DDTらしく、攻める姿勢を! 東京03豊本のプロレスあれこれ(19)

東京03 豊本明長

“鬼軍曹”山本小鉄さんを激怒させたディーノ

「見る人の心を揺さぶる」戦いをするディーノ選手。新日本のリングでは“鬼軍曹”に激怒されても自分を貫きました 【写真:前島康人】

 ただ僕は……

 どうも、DDTらしくなくなってきたと感じました。

 もちろん、試合の美しさ、均整の取れた身体、爽やかさ。女性ファンだけではなく、試合の激しさ、すごさは、マニア層まで認めるような選手も出てきています。でもその一方で洗練されすぎてきたなと。

 技術のすごい試合よりも、選手のダメなところだったり、コンプレックスだったりと、弱点があるにもかかわらず、そういう部分をなんとかして、プラスに変えて戦いの中で、お客さんの心を揺さぶるモノを見せていく。

 試合のすごさで見せているから良いという考えもありますけど、それはほかの団体でも見られるものであります。

 たくさんある団体の中では埋もれていきます。

 かつてディーノ選手が新日本プロレスの『SUPER J−CUP』に参戦した時、その参戦理由に、「プロレスラーは、見る人の心を揺さぶる事ができて、初めてプロレスラーだと私は思う。私を見て、『なんだアイツ』と思った奴も心を揺さぶられただろう」

 それはそうです。新日本プロレスという日本のトップの団体に、『なんだアイツ』と思われるような“ゲイレスラー”としてハレンチな試合をしたわけですから。

 これには“鬼軍曹”山本小鉄さんも激怒。

 しかしディーノ選手は、「小鉄さんがなんだって言うの。小鉄さんのやり方で行き詰ったから、今こんなにいっぱい団体があるんじゃない。私のような生き方も許されると思うわよ」

 本当に揺さぶられました。

 その後、小鉄さんの告別式にも参列したディーノ選手。「これでアタシを怒ってくれる人が、いなくなっちゃうのかしら。アタシが言うとおかしいかもしれないけど、そんなプロレス界ではいけないわ」と。

 これは、単純に自分だけ面白い事をして目立つという単純な考えではなく、プロレス界を俯瞰(ふかん)で見て、自身の役割もキッチリ分かっている人の言い方です。

 ディーノ選手なりのプロレスへの愛情、新日本プロレスへのリスペクト、インディーという立場の誇り、いろいろな思いを感じる言葉でした。

こんなに信用できる舵取りはいない!

DDTの全権を握ったディーノ選手。これからどんな舵取りをするか、楽しみです! 【写真:前島康人】

 今現在、新日本プロレスというしっかりとした団体が日本のプロレス界に君臨しています。そんな時こそDDTがDDTらしい個性を見せていけば良いと思います。

 そのためには、ディーノ選手のプロデュースが必要不可欠。こんなに信用できる舵取りはいません。きっと面白いものを僕たちに提供してくれると思います。

 DDTの未来が楽しみです。

 まぁ、ちなみになんですけど、昔、僕らの単独公演のおまけの演目でディーノ選手に出演してもらった事があるんですが……。攻めてました。
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著者プロフィール

プロダクション人力舎所属のお笑いトリオ「東京03」のメンバー。「特技:プロレス観戦」というほどのプロレス通。FIGHTING TV サムライでは「速報!バトル☆メン」の水曜司会も担当している

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