7球団競合の清宮、縁を感じる日本ハムへ 「ブレずに自分を信じてやりたい」と決意

清水岳志

「野球だけじゃない人間」が理想

高校通算111本塁打を放ってのプロ入りとなるが、「プロは別の世界なので甘んずることなく、磨きをかけたいなと思っています」とさらなる鍛錬を誓った 【写真は共同】

 今日の会見で清宮が数回繰り返し言ったのが、「目の前のことを一つ一つ」というフレーズだった。「ブレずに自分を信じて。やれることを一歩一歩、やっていきたい」と。

「目標に王(貞治/福岡ソフトバンク球団会長)さんのホームラン数もあるんですが、まだまだそんな選手ではないですし、目の前のことを一個一個クリアしていけば」

「高校で111本のホームランを打っていますが、プロは別の世界で甘んずることなく、磨きをかけたいなと思っています」

 そしてプロ野球戦手としての理想像を問われ、「人間としてしっかりしていないと、いいプロ野球選手になれないし、社会に出て野球だけじゃないと言ってもらえることが理想。清宮なくして勝てなかったと言われるような貢献の仕方ができれば」と語った。

夢のメジャーへ着実にやっていく

 夢は米大リーグで活躍することを明言してきた。最後の質問で付け加えた。

「メジャーリーガーになりたいと思ってる。でも先のことは何も言えない。夢はしっかりあるので、着実に一歩一歩やっていきたい」

 日本ハムはこのオフ、大谷翔平がポスティングでメジャー移籍を容認すると言われているように、メジャー移籍に寛容な球団なのも清宮にとって、いい球団だったかもしれない。

 そして、和泉監督の笑顔が印象的だった。

「7球団、すごいねぇ。人間性、総合的なことを評価してもらった。あいつは目の前のことをやっていくのが好きなんです。誰でも小さいころはプロ野球選手が夢にある。そこに行くには目の前のことをやることと、自分を律することができる人間なんです。これからは職業で大変だろうけど、一ファンとして応援してあげたい」

 できれば、日本ハムが当たりくじを引いた瞬間の清宮の表情を見たかった。雨の多い東京の10月だったが、今日の秋晴れの空のように、晴れ渡っていたのではないだろうか。

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著者プロフィール

1963年、長野県生まれ。ベースボール・マガジン社を退社後、週刊誌の記者を経てフリーに。「ホームラン」「読む野球」などに寄稿。野球を中心にスポーツの取材に携わる。

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