ファイナル進出は阪神かDeNAか セCSファーストステージの見どころ
試合の流れを決めるリードオフマン
2年連続でCS進出を決めたラミレス監督(左)と先発起用が予想されるウィーランド 【写真は共同】
DeNAは、高卒6年目の桑原将志が今季全試合に「1番・センター」でスタメン出場し、打率2割6分9厘、13本塁打、52打点の成績を残した。しかし、対阪神戦に限ると打率2割4分3厘、甲子園でも打率2割5分とやや数字が低下する。投手別に見ると、秋山に対しては11打数6安打の打率5割4分5厘だったが、対能見には9打数1安打、対メッセンジャーには7打数無安打に抑え込まれた。相手先発にもよるが、桑原自身がレギュラーシーズンの借りを返すことができれば、DeNA打線は一気に勢いに乗れる。
一方の阪神は、プロ8年目で30歳となった俊介の1番起用が濃厚。これまでは守備要員を含めた脇役のイメージが強かった男が、今季途中から打撃開眼で結果を残し、出場74試合(スタメン出場38試合)ながら打率3割9厘をマーク。シーズン終盤に「1番・センター」に座って快音を連発し、打線のキーマンに急浮上した。相手先発との今季の対戦成績を見ると、石田には12打数3安打、今永には3打数無安打、ウィーランドは対戦なしという数字が残っているが、元々は対左投手への強さが売りであり、今季も左投手に対して95打数33安打の打率3割4分7厘の好成績を収めている。第1戦での先発が濃厚の今永の出鼻を、俊介のバットでくじくことができれば、流れは一気に阪神に傾く。
初戦勝利が勝ち上がるための条件
それより重要なのは初戦の大切さ。第3戦までもつれこんだのはセ・パの過去20対戦中11回あるが、第1戦を落とした状態から2連勝して逆転進出を果たしたのは09年の中日(対東京ヤクルト)の1回のみ。20回中9回は初戦勝利チームが2連勝(14年阪神は1勝1分け)で勝ち上がり、残り10回は初戦勝利したチームが第2戦を落としながらも第3戦に勝利している。
さらに、その後の“打倒カープ”を達成するためには、ファーストステージを2試合で終えて先発投手に余裕を持たせた状態でファイナルステージに勝ち進むことも必要になる。実際に過去、2位または3位チームが日本シリーズに進出したのは、07年の中日(リーグ2位)、10年の千葉ロッテ(リーグ3位)、14年の阪神(リーグ2位)と3回しかなく、いずれも2試合でファーストステージをクリアしている。
まずは第1戦、まずは先制点、まずは初回、まずは初球……。2戦先勝の超短期決戦。一度つかんだ流れは、決して相手に渡してはならない。