右手?左手?抽選最強の組み合わせは!? 過去のプロ野球ドラフト会議を徹底分析

数々のドラマを生んできたプロ野球ドラフト会議 の抽選を徹底的に分析。最強、最弱の組み合わせとは!?(写真は2016年ドラフト会議で創価大・田中正義の交渉権を獲得したソフトバンク工藤監督) 【写真は共同】

 自分のお気に入りの球団にどんな選手が入るのか、あの有名アマチュア選手はどこの球団に入るのか、プロ野球ファンとアマチュア野球ファンが一遍に楽しめるドラフト会議。長い歴史の中で、競合、抽選で数々のドラマを生み出してきました。今年も高校通算111本塁打を放った早稲田実・清宮幸太郎選手に10球団が面談をするなど、過去最多の8球団以上の競合があるのではないかとも言われています。

 今回は過去8年のドラフト会議の抽選を振り返り、誰が、どの手で、何番目に引くと勝率が高いのかを徹底的に分析。果たしてどのパターンの勝率が高いのでしょうか?

 ちなみになぜ8年なのか? 今手元にある資料で確認できたのが過去8年分だったから…そこら辺の突っ込みはなしでお願いします……。
(※以下、肩書きは当時のもの)

どっちの手で引くと当たる?

 右手で引くか、左手で引くか――ドラフトの抽選時に注目される要素のひとつです。かつて6球団競合した2009年の花巻東高・菊池雄星、10年の早稲田大・大石達也を見事引き当てた渡辺久信監督の“黄金の右手”は有名になりました。また、現役時代は右打席からの右打ちで1739安打を積み上げた阪神の和田豊監督は左手にこだわり、4球団で抽選の末に大阪桐蔭高・藤浪晋太郎を引き当てたこともあります。

 ではどちらの手が勝率が高いのか? 過去8年間31人の抽選で91回くじが引かれています。右手でくじを引いたのは57回、当たりくじを引いたのは24回、勝率は42パーセントでした。左手は34回中7回が当たりくじと勝率は21パーセントに終わっています。

【イラスト:カネシゲタカシ】

何番目に引くと確率高い?

 過去、最多の競合は1989年の新日鉄堺・野茂英雄、90年の亜細亜大・小池秀郎の8球団です。野茂は8番目の抽選となった近鉄、小池は3番目のロッテが引き当てました。

 過去8年間の最多競合は先述の菊池と大石の6球団。どちらも西武の渡辺監督が引き当てていますが、菊池のときは1番目の抽選、大石は6番目の抽選でした。

 抽選になるのは2人以上なので、1番目か、2番目が当たりが多くなるのですが、31回の抽選で2番目が16回(勝率52パーセント)の当たりを呼び込み、1番目の10回の当たり(同32パーセント)をはるかに上回りました。

 ちなみにかわいそうなデータを紹介すると、過去8年間で4球団から6球団の競合は8回ありましたが、4番目の抽選で当たりくじを引かれたことは1度もありませんでした。なお、3番目は3回、5番目は1回、6番目は1回当たっています。

【イラスト:カネシゲタカシ】

誰が引くといいの?

 印象的なのは、13年に九州共立大・大瀬良大地を3球団競合の末に引き当てた広島でしょう。くじを引いたのは、当時の野村謙二郎監督やオーナーではなく、大瀬良を担当していた田村恵スカウトでした。当たりくじを引き当てたときの涙は多くのファンの心に残ったシーンだと思います。なお、広島は翌年も早稲田大・有原航平の抽選で、尾形佳紀スカウトが抽選を担当しましたが、2匹目のどじょうはいませんでした……。

 過去8年を見てみると、やはり圧倒的に多いのは監督の64回。しかし、当たったのは20回と勝率は31パーセント。次いで多いのは球団社長ですが、19回中9回、47パーセントと高い勝率を誇っています。

【イラスト:カネシゲタカシ】

どの球団の勝率が高い?

 ファンの印象に残っているのは10年のオリックス・岡田彰布監督ではないでしょうか。1回目の抽選で大石を外すと、外れ1位では東海大・伊志嶺翔大をロッテとの抽選の末に外し、外れ外れ1位では履正社高・山田哲人をヤクルトとの抽選でも負けて、まさかの3連敗を喫しました。

 オリックスは12年の藤浪も森脇浩司監督が外すなど、ここ8年で0勝6敗と一度も交渉権を獲得できていません。

 逆に高い勝率を誇るのは、4回抽選で3回当てた西武の75パーセントと言いたいところですが、注目は9回中6回と勝率66パーセントを誇るロッテでしょう。11年の大学ナンバーワン左腕・藤岡貴裕を3球団の競合の末に当てると、16年には2回目の抽選で桜美林大・佐々木千隼を5球団の競合で、山室晋也球団社長が見事当たりくじを引き当てています。

【イラスト:カネシゲタカシ】

※次ページで「最強の組み合わせ」「最弱の組み合わせ」を紹介

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