LAといえばドジャース? エンゼルス? ロサンゼルスにおける野球ファン事情
歴史がもたらすドジャースの誇り
エンゼルスはディズニーランドから近いこともあり、家族連れの姿が目立つ 【Getty Images】
その理由は、いくつかある。ドジャースはニューヨークのブルックリンに本拠地を置いていた時までさかのぼると、今年が135年目という伝統のある球団で、一方のエンゼルスは今年が58年目。
実際ロサンゼルスに本拠地を置いている年数はドジャースが3年長いだけ(ドジャースは1958年〜、エンゼルスは61年〜)なのだが、それ以降でドジャースは22度プレーオフに進出して10度ナ・リーグのチャンピオン、5度ワールドチャンピオンに輝いている。エンゼルスはドジャースの半分以下の10度のプレーオフ進出でア・リーグ制覇1度、ワールドチャンピオンも1度だ。
ドジャースの往年のスター選手、サンディ・コーファックス(右)とドン・ニューカム 【Getty Images】
一方、エンゼルスはメジャーリーグ通算最多奪三振記録を保持するノーラン・ライアンが27シーズンの現役生活の全盛期をプレーした他、昨年イチローに抜かれるまで、米国以外の出身選手としては史上最多の3053安打を打ったロッド・カル―、今年殿堂入りするブラディミール・ゲレーロらが所属してきたが、エンゼルスに所属歴のある殿堂入り選手・監督は13人のみ。
ドジャースは監督2人を含めて10人の背番号が永久欠番となっており、エンゼルスは元オーナーのジーン・オートリ―を含めて5人で、そこにメジャーリーグ全球団で欠番となっている元ドジャースのロビンソンが加わる。
つまり、過去の優勝回数やポストシーズンを戦った数、輩出した伝説の名選手の数が2チームの間では大きく違う。この違いが、ロサンゼルス市民が抱くチームへの「誇り」に差をもたらしていると言えるだろう。ドジャースはこれらに加え、メキシコ出身のフェルナンド・バレンズエラや野茂英雄でセンセーションを巻き起こし、韓国人の朴賛浩ら海外の選手を積極的に獲得してきたことが米国のみならず、海外での人気にもつながっている。