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攻撃の鍵は“左”、狙いが明確だった日本
U−20W杯 南アフリカ戦データ分析

チームとしての狙いが見えた2ゴール

決勝点は久保(右)の折り返しから堂安がゴール。1点目も非常によく似た形からだった
決勝点は久保(右)の折り返しから堂安がゴール。1点目も非常によく似た形からだった【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 そして後半14分、内山監督が動く。三好に代えて久保を投入。岩崎を左サイドハーフへ移し、小川と久保の2トップに変えた。


 後半15〜30分は、日本のポゼッション率が43%。南アフリカにボールを持たれる時間が長くなっている。しかし、敵陣にスペースがあったので、奪ったボールを久保や小川が運び、反撃することもできていた。敵陣ペナルティーエリアでのプレー回数は、日本が4回、南アフリカが2回と、むしろ上回っている。前半の序盤と同じように、ポゼッションを渡す展開ではあるが、後半はより“持たせる”試合運びができた。


 そして後半27分、日本は中盤のリスタートからゴールを陥れる。センターバックの中山雄太から途中出場の左サイドハーフ、遠藤渓太に展開すると、その前の左サイドのスペースへ、久保が斜めに流れた。この久保の動きは、先制ゴールで岩崎がやったものとまったく同じだ。試合中にも頻繁に見られたので、日本はチームとして狙った形だったのだろう。


 遠藤は久保をおとりに、空いた中央のスペースへカットインし、堂安へパス。ここでおとりの動きをしていた久保が、ゴール方向へ進路を変えて走り込み、堂安からのワンタッチパスを呼び込む。ファーサイドに流れた小川にはマークが付いていたが、久保はマイナス方向の堂安へ折り返し、そのまま押し込んだ。1点目も2点目も、非常によく似た形であり、チームとしての狙いが見えた。

得るものがあり、手応えもあり

得るものがあり、手応えもあり。良い内容で勝ち点3をつかんだ
得るものがあり、手応えもあり。良い内容で勝ち点3をつかんだ【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 2−1とリードすると、後半30分以降は、南アフリカのポゼッション率が68%と圧倒された。しかし、ペナルティーエリアに侵入されたプレー回数は2回で、日本は3回と上回った。相手にボールを持たせる傾向がより強くなり、うまく試合をコントロールしたと言える。


 全体としては、日本が賢く試合を進めた。前半序盤のバタバタ、後半序盤の若干のバタバタを修正しながら、時計の針が進むごとに日本の時間帯になった。スピードやパワーへの慣れ、冷静に行えたゲームコントロール。得るものがあり、手応えもあり、初戦としては良い内容だったのではないか。


※本スタッツデータは大会公式とは異なる場合があります。


(グラフィックデザイン:相河俊介)

清水英斗
清水英斗

1979年12月1日生まれ、岐阜県下呂市出身。プレーヤー目線で試合の深みを切り取るサッカーライター。著書は「欧州サッカー 名将の戦術事典」「サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術」「サッカー観戦力 プロでも見落とすワンランク上の視点」など。現在も週に1回はボールを蹴っており、海外取材では現地の人たちとサッカーを通じて触れ合うのが楽しみとなっている。

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