球筋安定にはフィニッシュを意識 プロのスイング、ここを真似すべし!【谷原秀人編】

吉田洋一郎

【写真:ロイター/アフロ】

日米欧の3ツアーで活躍する谷原

打点を安定させるには、インパクトを「点」でなく「ゾーン」でとらえることが大事だ 【写真:ロイター/アフロ】

 海外で活躍する日本人選手といえば、先日の全米オープンで2位タイに入った松山英樹の名前が真っ先に挙がるが、谷原秀人は海外で活躍する新たなタイプの日本人プレーヤーだ。世界中を飛び回って日米欧3つのツアーに出場する谷原は、すべてのツアーで結果を残している。

 3月に行われた「WGCデル・マッチプレー」では予選ラウンドでジョーダン・スピース(米国)を撃破し、ビル・ハース(米国)に敗れたもののベスト4。この結果、ワールドランクを50位以内とし、マスターズ出場権を獲得した。

 5月に行われた欧州ツアーの旗艦大会である「BMW PGA選手権」では3位タイに入り、欧州ツアー賞金ランキング8位につけシード権をほぼ手中にしている。米PGAツアーでもシード獲得に近づいており、日米欧すべてのツアーでシード権を獲得の可能性がある。

 谷原はプロゴルファーとして決して若くはない38歳。しかし、そのチャレンジャー精神は若手以上のものを感じる。そして、谷原の上昇志向は海外試合に挑戦することだけではなく、常に新しい技術を取り入れ自己変革をする姿勢にも表れている。

 谷原が先駆者として活躍することで、世界中を飛び回って勝負をする気概のある選手が増え、日本のゴルフ界も層の厚みを増してくるだろう。

打点が安定しないアマチュアの問題点

 谷原をはじめとするワールドクラスの選手にとってショットの安定性は欠かせない要素だ。プロツアーではターゲットをピンポイントに狙うショットが要求されるため、高いレベルでショットの安定性と再現性が求められる。

 アマチュアの場合、ショットが右にも左にも曲がってしまうことが少なくない。アマチュアの球筋が安定しない原因の一つは打点が安定しないことだ。ダウンスイングから直線的にボールをヒットしようとしたり、フォロースルーが取れなくなるなどボールを打つ意識がミスヒットを誘発する動きにつながることが多い。

 打点を安定させるためにはインパクトを「点」ではなく「ゾーン」にして再現性を高めることが必要になる。

 球筋が安定しないアマチュアが、谷原から真似るべきポイントはフィニッシュだ。谷原のフィニッシュは毎回収まる場所が一定で、しっかりと振りぬかれている。



 谷原のようにフィニッシュをしっかりと取るためには、その前のフォロースルー、さらにはインパクトにおいてもヘッドを加速させる必要がある。フィニッシュをしっかりと取ることを意識することで自然とインパクトでクラブが加速し、ゾーンでボールをとらえることができるようになるのだ。

 フィニッシュをしっかりと取るために、鏡の前でフィニッシュの体勢をとってみるといいだろう。シャフトが背中に当たり、左足で体重を受け止めたフィニッシュのポジションを取ることで、スイングの最終地点を体に覚え込ませるのだ。

 スイングのゴールが明確になることによって、適切なクラブの加速を行うことができ、インパクトが点ではなくゾーンとなり球筋が安定するだろう。

 そして、谷原のように柔軟に良いものを取り入れる姿勢も真似したい。うまくいかない自分の方法に固執するのではなく、適切な取捨選択をしながら新しいものを取り入れることもゴルフ上達には欠かせないことだ。

※この記事は2017年7月6日にスポーツナビで配信した記事を再掲載したものです
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著者プロフィール

シングルプレーヤーを目標達成に導くゴルフスイングコンサルタント。世界で最も有名なゴルフインストラクター、デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回ゴルフ先進国アメリカやヨーロッパに渡り、PGAツアー選手を指導する一流インストラクターに直接学ぶなど、心技体のゴルフ最新理論に関する情報収集と研究活動を行っている。実際に教えを受けた著名ゴルフインストラクターの数は100名を超える。監修した書籍「ゴルフのきほん」は30,000部のロングセラー。ゴルフ雑誌、スポーツ新聞にて連載を3つ持ち、世界のゴルフティーチングに関する情報発信を行っている

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