているため、枠順抽選の結果も見て最終的な判断は下すようにしたい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。