稲葉監督の“初陣”は収穫の多いドロー ポイントになった打線の1、2、5番

中島大輔

先発、2番手で3失点も「心配していない」

古巣・日本ハムとの練習試合で手応えを口にした侍ジャパンの稲葉監督 【写真は共同】

 一方の投手陣は、先発の薮田和樹(広島)が2回2失点、2番手の田口麗斗(巨人)が3回1失点。しかし、建山義紀コーチは「調整段階なのでまったく心配していない」と話した。コントロールが甘くなったところを痛打されたが、ボール自体は悪くなかった。

 今回の合宿に合流する1週間前まで日本シリーズを戦っていた今永昇太(横浜DeNA)は3番手で登板し、2イニングをパーフェクトピッチング。

「先頭打者の初球から2球続けてボールになってしまいました。納得がいっていない2球です。先頭打者の初めから悪いボールにしたのがすごくもったいなかった」

 真っ先に反省点を口にしたものの、3球目でセカンドフライに打ち取ると、以降を完璧に抑えたのは見事だった。今永自身、3球目以降は「自分のボールを投げられた」と振り返っている。

 8回はセットアッパー候補の近藤大亮(オリックス)が三者凡退。そうして収穫の多い一戦を終えると、稲葉監督は13日の西武との練習試合に視線を向けた。

「明日は先発メンバーを少し変えようと思っています。ポジション、打順を含めて、どうやって機能するかをしっかり見ていきたい。調子も含めて2試合(の練習試合)で見極めないといけないので、もう1回見極めて、いいオーダーをしっかり組めるように明日もやりたいです」

 16日に開幕するアジアプロ野球チャンピオンシップでは、この日の先発メンバーが基本になってくるだろう。あとは、13日の西武戦で打順の細かい入れ替えなど、試したいことを試し、ベストオーダーを探っていく。

 本番前、最後の練習試合で前向きなトライができるという意味でも、稲葉ジャパンは手応えのある“初陣”で滑り出した。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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