東京都23区から茨城県まで往復! 『柴又100K』にチャレンジ

三河賢文

折り返しで出会える『五霞町エイド』のおもてなし

【写真提供:三河賢文】

【写真提供:三河賢文】

 柴又100Kの前半戦は、ぜひ50kmの折り返し地点に当たる『五霞町』のレストステーションを目標にしてみてください。こちら、すでに東京都ではなく、さらに埼玉県を越えた茨城県。新鮮野菜やうどん、飲み物など、たくさんの飲食物が提供されています。しかし、それだけではありません。
 ランナーを迎えてくれる、五霞町の元気なボランティアの皆さん!

「うどん、おかわりして行ってくださいね!」
「キュウリはいかがですか!? 美味しいですよ!」

 と、心温まる“おもてなし”が待っています。ついつい長居してしまいたくなる居心地の良さ。ただし、あまり休み過ぎると後半の時間が厳しくなるのでご注意ください。

 こちらでは予め預けた荷物を受け取れるので、食べ物で補給しつつ、着替えや補給食の補充なども行えます。私はシューズを履き替え、デオドラントシートで身体や顔を拭いて、20分ほどゆっくりさせていただきました。

気温上昇! 後半は暑さとの戦い

【写真提供:三河賢文】

【写真提供:三河賢文】

 五霞町のレストステーションを後にして、いよいよ後半戦に突入。ただし本大会、柴又〜五霞町の河川敷を往復するコースのため、ここからは“来た道を戻る”ことになります。河川敷のためフラットで走りやすく、疲労が溜まりにくい反面、変わらない景色に辛さを感じるかもしれません。

 前半は前と横からの風に苦しめられました。ということは、後半は追い風が助けてくれるのではと期待したところ、確かに多少はその恩恵が。しかし不思議なもので、同じ強さの風でも、追い風はあまり強く感じないものなんですね。むしろ朝とは打って変わって晴天になり、風の影響が少なくなったことから、後半は“暑さ”が厳しくなりました。単純な気温だけでなく、アスファルトからの照り返しも体感温度を高めます。

【写真提供:三河賢文】

 そして特に後半は、注意したいのが関門。たとえゴールできるペースで走っていても、各所に、設けられた関門の制限時間に間に合わなければ、それ以降は走ることができません。ただでさえ疲れが出始める中、時計とにらめっこ状態だったというランナーもいたのではないでしょうか。

【写真提供:三河賢文】

 やがて夕方になり、日が沈み始めました。柴又が近づくと、再び雲が現れて少し涼しさが出ます。汗で冷えてしまわないよう注意しながら進むと、こんなにキレイな夕焼けが見られました。そして完全に日が沈むと、今度は暗闇でのレースが始まります。

【写真提供:三河賢文】

 ゴールが見える頃にはすでに真っ暗闇。コース上はライトで照らされていますが、疲労困憊だと“暗い”という状態が精神的なダメージになります。実際、ゴールが近づくにつれて、走れずに歩き始める方もたくさん。一歩一歩、皆さんそれぞれの目標を持ってゴールへと進み続けます。
 知人ランナーと共に写真を撮影しつつ楽しみながら走ったためにタイムは遅いのですが、お陰さまで無事に12時間49分09秒(グロス)で完走できた柴又100K。毎年デザインの異なる完走メダル、今年は帝釈天の門を模したデザインでした。風、そして暑さと、前半・後半で異なる難関が待ち受けていた今年の大会。しかし全体的にコースは走りやすく、給水所はこまめにあるので水分補給は十分だったと思います。記録を狙いたい、あるいは初の100kmだからできるだけ疲れないコースが良いという方なら、適するレースではないでしょうか。柴又観光がてら、気になる方はぜひ参加してみてください。

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著者プロフィール

中学生の頃から陸上競技を始め、大学では十種競技選手として活動。引退後、約7年のブランクを経て2011年6月よりランニングを開始。同年にハーフマラソン、フルマラソン、翌年には100kmのウルトラマラソンやトライアスロン(オリンピック・ディスタンス)も完走。沖縄本島1周マラソンなどを始め、今では“超長距離”レースにも数多く出場している。また“トウモロコシ”や“アザラシ帽子“をトレードマークに、仮装マラソンも楽しむ。ランニングブログも不定期更新中。趣味と過去の経験を活かし、現在は東京都葛飾区内にある中学校の陸上部にて、外部コーチとして指導も行っている

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