【UFC】新進気鋭オルテガが過去最強の男に挑む スワンソンはタイトル戦なしにイライラ

(c) Zuffa, LLC

美しき破壊者、スワンソンのフラストレーションとモチベーション

スワンソン(左)はタイトル戦に絡めずフラストレーション。そのうっ憤を次戦で晴らす 【Zuffa LLC】

 これに対してフェザー級ランキング4位につけるベテランのスワンソンは次のように応じている。

「オルテガはよくいる上昇中の若手だろ。俺のポジションを奪おうとしているんだろうけど、そうはならない。いい試合にはなると思う。オルテガはスタンドも柔術もできる無敗の選手だ。ただ、どれほど試合をイメージしてみても、俺がヤツの顔面を何度も何度も殴りつけているところしか見えないんだ。こっちはこれまで、たくさんの大舞台を踏んできたけど、彼にとっては今回が初めての大舞台だろう。この試合は俺がメインイベントで再び輝くチャンスにすぎない」

 WECとUFCでここ10年間を戦い抜き、その間の戦績16勝6敗、現在は4連勝中かつ2試合連続でファイトナイトボーナスを獲得と脂が乗りきっているスワンソン。特に「UFC 206」でのチェ・ドゥホ戦(16年12月)は、UFC公式サイトで16年ファイト・オブ・ザ・イヤー第1位に選ばれる名勝負だった。

 こうして長きにわたりフェザー級のトップファイターとして認められながら、いまだにタイトルに挑戦していないことについて、スワンソンはフラストレーションを隠さない。

「オレにとって今回がフェザー級で20戦目だ。その間、ずっとトップを張ってきた。だから、例えばフランキー・エドガーのような選手が何度もタイトルに挑戦しているのを見ていると、ちょっと納得できない気分はある。オルテガには悪いけど、今回は機嫌が悪いんだ。腹いせに痛めつけてやる」

 チェ戦から数カ月には娘ロイヤルちゃんが生まれた。このこともスワンソンにプロファイターとしてのステージのレベルアップを決意させている。

「いつもの試合哲学は“ビューティフル・ディストラクション(美しき破壊)”なんだけど、今回の試合は娘にささげる“ロイヤルな(王道の、堂々とした)パフォーマンス”でいこうと思う。娘の存在は自分の頭の中を大きく占めていて、合宿期間中も娘がモチベーションだった。娘が誇りに思えるようなパフォーマンスをしたいんだ。試合だけじゃなく、家族を養っていくという意味でもね」

 さまざまな思いが交錯する分岐点となる今回はスワンソンにとっても白星の意味がいつも以上に重い試合となる。

ディアス2世、ジェイソン・ナイトの全力ファイト

 セミメインイベントには相手を罵倒しながら戦う姿がまるでニックとネイトのディアス兄弟にそっくりだとして、ファンから“ヒック・ディアズ(田舎者ディアス)”というニックネームを付けられているフェザー級の新鋭、ジェイソン・ナイト(米国)が登場し、ガブリエル・ベニテス(メキシコ)と対戦する。ナイトの出身はミシシッピ州の小さな田舎町だ。

 4連勝中の際には、うち3試合でボーナスを獲得する名勝負製造機のナイトは試合中のトラッシュトークについて次のように語っている。

「ジムでは毎日、あんなふうに悪態をつきながら練習している。そうやって楽しく過ごしているのさ。ただ練習しているだけだと、だんだんマンネリ化してくる。造船所でも建築現場でも、みんな悪態をつきながら毎日を乗り切っているだろう? それと同じだよ。それに、試合でなかなか効き目があるんだ。相手が冷静さを失うみたいでさ。だからこれからも、効き目がありそうなら試合中に相手を罵倒するつもりだ。“クソみたいなパンチだな“とか“もうおしまいなのか?“とかね」

「でも、オレはオレなんだ。オレのことをこれからじっくり見ていてくれれば、ディアスのことなど忘れさせてやる。彼らはもう過去の人間だけど、“ザ・キッド”(ナイトの公式なニックネーム)はこれからばく進するからだ!」

「オレはできる限りハードに戦う。そのやり方しか知らないんだ」と語るナイトの全力ファイトも見逃せない「UFCファイトナイト・フレズノ」をお楽しみに。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント