天皇賞(秋)は初挑戦馬が狙い目か!? キタサンブラックは好走データにぴったり

JRA-VANデータラボ

5歳時に天皇賞(秋)で好走した馬(過去10年)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 同じように5歳時に天皇賞(秋)で好走した馬を見ていく。昨年優勝のモーリスをはじめ、こちらも好走馬がかなり多い。ジェンティルドンナやウオッカなど、G1実績がかなり豊富な馬が目立つが、特に東京コースを得意としていた馬が多いように感じる。JCや日本ダービー、アルゼンチン共和国杯といった重賞だけでなく、メトロポリタンSやメイSといったオープン特別(ただし、古馬戦)の実績にも注目してみたい。表3の該当馬すべてがそうした実績を持っていた。前走で好走しているかどうかも気になる点ではあるが、東京芝コースの実績がより大事になる。8歳で好走したカンパニーも、毎日王冠など東京コースの実績は豊富。3歳で好走したディープスカイやフェノーメノは日本ダービーで連対していた。年齢を問わず、東京芝コースの実績の有無は気になる。

結論

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 それでは今年の天皇賞(秋)を展望してみよう。出走予定馬は表3の通り。

 年齢的には3歳のソウルスターリングから8歳のディサイファまでという構成。頭数で見ると4歳と5歳馬が多く、今年もここから好走馬が出てくる可能性が高い予感がする。まず4歳馬だが、かなり心もとないメンバー。なぜならば春にG1で好走した馬がいない。また、毎日王冠で3着以内に好走した馬もいない。そしてすべてが天皇賞(秋)は初挑戦なので、当然同レースでの好走実績馬もいない。

 一方、5歳馬はどうか。注目となる東京芝コースの実績馬は、昨年のJCを勝っているキタサンブラックと昨年の天皇賞(秋)2着のリアルスティール。G1実績でなくてもいいのだが、意外と少なくこの2頭。まずはこの2頭が有力となる。サトノクラウンは3歳時にダービー3着、2歳時に東スポ杯2歳Sを勝っているが、天皇賞(秋)は二度目の挑戦になる。この点はリアルスティールにとってもやや割り引きと考える。キタサンブラックは天皇賞(秋)初挑戦。宝塚記念9着以来の休み明けだが、むしろ狙い目でリアルスティールより上の評価としてみる。

 あとは次点で前走毎日王冠3着のグレーターロンドン。6歳馬だが今年の安田記念を制しているサトノアラジンに注目。ともに天皇賞(秋)は初挑戦だ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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